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「心の人間ドック」…ストレス対処のアドバイス

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病気「前兆」早めの気づきに

「心の人間ドック」を受けた記者にアドバイスする海原さん(日本医大健診医療センターで)=藤原健撮影

 現代社会でストレスのない生活を送るのは難しい。記者(49)も最近、気ぜわしい日々を送る。朝刊連載「人生案内」の回答者で、日本医大健診医療センター(東京・千駄木)特任教授の海原純子さん(心療内科医)が今年10月、「心の人間ドック」を始めたと聞き、受けに行ってみた。

 心身の不調を明確に自覚しているのなら、病院の精神科などを受診する必要がある。「自分はどのくらいのストレスを受けているのか」「ストレスに対処できる能力があるのか」などと不安に思う人たちが、「心の人間ドック」の対象だ。体の人間ドック同様、医療保険はきかない。大学が、このような健診を行うのは初めてという。

 海原さんは「健診の結果、うつ病などが見つかったら、専門家を紹介しますが、病気を見つけるのが目的ではありません。ストレスに早めに気づいて対処してもらい、元気に過ごしてもらうことが目的です」と話す。

 記者は10月中旬、同センターを訪れた。手渡されたのが、生活スタイルなどを尋ねる問診票と、5種類の心理テスト。過去1週間の気持ちの状態、受診者の性格や行動パターン、ストレスからの回復力があるか、などを調べる。静かな待合室の一角でテストを受けた。

 「考え込まず、直感的に答えてください」。スタッフから、そう言われたが、回答に迷うこともしばしば。30分ほどでテストを終えると、意外と頭が疲れた。しばらくして、「結果」発表だ。診察室に入ると、海原さんが心理テストの結果表を見せながら解説を始めた。

 「憂鬱ゆううつな気持ちや怒りはないのですが、混乱の状態が見られるのが心配です」。え!混乱? そう言われて、記者はさらに混乱した。

 続けて、「思いやりの気持ちが強過ぎますね。良い面もあるのですが、周囲に気を使い過ぎて、それが考え方の混乱を生んでいるのかもしれません」と指摘。「気持ちを抑え込まず、時には感情をはっきり出した方がいいですよ」などとアドバイスを受けた。

 結果表とストレスの解説文書をもらって終了。締めて約1時間。記者が時に感情を爆発させても、周囲の皆様、大目に見てください。

 製造業への人材派遣などを行う「日総工産」(横浜市)は、海原さんの協力を得て来年春にも、一部の従業員を対象にストレスを予防するための健診を行う予定だ。携帯端末でも受診可能なシステムを開発する計画で、社長の清水竜一さんは「うつ病になって仕事ができなくなるのは、本人にも会社にも大きな損失。病気になる前に対応することの大切さを説く海原さんに共感した」と話す。

 国も、従業員50人以上の事業所に、年1回のストレス健診を義務づける。企業は関連法が施行される来年12月から1年以内に導入する必要がある。

 予防医学に詳しい日本未病システム学会理事長の福生ふくお吉裕よしひろさん(内科医)は「心の病気に対して日本は薬に頼りすぎる傾向があるが、それではいけない。病気の『前兆』に早めに気づいてもらい、ストレスをためない工夫を促すきっかけを、心の人間ドックが与えてくれるのではないか」と期待する。(坂上博)

 心の人間ドック 
 日本医大健診医療センターでは海原さんが担当。ほぼ毎週金曜日の午後、3人の健診を行う。税別2万円。年内は予約がいっぱいだという。詳しい解説、予約申し込みは同センターのホームページ(http://home.nms.ac.jp/stress/index.html)
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