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自分史 まずは記憶整理…講座やサークルで批評し合おう

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塚田さん(左)は「自分史は他人が読むので、わかりやすさに配慮することが大切」と話した(千葉県習志野市の袖ヶ浦公民館で)

 定年退職や子どもの独立を機に、書き始める人の多い自分史。自らの人生を振り返るだけでなく、自分のやりたいことを見つけ、これからの人生を考える際に役立てようと執筆する人もいる。自分史を書いてみたい人向けのアドバイスを専門家に教わった。

 自分史の書き方を教える様々な講座は、公民館やカルチャーセンターなどで開かれ、人気となっている。

 千葉県習志野市の袖ヶ浦公民館でも昨年11月、自分史などの書き方を教える「やさしい文章教室」が開かれた。「東銀座出版社」(東京)の編集長、塚田一未かずみさんが「一生懸命な人生そのものが読者を感動させる。『あの人はこんな失敗や苦労を乗り越えたのか』と驚かれるような体験を書いてほしい」と話すと、50代以上を中心にした約30人がメモを取りながら聞き入った。

 近年の自分史人気の背景について、立教大教授の木下康仁さん(老年学)は「定年退職しても、第二の人生が15年以上ある時代。『人生を振り返りたい』という人に加え、これからの生き方を考えるために自分史を書く人が目立つようになった」と分析する。

 自分史を書くためには、どのような準備が必要なのか。

 自分史の書き方を教えている一般社団法人・自分史活用推進協議会(東京)代表理事の前田義寛さんは、「『何のために自分史を書くのか』を考え、書く内容を絞った方が書きやすい」と話す。

 思い出やできごとを生まれた時から時系列で全て書く必要はない。「自分の戦争体験を子どもに残したい」という目的なら、疎開や貧しい食事など、戦時中の出来事に焦点を当てるようにする。

 一方、第二の人生を考える目的で自分史を書くなら、経験した仕事や成果に絞って書けば、自分の強みややりたいことが見つかりやすい。

 いきなり書き始めず、記憶を整理しておくことも大切だ。同協議会事務局長の高橋誠さんは、人生を年表に整理したり、アルバムや日記など材料をそろえたりすることを勧める。年表に、「東京五輪」のような社会的な出来事も書き入れておくと、当時のことを思い出しやすくなる。

 書き始める際には「就職」「新入社員時代」など、テーマや時期ごとの章立てを考え、書きやすい章から書き始める。また、「初めての海外出張」など、「初めて」の体験を盛り込むと、その後の人生に与えた影響などについて触れやすくなって、話が膨らむ。

 自分史の執筆は、机に一人で向き合うような印象が強い。しかし、木下さんは「自分史講座を受けたりサークルに参加したりして、仲間と一緒に書いた方がいい」とアドバイスする。文章を批評し合うことで第三者の視点が得られ、自分の人生をより深く理解できるからだ。

 最近はパソコンのソフトが充実し、自分が撮った思い出の写真をスライドのように画面に映して解説を加えるなど、書籍形式ではない自分史も手軽に作れる。高橋さんは「自由な発想で自分史作りを楽しんでほしい」と話している。

 自分史を書くためのポイント

 ▼書く前に記憶を整理しておく。「うれしかったこと」「学校」などのキーワードを書き出していくと、様々な記憶がよみがえり、整理をしやすくなる

 ▼孫の自慢話や周囲の人の悪口は、読者を不快にさせるので避ける

 ▼自分史を書いている仲間から生き方を聞くと、第二の人生を考える際に参考になる

  (木下さん、塚田さん、自分史活用推進協議会の話を基に作成)

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