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教育評論家 尾木直樹さん

一病息災

[教育評論家 尾木直樹さん]むち打ち症(2)なるまいと思った教師の道へ

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 高校2年に進級の直前、父の転勤で滋賀から香川に転居した。編入試験の後、「進級に単位が足りない」と指摘された。前の学校で体罰教師の体育の授業をボイコットしたので、赤点だった。この1教科のため、高校1年をやり直すことになった。

 教科書は前と同じで、苦痛の高校生活だった。「放課後は県立図書館に直行し、午後9時の閉館まで過ごす毎日だったの。学校に心を開くことができず、修学旅行も行かなかった。精神的には引きこもりと同じね」

 東京の大学を受験した。2年目に第1志望ではないが、教育学部に合格。学生運動が吹き荒れていた。

 芭蕉の「奥の細道」の論文を書くため、夏休みに足跡をたどる旅の途中、授業で知り合った女友達の実家を突然、訪問した。2人で行った海岸の岩場で、足をざっくり切ってしまい、抜糸するまで泊めてもらった。妻とのなれ初めだ。「我ながら積極的でした。“けがの功名”だったのよ」

 就職に悩んだ。高校時代に嫌な体験をしたので、教師にはなるまいと思った。しかし、相談した元教師の母が意外なことを言った。

 「つらい経験をいっぱいしているから、子どもの気持ちがわかる良い先生になれると思うよ」

 教員採用試験の受験を決めた。その勉強中、40年越しの後遺症に苦しんだ「むち打ち」の事故が起きた。

 

 教育評論家 尾木 直樹(おぎ なおき)さん(67)

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