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(3)対談 若いうちに「骨貯金」

吉田 骨粗しょう症はどういった病気で、どんな症状がありますか。
太田 骨の強度が低下した状態です。強度は、骨の密度で7割、骨の質で3割が説明できます。背中が重いとか、違和感があるという症状しかないことが多いです。
吉田 主な原因は。
太田 女性ホルモンの低下、加齢、生活習慣の三つです。女性は閉経を迎えると、女性ホルモンの分泌が10分の1になります。加齢と生活習慣は、酸化や糖化という骨へのダメージになります。
吉田 診断はどのように行いますか。
木村 2種類のエックス線を背骨や太ももの付け根などに当てて骨密度を測る「DXA法」があります。通常は考えられないような軽い力で骨折した人は、それだけで骨粗しょう症なんです。患者さんの診察と検査で診断します。
吉田 治療法を教えてください。
太田 骨の形成を促す薬と、骨の溶け出しを抑える薬があります。女性ホルモンと同じような働きをする薬やビタミンDを使います。飲み薬や皮下注射など様々で、症状や生活スタイル、年代によって使う薬は変わってきます。
吉田 骨を強くする工夫や習慣はありますか。
木村 医師が提供できるのは薬物治療。栄養摂取と軽い運動も指導します。普段歩くスピードを速めることから始めれば安全だと思います。継続が大事です。
吉田 予防法や、特に気をつけたいことは。
太田 若いうちの「骨貯金」が大事です。骨の成長が盛んな10~14歳頃に、新体操やバレエなどの体重がかかるスポーツをすると、発育が促されます。この時期のダイエットや朝食欠食は栄養が偏るため、骨作りがうまくいきません。40歳の節目検診で、自分の骨の貯金高を分かっていた方がいいですね。保健所などに問い合わせれば、無料とか費用負担500円とかで検診をしています。運動や食習慣は親から子へ伝承されるので、家族ぐるみで取り組むことが大切です。

吉田 最後にこれだけはという一言をお願いします。
太田 骨の健康を守ることはいつでも「今が時期だ」と思うことです。若者や中年、高齢者では、それぞれ取り組みが違います。共通するのは食事と運動です。人間は得手不得手があるので、牛乳が飲める人は飲むとか、得意なところで取り組むといいですね。
木村 お子さんやお孫さんに「骨は小さい時から大事なんだよ」と話して、若い頃の対策が重要だと伝えていくことも大切です。
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