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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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寒い季節は要注意…死因第3位の病気は肺炎だった

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 寒い季節は体調管理が大切です。とくに注意したいのが肺炎です。昨年の死因第3位は肺炎でした。肺炎は、様々な原因から起こります。小さな子どもからお年寄りまで、肺炎になる危険性があります。

 肺炎の原因は様々です。ウイルスによるもの、細菌によるもの、結核によるもの、いろいろな感染症が原因になります。風邪を引いた後、なかなか治らない場合には、肺炎を疑う必要があります。感染症による肺炎ばかりでなく、心臓が原因で起こる心臓喘息ぜんそくなどもあります。

 では、肺炎にかからないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。まずはワクチンを積極的に受けておくことが大切です。今年の10月から厚生労働省は高齢者を対象に、肺炎球菌ワクチンの接種を始めました。しかし、ワクチンだけでは防ぐことが出来ないものもあります。

 そこで、毎日の生活で行うことができる予防策があります。


1.口腔こうくうケア

2.手洗い

3.免疫力を上げる




1.口腔ケア:口の中をゆすぐ、歯磨きをする、うがいをする
 口の中にいる細菌が肺炎の原因になります。寝ている間に、口の中の細菌が増えています。起きたときは必ず口の中をゆすぎ、歯磨きをすることで細菌数を減らすことができます。食事の後、食べたものの残りカスを減らすことでも、細菌の増殖を予防することができます。食後は必ず歯磨きをすることをお勧めします。

 のどにも、肺炎の原因となる細菌やウイルスがいます。朝起きたときには、うがいをしてノドをよく洗うようにしましょう。外出先から帰ってきたときばかりでなく、商談で人と話した後や友人と会話を楽しんだ後にも、うがいをするのが大切です。


2.手洗い
 トイレの後、手を洗うことが習慣になっている方は多いと思います。肺炎を予防するために手を洗う場合のポイントは、手に付いた目には見えない細菌やウイルスを洗い流すことを意識することです。

 手すりやドアノブに触れた後、本屋で立ち読みをした後、知らないうちに手は汚れています。汚れている手で、髪の毛を触ったり、顔をこすったりしているうちに、肺炎の原因となる細菌やウイルスが広がっていきます。こまめに手洗いをすることをお勧めします。

 手洗いのコツは以前、このブログに書かせていただきましたので、参考になさってください。


3.免疫力を上げる
 現在、病院に通院されている方は、いろいろな意味で免疫力が落ちていると思います。病院へ通院されていない方でも、疲れていたり、寝不足だったり、精神的ストレスがあったり、いろいろな原因で免疫力が落ちていると思います。様々な原因で、免疫力は落ちてしまいます。

 では、免疫力を上げるためには、どうすれば良いのでしょうか。とくに寒い冬、肺炎を予防するために心がけたいのが、体を冷やさない、体を温めることです。体を温めておけば、免疫力を活性化させておくことができるからです。

 体を温めるためには、外出するときに服を重ね着することも大切ですが、体の芯から温めることが重要です。例えば、簡易カイロを貼る場所をヘソの上にしてください。体全体を温めるためには、血液を温めることが効率的です。ヘソの位置には大動脈があります。大動脈を温めることで、血液を温め、体全体へ温まった血液を送ることができます。

 体を温める方法は、わたしの著書「上体温のすすめ」にも、詳しく書かせていただきましたので、ぜひ、ご参考にしてください。



 今年はデング熱、エボラ出血熱と聞き慣れない感染症が流行しました。インフルエンザも、昨年より早く流行しています。どうか、口腔ケア、手洗い、免疫力を上げることを毎日の生活に取り入れてください。そして、元気で健康な毎日をお過ごしください。

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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4件 のコメント

健康管理のピットフォール 隠れ心筋梗塞

寺田次郎関西医大放射線科不名誉享受

肺炎が死因の上位に来る理由は何故でしょうか?結局、お年寄りは加齢のほかに全般に何かの拍子に体が弱って、最後のとどめを刺すのが肺炎であることが多い...

