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(2)男性の発症も増加

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秋田市・市立秋田総合病院整形外科科長 木村善明さん

 1960年秋田県生まれ。秋田大医学部卒。同大付属病院、湖東総合病院、山本組合総合病院などを経て、2005年から現職。


 秋田県は昨年7月時点で高齢化率(人口に占める65歳以上の人の割合)が31%を超え、2030年には40%に達すると予測されています。日本一の高齢県で整形外科医をしていて感じるのは、年々患者さんの年齢が上がっていることです。

 日本人の平均寿命は男性も80歳を超えました。健康に過ごせる健康寿命も延ばしていかなければなりません。秋田の課題であり、日本、世界の課題と思います。

 運動器は年齢とともに衰えます。これは残念ながら止められません。骨は徐々にスカスカになり、筋肉はやせ、軟骨はすり減り、神経の働きも悪くなります。放置すれば、人の手を借りなければ生活できなくなってしまいます。

 問題は、ご本人が気付かないうちに運動器が衰えることです。患者さんに「骨がだいぶ弱っています」とお話しすると、「健康で病気一つしたことがないのになぜ」と驚かれます。運動器が衰えて、転んで骨折して初めて骨が弱っていると気付くことが多いのです。

 骨粗しょう症は女性の病気というイメージがありますが、近年急増しているのは、糖尿病や腎臓病で骨の質が損なわれ、骨粗しょう症になってしまうことです。治療しないと、男性でも骨粗しょう症になることがあります。

 予防と治療には運動が不可欠です。骨は外からの力で丈夫になります。筋肉の力も増して、バランス能力も改善するので、転びにくくなります。運動は生活習慣病にも有効です。

 かかとの上げ下ろしや片足立ちが有効です。転ばないように物につかまりましょう。もう一つはスクワットです。慣れない方は、後ろに椅子を置いて、座って立つ練習から始めましょう。

 朝昼晩とやれば、少しずつ骨も丈夫になり、筋肉の力もつきます。慣れてきたら少しずつ負荷を増やしましょう。続けて行うことが、寝たきりを予防する大事な習慣です。

 
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