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宋美玄のママライフ実況中継

医療・健康・介護のコラム

保湿剤のさじ加減、石けんの使い方で…肌トラブル解消

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神戸王子動物園のゲームコーナーで消防士になる娘

 関西で用事が立て込んだため数日間、実家に帰っていました。近くに住む、いとこのお兄ちゃんたちと久しぶりに遊んで娘は大興奮。離れているため、ごくたまにしかいとこたちには会えませんが、娘は毎日毎日いとことたちの名前を口にしていて、いつも遊んでいるお友達とはまた違った存在なんだなあと感心していました。いとこのお兄ちゃんたちと動物園に行ったり公園で遊んだりして、ママはそっちのけにされてちょっとさみしいですが、くしゃくしゃの笑顔の娘を見られてうれしいです。

 少し前の記事です。

赤ちゃん保湿剤「毎日・全身」…アトピー発症3割減

 国立成育医療研究センターのグループは1日、保湿剤を毎日全身に塗った乳児は、アトピー性皮膚炎を発症するリスクが3割減るとの研究結果を発表した。

 アトピー性皮膚炎は、慢性的なかゆみや湿疹を繰り返す病気。様々な刺激から皮膚を守るバリア機能の低下やストレスなどが原因とされる。遺伝的な要因も指摘されており、家族に患者がいる子供の3~5割が発症するとの報告もある。

 研究は、家族にアトピー性皮膚炎の患者などがいる生後1週間以内の新生児118人を対象に、保湿剤で皮膚のバリア機能を補強し、発症を抑制できるか調べた。

 乳液タイプの保湿剤を1日1回以上全身に塗った59人と、皮膚が乾燥した部分だけにワセリンを塗った59人で32週間の経過を比較。

 保湿剤を塗らないグループでは28人が発症したが、保湿剤を毎日使っていたグループの発症者は3割以上少ない19人だった。

 大矢幸弘・生体防御系内科部アレルギー科医長は「乳児期に保湿剤を使うことでアトピー性皮膚炎の発症を減らせることが確認できた。今後、保湿剤の効果的な使用期間などを解明したい」と話す。

(2014年10月2日読売新聞)

肌状態を評価、どの程度の保湿剤がいいのか…

 空気が乾燥し、肌もかさかさになる季節がやってきました。アトピー性皮膚炎の家族歴のある乳児に保湿剤を使った方がアトピー性皮膚炎の発症を抑えられたという記事です。

 私は皮膚科医ではありませんが、アトピー性皮膚炎歴はかなり長いです。小学校に入学する前から膝や肘の裏には湿疹が慢性的に出来ていましたし、20歳前後には頭皮や首の後ろ、まぶたの上にも出来てかなり悩まされました。加えて、基礎化粧品による接触性皮膚炎もひどく、顔の赤みが気になって人の目を見て話せない状態が長かったです。現在は免疫抑制剤のタクロリムスが入った軟膏なんこう(製剤名プロトピック軟膏)と肌に合う希少な化粧品でなんとか過ごしています。そんなわけで、自分の皮膚の健常な状態、見た目は普通だけれども、触ると乾燥して、きめが荒れ始めている状態、湿疹の一歩手前、湿疹など肌状態の評価と、そこにどの程度の保湿剤を塗るのがいいか、これはステロイド剤(顔にはタクロリムス剤)を使わないと治らないというさじ加減を習得することができました。

 娘は私に似たのか、皮膚が非常に薄くて乾燥しやすく、乳児期にはあせもとオムツかぶれと乳児湿疹に悩まされました。湿疹は首と足首が主で、かゆくてかきむしるので、スキンケアは一進一退という感じでした。他の子のつるつるの肌を見ては、肌の弱い自分の体質を受けついだせいだと不憫ふびんになり、このままアトピー性皮膚炎に移行するのではと悩む日々でした。

 でも、徹底的なスキンケアにより、1歳以降はほとんど肌トラブルはありません。そのスキンケアの第一は、朝晩に肌の状態を評価すること。1日2回、全身を自分の目でチェックし、適切な保湿剤を塗ります。娘の場合はいろいろ試した結果、ヘパリン類似物質の入ったビーソフテンという処方薬のローションとクリームを主に使っていました。普通の場所はローション、乾燥が気になる場所はクリーム、ガサガサしている部分や、おむつかぶれにはアズノール軟膏を使い、ジュクジュクしたり、かきむしったりしている場所にはロコイドという一番弱いステロイド剤を沈静化するまで使いました。

