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いい湯で健康 温泉と自然療法

yomiDr.記事アーカイブ

大きな湯船で風邪予防…湯冷めしにくくリラックス効果

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 私は生まれも育ちも旭川です。小・中学生の頃に住んでいた住宅には内風呂はなく、家族で銭湯に出掛けていました。夏場は下駄やサンダルで、冬場は長靴で通っていました。冬季はマイナス30度を下回ることがあり、そうなると学校が休みになりますが、それ程気温が下がらずとも、冬場の銭湯通いでは面白いことが起こります。外を5~6分歩いて家まで帰ってくる間に頭髪がすっかり凍り付いてしまうのです。バリバリとした触感で、まるで氷の柱です。タオルも凍りますので氷が融けてから干すのです。

 銭湯に出かける楽しみの一つに風呂上がりの飲物がありました。幼い頃はラムネ、それからコーヒー牛乳になり、大学に入って親元を離れて下宿のそばの銭湯に通うようになってからはフルーツ牛乳をよく飲んでいました。映画「テルマエロマエ」でも、浴後の飲物を主人公が新たに考案することで客が喜んでいました。風呂上がりの一杯は脱水を補う大事な儀式です。私はアルコールに弱いのでビールを飲みたいとは思わないのですが、喉越しの良さで炭酸水が飲みたくなります。そういえば現在、フルーツ牛乳、コーヒー牛乳という名前はありません。生乳100%でないと、牛乳と命名してはいけないそうです。

 さて、結婚して借家住まいになると内風呂になりましたが沸かすタイプです。冬の浴室は冷え冷えとし、体を洗うのもそこそこに、湯船に飛び込んでしまいます。き混ぜていないと上は熱く、下の方はぬるいままです。湯船も狭いので膝を抱えて入ることになりますので、大きなお風呂に入りたいなと何度も思いました。

 その後留学先のニューヨークでは毎日シャワーを浴びる生活になり、湯船に浸かる生活から離れてしまい、帰国後は絶対に温泉に行くぞ、と心に誓っていましたが、その願いがかなったのか、帰国後赴任したのが登別でした。登別では宿舎のお風呂には一度も入りません。毎日病院のお風呂に通っていました。おかげで風邪をひいた覚えがありません。

 銭湯の大きなお風呂と、床面1メートル四方程度しかない小さなお風呂に入る比較実験を依頼されたことがあります。案の定、大きな湯船の方がリラックス効果が高く、湯冷めもしにくいことが確認できました。私は講義で学生に「アパートでシャワーばかり浴びていないで、たまには銭湯に行ってゆっくり温まりなさい。風邪の予防になりますよ」と話しています。そして、講義資料として札幌市内の銭湯マップを配布することにしています。

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いい湯で健康 温泉と自然療法_大塚吉則_顔120px

大塚吉則(おおつか よしのり)

北海道大大学院教育学研究院教授

 

1955年、北海道生まれ。79年、北海道大医学部卒、第1内科に入局。89年から米ニューヨーク市のコーネル医科大に留学。北海道大病院登別分院・医学部附属温泉治療研究施設(温研)勤務などを経て2007年から現職。国際温泉気候医学会(ISMH)アジア・オセアニア地区代表、日本温泉気候物理医学会理事長、日本生気象学会幹事、NPO健康保養ネットワーク理事長。主な著書に「新版温泉療法 温泉と自然が生み出す健康づくり」(Crews)、「そもそも、すべてが『体質』のせいなのか? 自然治癒力を引き出し幸せになる方法」(Medical Tribune)など。

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2件 のコメント

大きなお風呂が絶対いいです

うらら

大塚先生入浴(ニューヨークもあり)の歴史。温泉治療研究者への道の原点が、髪の毛も凍る旭川の銭湯だったのですね。子どもたちが小学生の頃、北海道をキ...

大塚先生入浴(ニューヨークもあり)の歴史。
温泉治療研究者への道の原点が、髪の毛も凍る旭川の銭湯だったのですね。

子どもたちが小学生の頃、北海道をキャンプ用具一式積んで、ホテルに一度も泊まらずに2週間野宿旅行をしたことがあります。
行く先々のキャンプ場に温泉があるか、キャンプ場になくてもすぐ近くに必ずありました。
本州では、野宿旅行は不潔なもの、とあきらめていましたが、とても清潔に快適に過ごすことができました。しかも、変化にとんだ温泉。
仕事を卒業したら、1ヶ月は北海道をウロウロしたいなあ。温泉メインで!

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先生のブログを読むと銭湯より温かい

めざめたじいさん

 「神田川」の歌に湯上がりの二人が手ぬぐい肩に・・・旭川では天秤棒になるでしょう。そんな寒いところは知りません。 落語に寒いことを表現する場があ...

 「神田川」の歌に湯上がりの二人が手ぬぐい肩に・・・旭川では天秤棒になるでしょう。そんな寒いところは知りません。
 落語に寒いことを表現する場があります。外出するときは金槌を持っていく。立所便すると放物線のつららができる。そこで金槌で先のところをたたき割る。道路の脇には大小さまざまなつららが残る・・・と。

 子ども頃の風呂は「長州風呂」でした。鉄の湯船で、そのまま入れませんので、浮かせたすのこのふたを踏み沈めて入るもの。父親と子ども3人一緒に入れました。

 欠点は湯が早く冷めること。8人家族が揃ったところで、4人ずつ間をおかず・・・。もちろん男女一緒でしたが、子どもでしたからそれが当たり前だと思っていました。中学生の頃友だちに話したら、姉弟でも一緒とは、と驚かれました。

 いまは昔、現在はユニットバス。近所のお風呂屋さんから、たまには大きい湯船に浸かってみませんか、と案内が来る。

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