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オトコのコト 医師・小堀善友ブログ

妊娠・育児・性の悩み

生活と「性」活…絡み合う習慣

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 突然ですが、性機能障害と聞いて、すぐわかりますか?

 男性に関して言えば、「勃起と射精がうまくできない」という状態です。女性では、「性交痛、潤滑不全、膣けいれん(ワギニスムス)、性欲障害」などが当てはまります。

 私は以前から、性機能障害は生活習慣病、言うなれば「性」活習慣が関連しているというのが持論です。さまざまな性機能障害は生活習慣を見直すことで改善しうるのではないかと考えています。

 まず、陰茎の勃起というものはどういうものかを考えてみましょう。男性が性的に刺激されるとき、陰茎動脈は広がり、陰茎の平滑筋組織は弛緩します。その結果、陰茎に血液がたまり、硬く大きくなります。つまり、この血液量に問題があるときに、勃起障害が起こるのです。

 実際、陰茎に限らず、血液量を改善させるようなライフスタイルを心がける事で、勃起障害が改善しうるということがあるのです。

 以下、勃起障害を改善させるライフスタイルをあげていきます。言うまでもなく、これらは勃起機能だけではなく、他の健康状態も改善させるのでトライしてみる価値があると思います。

最も重大な原因は糖尿病

1)運動
 適度の運動をすることにより、勃起機能が改善します。運動は、全身の血液循環を活発にします。研究では、より活発に運動している男性のほうが、勃起障害が起こりにくいと言う報告があります。ただし、ムリは禁物です。心臓に病気があるような方は、主治医とどのような運動をすべきか相談してくださいね。


2)ダイエット
 肥満は全身の血管にダメージを与えます。むろん、勃起のために陰茎に血液を流す血管にも損傷を与えてしまうのです。体重が重い男性のほうが、勃起障害が起こりやすいと言う報告があります。ダイエットをして体重を減少させることで、(1)体内の炎症を減少させる(2)男性ホルモン(テストステロン)を増加させる(3)鬱病などの精神的状態を改善させる(4)パートナーとの関係を改善させることによって、勃起機能が改善する可能性があると報告されています。


3)禁煙
 タバコを多く、長期間吸っている人のほうが勃起障害の罹患率が高いです。逆に、禁煙をすることにより勃起障害が改善する可能性がある事も分かっています。


4)健康的な食事
 地中海料理を食べることで、勃起障害が改善する事が報告されています。地中海料理と言われてもパッと思いつかないかと思われますが、果物、野菜、穀物とオリーブ油を含んでいる食事とされています。また、多くの果物、野菜、ナッツ、魚、全粒穀物も勃起障害には良いです。それなら、和食もけっして悪くないと私は個人的に思っているのですが……。


5)糖尿病管理

 糖尿病は、勃起障害の最も重大な原因です。ほとんどの糖尿病患者さんは勃起障害であると言っても過言ではありません。高い血糖は血管、神経、陰茎の組織にダメージを与えます。そして、血管は硬くなり、動脈硬化(アテローム硬化)を起こします。このことにより、動脈内にプラークが蓄積して血流が悪くなり、勃起障害が起こります。

 また、糖尿病により神経障害は、脳と陰茎の間にある神経のシグナリング(情報伝達)に問題を起こします。脳が性的刺激をうけたとしても、そのメッセージが陰茎に届かないのです。

 また、高血糖は勃起の為に必要とされる神経伝達物質(一酸化窒素:NO)の産生も阻害します。糖尿病に関連する他の化学物質も、陰茎に血液が集まるのを邪魔する効果があり、結果的に勃起障害を引き起こしてしまうのです。

自転車の乗り過ぎに注意

6)血圧管理
 高血圧は陰茎に入っていく血流量に影響を及ぼし、勃起障害を引き起こします。また、利尿薬やβブロッカーと呼ばれる降圧薬も勃起障害の原因となります。薬に関しては、主治医と相談してください。


7)うつ病
 うつ病は勃起障害の原因となります。うつ病を適切に管理する事により、勃起障害が改善する可能性があります。ただし、うつ病の薬(SSRIなど)にも勃起障害を引き起こす可能性があるものがあります。


8)常にアクティブに!
 フィンランドの研究では、55~75歳の男性を調査したところ、週に1回以上セックスする男性と比較すると、しない男性は2倍勃起障害になりやすいと言う事がわかっています。定期的なセックスは、勃起障害予防に良いと思われます。


9)自転車の乗り過ぎに注意
 自転車のサドルで会陰(陰嚢と肛門の間)を圧縮することにより血流が悪くなり、性的機能不全を引き起こすことがわかっています。研究では、会陰の圧迫が無いような鼻が無いサドルや、位置 の調節が必要であると言われています。また、あまり長時間乗らないように注意しましょう。



 以上です。生活は性活に通じること、おわかりいただけたでしょうか?

