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ベビーフード、味も栄養も…赤ちゃんもグルメ
離乳期の赤ちゃんが食べるレトルトのベビーフードが多彩になってきた。働く女性の増加で利用が増えており、新商品が次々と発売されている。(小沼聖実)
レトルト主流
母乳やミルクを飲んでいた赤ちゃんは、一般に生後5~6か月頃から、形や硬さのあるものを少しずつ食べて慣れ、12か月~1歳半頃までに離乳を完了する。ベビーフードはこれをサポートするもので、調理済みのレトルトが主流だ。
日本ベビーフード協議会によると、2013年のレトルトの市場規模は08年の約1・2倍。特に12か月以上の幼児を対象にしたレトルト商品が伸びているという。
12か月頃からは、食べられる量も食材の種類も増える。だが、まだ薄味にしたり具材を軟らかくする必要があり、大人と別に調理するため、手間がかかる。
ベビーフードメーカーの和光堂は「子どもが1歳頃から、復職する母親が増え、手軽に準備できるレトルトの需要も伸びているのでは」とみる。
高月齢向け続々
各社は12か月以降の赤ちゃんを対象とした商品を相次いで発売している。
キユーピーが9月に発売した「すまいるカップ」は、外出時にも食べやすいよう、コンパクトで持ち運びやすいカップ入り。家庭で調理しづらいひじきやレバーを使ったものもある。
森永乳業の「大満足ごはん」(9月発売)は、国産の米と野菜を使い、不足しがちと言われる鉄分とカルシウムも1食に必要とされる量を配合した。
和光堂も9月、従来品より量を増やした「BIGサイズの栄養マルシェ」を発売した。主食とおかずが別々の容器に入っており、1歳4か月以降用もある。
明治は、乳幼児期の味覚の形成に着目。老舗料亭が監修し、こだわりの昆布とカツオだしを使った「みかくのはじまり」を9月に発売した。「乳幼児期にだしの風味を覚えると、その後も低カロリーな食事を好み、糖分や脂肪が多い食事に依存しにくい」という。
手作り時の参考に
総合情報サイト「オールアバウト」の離乳食ガイドで管理栄養士の川口由美子さんは、乳幼児期の食事のポイントを▽消化の良いものから徐々に慣らす▽米、野菜、魚などバランスよく食べさせる▽アレルギーに注意し、初めて食べさせるものはひとさじから――と説明する。
ただ、月齢によって適切な食材や軟らかさが違うことから、毎食作るのは大変だ。川口さんは「ベビーフードはあと1品というときの足しになるし、手作りするときに味付けや軟らかさの参考にできる」として、「一番大切なのは、食卓でのお母さんの笑顔。市販品もうまく使って食事を楽しんでほしい」と話す。
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