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(1)基調講演 死因3位 高齢者の病気

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 「肺を守ろう~最短命県返上へ」をテーマに、医療ルネサンス青森フォーラムが10月28日、青森市新町の青森国際ホテルで開かれた。結核予防会複十字病院長で杏林大学名誉教授の後藤元さんが「高齢者の脅威、肺炎を知る」と題して基調講演。その後、青森県弘前市の歯科医師・波多野厚緑さん、同県平川市の管理栄養士・築舘寛子さんを交え、高齢者に多い誤嚥性肺炎の予防法などについて対談した。(コーディネーター 読売新聞東京本社医療部長・吉田清久)

【主催】 読売新聞社
【後援】 青森県、同県歯科医師会、同県栄養士会


結核予防会複十字病院長 杏林大名誉教授 後藤元さん

ごとう・はじめ 66歳。静岡県生まれ。1973年、東京大学医学部卒業後、杏林大医学部長などを経て、今年7月から現職。


 日本人の死因1位のがん、2位の心疾患に続き、肺炎が脳血管疾患を抜いて3位になりました。今は肺炎で亡くなる患者が非常に増えてきている時代です。肺炎で亡くなる人は若い年齢層ではほとんどいませんが、65歳を過ぎると少し出始め、70歳代以降で増えます。肺炎は高齢者の病気ということがわかると思います。

 肺炎は、ガス交換する肺胞の領域に菌がついて炎症が起き、呼吸ができなくなって、ひどくなると命を奪う病気です。

 肺炎を起こしている病原体がわからないと治療は始まりませんが、肺炎の一番難しいところは病原微生物が非常に多岐にわたることです。これが治療を難しくさせる原因となっています。

 肺炎の原因として重要なのは細菌です。中でも、人類を倒してきた細菌の“王様”が「肺炎球菌」です。第2次世界大戦までは治療法がありませんでしたが、抗菌薬が開発されて肺炎球菌と戦うことができる時代になりました。

 かつては肺炎球菌による肺炎は抗生物質ペニシリンを使えば間違いなく治ると言われました。しかし、ペニシリンに耐性がある菌が出てきて、昔ほど治療は容易ではなくなりました。

 薬を使えば使うほど耐性菌が増えるので、今は症例によって使う使わないの指針を作っています。患者さんには、症例によっては、抗菌薬を使わなくてもきちんと治療できるということを説明するようにしています。

 病原体の中でも「黄色ブドウ球菌」は強力な菌で、色々な毒素や酵素を出し、全身に広がりやすい。投薬で治せるものと治せないものがありましたが、治せないものの代表であるMRSAという黄色ブドウ球菌に対しては、バンコマイシンという抗菌薬が開発され、治すことができるようになりました。ただ、この「切り札」も、菌が少しずつ耐性を持つようになってきているので、投薬治療のあり方には注意が必要です。

 食べ物や唾液などが誤って肺に入り、様々な種類の菌が起こすのが誤嚥性肺炎という病気です。

 高齢者の方は、寝ている時などに気がつかないうちにいろいろな菌を含んだ唾液をのみ込んでいます。高齢者はのみ込む力が弱くなっていますし、誤嚥性肺炎を起こしやすく、大きな問題になっています。食事の時にむせることがなくても注意が必要です。

 
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