 少しずつ、実践してみてくださいね!

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オトコのコト_小堀善友顔120px20150821

小堀善友 (こぼり よしとも)

泌尿器科医 埼玉県生まれ

2001年金沢大学医学部卒、09年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務。14年9月から米国イリノイ大学シカゴ校に招請研究員として留学。専門分野は男性不妊症、勃起・射精障害、性感染症。詳しくはこちら
主な著書は『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)。詳細はこちら

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9件 のコメント

人の精気と「性」は大いに関係あり

四朗

 私と同じ80歳になった妻は、要介護1です。大病した所為でからだにたくさんのメスを入れました。もっとも大きな手術は肋骨を数本切除したことです。呼...

 私と同じ80歳になった妻は、要介護1です。大病した所為でからだにたくさんのメスを入れました。もっとも大きな手術は肋骨を数本切除したことです。呼吸に支障をきたし、少しでも速く歩くと息が上がってしまいます。

 3年前に仕事を辞め、暇になると、毎日どのように一日を過ごすのか、悩んでいたようです。カルチャーセンターでようやく見つけた趣味の会、これまで教える立場から、教わる側になったので戸惑うことばかり。少しずつ皆さんのおかげで面白みが分かってきたようです。

 しかし、それに打ち込むのも限度があり、暇さえあれば横になる毎日です。一人で外出することが億劫になり、私と一緒でないと外出しません。しかし、私と歩調が合わないので一緒に歩くのを嫌います。駅に行くときは先に出て駅で待っているのです。

 物憂いような日々の中、先日不思議なことが起こりました。夜中に妻の息づかいがおかしいのです。目を覚まさせようとからだを揺すったのですが、何かうわごとを言っていました。少し収まったので私も眠ってしまいました。

 次の朝、「昨夜は夢でも見ていたの」と聞くと、顔を赤らめ、言いにくいのだが・・・。「絶対言わないと思っていたが、白状すると『そのまま動かないで、じっとしていたいの』と言っていた」と言うのです。これは若い頃、愛し合ったあと、余韻を感じていたいらしくよく私に言った言葉でした。

 まだ、彼女の身体の中に、燃え盛るあの火が残っていたのです。恥じらいの中に見せた、生き生きとした声に、私は精気と性は大いに関係あると実感してのです。

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「性」は活力の元

めざめたじいさん

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 所属する団体に、会を取り仕切る女性がいる。最近元気がない。聞けばご主人の後を付いていないと寂しいという。

 そう言えば、最近の彼女は化粧もしないし暗い顔をしている。会に出て来ても活動はしないで帰ってしまう。

 先日電話で彼女に言った。「鏡を見てご覧なさい。あなたの気持ちが映っていますよ。いつも貴女がつけていた口紅が好きだった。そして、にっこり微笑む姿が魅力的だった。次の会には明るい色の服を着て、あの紅を引いてほほ紅をさして・・・」

 人が老け込むのは、異性を意識しなくなること。自分を美しく見せたいのは異性に対してであって、同性と張り合う。クジャクが飾り羽根を誇示するのも、アブラハヤが婚姻色に染まるのも、異性を引きつけるためである。

 80歳になった今、デパートでシャツを選ぶのも少しは若く見てもらいたいからだ。あえて女性にとは言わないが、男の色気を失いたくないと、店員さんのお似合いですよの声に、カードに手が伸びる私がいる。

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いつか、どこかで

埼玉のシニア

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仕事では、上下左右のに人間関係に、さらに得意先との平身低頭の関係など、あまりにも神経を使い過ぎ、今はそのわだかまりから外れ、同年代戸の馬鹿馬鹿しい話や、ときに卑猥な事で溜飲を下げ、静かに人生を思い起こしたり、将来の姿を家内の症状に重ね合わせ考えたり、日々是人間の生活をしています。厚生年金がこの数年でがた減りになった事が、頭にきます。

何のわだかまりもなく、時に医師との面談で健康チェックを受け、三月ごとの潤いでは人間を実感し、ゴルフでは穴をめがけて突進し、月に一度の老人ホームでは習字を教え自分も習い、カラオケではへその下から声を出して記憶を磨き、絵手紙では多彩な色を楽しみ、、、これが自分かと実感しているのです。

めざめたじいさんも、きっといつか、必ずそう思い、生活する日が来ると信じています。子供のころに聞いたオヤジの話なども懐かしく、涙が出ることでしょう。が、、、考え過ぎないで、心配をかけて貰いながら生きましょう。

な~に、考えたところで結論は一緒です。

私は思います。今は家内の事で胸いっぱいですが、時は過ぎ、また春が来れば、夏も見えます。

めざめたじいさんも、元気出して、いつかお会いできるかも、どこかで。

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