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高2息子 手の汗がひどい

 高校2年の息子は手の汗がひどく、テストの解答用紙が汗でよれたり破けたりするほどです。試験中はハンカチを机の上に置けず、本人は手術を受けてでも治したいと言います。(女性)

外用薬や微弱電流の治療

安部洋一郎 NTT東日本関東病院ペインクリニック科部長(東京都品川区)

 汗は体の体温調節になくてはならないものですが、日常生活に影響を及ぼすほどの汗は多汗症と呼ばれ、治療が必要です。原因となる基礎疾患がないものを原発性局所多汗症といい、手のひら、わきの下、足底で多量の汗をかきます。汗が出ていることに緊張が加わり、さらに汗が増えるという悪循環が生じます。

 幼少時から手の汗が多ければ原発性手掌しゅしょう多汗症といってよいでしょう。バセドウ病のような代謝疾患の可能性もありますが、その場合は全身性の汗や体重減少などの症状も出ます。私の患者さんには学生時代、試験用紙をじゃばら状におり、汗をしみこませつつ試験を受けた方もいます。

 治療は20~50%の塩化アルミニウム外用薬を手のひらに塗るか、微弱な電流を手のひらに流して汗を止める「イオントフォレーシス」が第一選択です。抗不安薬や全身の汗の量を減らす薬もあります。

 それでも汗が止まらない重症の方には、多汗を引き起こしている交感神経を神経ブロックという手法で遮断するか、手術で切断したりクリップで神経を挟み神経の過活動を抑えたりする方法があります。

 ただ、神経ブロックは1~2年で再発し、また手術で手のひらの汗はほぼ止まっても、代償性発汗といって体のほかの部分(主に胸、背中、おしりなど)からの汗が多くなる副作用があります。

 やはり、多汗症治療経験の豊富な専門医の受診をお勧めします。

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