肺炎が死因の上位に来る理由は何故でしょうか?

結局、お年寄りは加齢のほかに全般に何かの拍子に体が弱って、最後のとどめを刺すのが肺炎であることが多いということです。

心臓病や脳卒中の問題も似ていて、徐々に体が弱ってくる中で、最後のとどめを刺したのが「主な死因として評価されやすい」という事情があります。
多くの重症患者は全身あちこちに問題を抱えていることが多いです。

一般の人は死亡診断書を取り扱うことも少ないのでその辺の数字や病名のトリックは見えにくいのかもしれないですね。


COMPROMISED HOSTという言葉がありますね。
弱った人間を種々の病魔が襲いますし、日和見感染と言って、弱った部位を普段潜伏している微生物が荒らすこともあります。
一般の方には言葉を検索していただく方がわかりよいでしょう。

また、足の痺れや痛みが筋骨格の問題ではなく、血管の問題ということもたまにあります。
そういう場合には心臓や下肢血管の検査やケアも大事になります。

隠れ狭心症や隠れ心筋梗塞などの可能性の評価は節目の年でやっておくといいかもしれません。
すると、他の部位の血管病のリスクも考えることができます。

医療は宗教ではなく科学であり、必ずしも「治った」がゴールになるわけではありませんが、症状悪化の遅延や緊急事態の予測などによって、本人や家族の生活に寄与できる部分もあります。

変わりゆく社会情勢の中で医療を丸投げするのではなく、自分のペースで学んでいくことが大事かもしれません。

というか、患者の理解なしに成り立たないくらい医療が急速に高度化しているというのが僕の直観です。

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ヘソの上の大動脈を温める

めざめたじいさん

 さっそく人体動脈絵図を検索し、なるほどヘソの辺りを大動脈が流れていることを確認しました。 リビングを23度に設定してガスファンヒータ-を入れて...

 さっそく人体動脈絵図を検索し、なるほどヘソの辺りを大動脈が流れていることを確認しました。

 リビングを23度に設定してガスファンヒータ-を入れていますが、一番遠いこの部屋は20度に届きません。オーバーズボンを買ったのですがトイレに行くとき面倒で、使いこなせません。

 そろそろ真冬並みの寒波がやってくるそうなので、貼るカイロをズボン下のヘソの辺りに貼るようにします。

 ちょっと心配なのは、前立腺癌を温めることになりなりはしないかと言うこと。また、昨年は、低温火傷で皮膚がただれて痒くて大変でした。

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手洗いと免疫力

ちびまるこ

全く時節に合った話題ですね。私は免疫力がある、と手洗いをせず、お菓子を食べたりしても平気でしたが、夫は潔癖症ではなくても、決してそのようなことは...

全く時節に合った話題ですね。私は免疫力がある、と手洗いをせず、お菓子を食べたりしても平気でしたが、夫は潔癖症ではなくても、決してそのようなことはしません。ストリートフードを食べることにも慎重です。私たちはいつもどこに行くにも除菌お手拭を持ち歩いています。日本と違ってお手拭はレストランでも出てきませんので。飛行機の中やお店などでも、気をつけています。
幼稚園などに通う小さな子を持つ親が風邪を引きやすいことを目のあたりにして手洗いは基本中の基本と思うようになりましたし、何かに触った後は手を拭くように気をつけるようになりました。
さて、アメリカでは電車(時に満員電車)の中で、医療従事者がいわゆるスクラブという手術着 (ERなどでお馴染みですね)を着た人をよく見かけます。彼・彼女たちはスクラブのまま通勤しているのです。さて、朝の混雑で雑菌にまみれたままERや病棟で患者さんの処置をするのでしょうか?帰りには病院で拾ってきた病原菌を着たまま満員電車に乗っているのでしょうか?いずれにせよ、近くに寄りたくない人々です。大学などの研究室ではラボコートのまま外に出るなんて、ご法度でしたが。
潔癖症とは行かなくても、手洗い、除菌手拭で、健康でいることが出来れば、簡単で良いです。

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