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(11)臓器の再生目指す…これからの再生医療
高戸毅さん 東京大口腔外科教授
たかと・つよし 1979年、東大医学部卒。92年同大口腔外科助教授などを経て、96年から現職。東大病院22世紀医療センター長、ティッシュ・エンジニアリング部部長。 |

私たちは、鼻を始めとするいろいろな軟骨や、あごの骨など、形や硬さがある組織・臓器を作製する研究を続けています。臓器移植に代わる再生医療製品を作ることが目的です。
例えば、0・1グラムぐらいのわずかな軟骨を耳から採取して、4週間培養することで、鼻に適した形と硬さを持つ約6センチの長さの軟骨の再生に世界に先駆けて成功しました。
耳の再生も目指します。大型の製品が、体内で機能を果たすには、細胞だけでなく、血管も必要です。
再生医療の行方は関心が高く、期待を持たれている方も多いでしょう。
ただ、国内全体を見渡しても、これまで製品化されたのは2品のみ。細胞の研究はかなり進んでも、移植した細胞や組織が狙った場所で十分に働くための研究は意外と進んでいません。
最終的には、臓器のような大型の組織の再生が、皆が目指すところでしょう。日本再生医療学会を中心に様々な方向から研究を進めていく必要があります。
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