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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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機械で医療をサポートする国家資格とは?

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 医療従事者には、さまざまな国家資格があります。みなさんは、その国家資格のひとつであるMEって、ご存じですか。MEは、Medical Engineer の略です。これは臨床工学技士と呼ばれる資格です。科学の進歩に合わせて、医療現場には様々な最先端技術が使われるようになりました。臨床工学技士は、医療に関わる機械を管理する重要な仕事をしています。

 体調が悪くなって病院へ行くと、点滴を行う場合があります。1~2時間、外来でポタポタと水滴が落ちてくるのを眺めながら、静かに体が治るのを待ちます。その時、小鳥箱のような機械がついているのに、気づかれた方がいらっしゃると思います。あの小鳥箱は点滴が時間通り、決められた量で落ちるように制御する機械です。

 小さな子どもでは、ちょっとした水分量の違いで心不全になってしまう場合があります。手術中では、水分量の調節が重要なポイントのひとつになります。この点滴の水分量を調節する機械をメンテナンスするのが臨床工学技士です。

MEにも知ってほしい栄養学、漢方医学

 わたしは臨床工学技士になるための学校で長年、教鞭きょうべんをとっています。わたしが担当する授業は栄養学と漢方医学です。機械の構造がわかっていても、人の構造がわからなくては十分とは言えません。栄養学がわからないと、点滴の必要性や手術前後の全身管理の重要性を理解できません。同じように、西洋医学を理解するためには、漢方医学を理解しておく必要があると考えたからです。

 漢方医学では、同じ病気でも同じように治療することはありません。同じ病気に同じ薬ならば、医師でなくとも、コンビニエンスストアで買い求めることが出来ます。しかし、漢方医学では、同じ病気でも患者さんの体と心の状態によって、薬を変えます。

 同じように、医療機器を単なる機械として扱うのではなく、ひとつひとつの機械の調子を見ながら、メンテナンスをする必要があると思います。同じ機械でも同じように壊れるわけではありません。新しい機械は、周辺機器とうまく協調して作動するかが大切です。古い機械は具合の悪いところを中心に管理することが大切です。同じ機械でも、扱いは異なります。

 血液透析の機械や心臓の手術に使う人工心肺装置などを管理している臨床工学技士は、医療現場にはなくてはならないスタッフです。医師が患者さんを対象とするように、臨床工学技士は機械を扱います。このとき、漢方医学を学ぶことで、患者さんと同じように医療機器を扱えるようになってもらいたいと考えています。

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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1件 のコメント

統合医療 標準化と個別化 パーキンソン病

寺田次郎関西医大放射線科不名誉享受

少し本文とずれますが、最近は機械が医療に関与する割合が増えつつありますね。義肢でも歩行サポートロボットでも進歩が凄まじいです。勿論、人間ならでは...

少し本文とずれますが、最近は機械が医療に関与する割合が増えつつありますね。

義肢でも歩行サポートロボットでも進歩が凄まじいです。
勿論、人間ならではの技術もありますが、高性能ロボットだからこそできるサポートもあります。

運動機能障害は整形外科か脳神経科(内科、外科)というイメージがあると思いますが、今後はそれらの領域を統合するようなあり方も出てくるのかもしれません。

例えば、整形外科学会では加齢に伴う筋力低下により重心が前に移るという演題がありました。

ここで思い出すのは、神経変性疾患であるパーキンソン病の突進歩行のメカニズムです。
重心のアンバランスの補正がうまくいかないために起こる異常歩行です。

勿論、神経異常の部分はあるのですが、もし仮に筋肉の使用を通じて筋肉や神経の刺激を加え、神経回路の再編成を促してやれば、症状の軽減や進行の緩和が可能かもしれません。

廃用性萎縮という言葉がありますが、逆に言えば、無理のない範囲でのリハビリをすることで、脳梗塞のリハビリ同様に効果は見込めるのではないでしょうか?

そして、脳機能の一部が賦活化されることは、他の脳機能にも影響はあると思います。

関係性の強い部分の脳神経が同時に活動することは良く知られていますし(遠隔効果)、ある個所の脳の活動が活発になれば、血流の加減で脳全体や近傍箇所も影響を受けるのは理に適っています。


同じ症状や同じ病名が付いたとしても患者さんとして同じ人は一人もいません。

勿論、標準化と個別化という相反する要素をひっくるめて判断するのは難しい部分もあるとは思いますが、まずは古い人間は色々とガタがきていていて、個人の能力や意欲により短期目標や中期目標が異なることを意識するのが大事なのかもしれませんね。

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