お湯は熱すぎず、石けんは限られた場所だけに

 そして、大事なのがお風呂です。皮膚をこするように洗ったりタオルで拭いたりするのはもちろんのこと、お湯は熱すぎないように、そしてなんといっても石けんの使い方が重要です。冬場は特に、石けんで洗うと皮脂が流れ落ちてしまい、保湿剤だけでは追いつかなくなります。石けんを使うのはわきの下や外陰部など限られた場所で、その他はぬるま湯だけで流すようにすると、見違えるようにガサガサ肌は良くなります。

 化粧品会社の広告やCMのせいか、石けんで全身を洗って汚れをすっきり落として、その後しっかり保湿するのがいいものだと刷り込まれてしまいがちですが、大人でも石けんで洗うのをやめるだけで乾燥が劇的に良くなることがあるので試してみていただきたいです。自分の肌に合った「皮脂」というものをもっと大事にしていいと思います(私は、信頼できる皮膚科医のすすめによって朝の洗顔を水だけにしてから長くちますが、とても調子がいいです)。

 これらのスキンケアは、薄くて乾燥しがちな肌を持った私と娘が、信頼できる複数の皮膚科専門医に相談し指導を受けながら実践してきたものです(気になる点があればご指摘ください)。自分が小さい頃は肌がガサガサで、冬は顔からも粉をふいている状態だったので、もしもちゃんとスキンケアをしていれば、アトピー性皮膚炎に悩まされる程度は減っていたかもしれないなあと思います。これからは、ますます乾燥がひどくなる季節ですので、大人も赤ちゃんも肌状態に敏感になってくださいね。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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10件 のコメント

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界面活性剤を使わないいわゆる「純石けん」

にんじん

きりこぐりこさん石けんの成分である脂肪酸塩は界面活性剤です。ひとつの分子に親油基と親水基がついていて水と油汚れをむすびつけるのが界面活性剤です。...

きりこぐりこさん

石けんの成分である脂肪酸塩は界面活性剤です。
ひとつの分子に親油基と親水基がついていて水と油汚れをむすびつけるのが界面活性剤です。
中学校の理科で習いませんでしたか?

石けんが皮脂を取りすぎるという人は
お湯の温度が高すぎるか,濃いボディソープを直接つけて泡立てているのではないでしょうか。
たっぷり泡立てた石けんをつけて手で洗うと気持ちがいいですよ。

私は首から下は風呂でぬるま湯に浸かってふやかしたところをフェイスタオルで拭いています。
肌トラブルはありませんが,フェイスタオルで体をこするのは肌の弱い人にはむかないだろうなあと思います。

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脱石鹸

りとか

私も同感です!ただいま3歳半の息子がいますが、2歳くらいまではお風呂で月に数度しか石鹸(純正オリーブ石鹸)で洗いませんでしたが、その代わりうんち...

私も同感です!
ただいま3歳半の息子がいますが、2歳くらいまではお風呂で月に数度しか石鹸(純正オリーブ石鹸)で洗いませんでしたが、その代わりうんちをしたら必ず家ではお湯で洗っていました→そのためか一度もおしりがかぶれたことがありません。

幼稚園に行くようになった今は、週に二回ときめて、体と頭を石鹸でかるく洗いますが、それも多いのかもしれませんね、特に冬場は。

先生のおっしゃるように、その子にあったスキンケアを見極めてきちんとケアしてあげることが大切なんですね、いつもためになる記事で勉強になります。



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面の皮に比べ、意外とデリケート肌

めざめたじいさん

 冬は乾燥、夏は汗、春秋のほんの少しの間だけ痒みから解放されます。 足が酷く、膝下が真っ赤に腫れ、靴下もゴムなしにしないと大変です。 私の皮膚が...

 冬は乾燥、夏は汗、春秋のほんの少しの間だけ痒みから解放されます。

 足が酷く、膝下が真っ赤に腫れ、靴下もゴムなしにしないと大変です。

 私の皮膚が、姉弟より弱いと分かったのはウルシかぶれからです。

 入浴時に石けんはほとんど使いません。ミノン石けんをよく泡立て、手のひらで身体に塗ります。日曜日だけです。おシリは少しの石けんで洗い、ウイークデイはシャワーで洗い湯船に浸かります。

 それでも年中皮膚科のお世話になっています。

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