文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

医療部発

医療・健康・介護のコラム

中高年セックスレス問題 「実は私も…」と30歳代からも反響

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 先月26日の本紙解説面で「中高年セックスレス『夫婦関係の希薄化』指摘」という記事を書きました。ヨミドクターの会員でない方は、この記事は有料登録の方しか見られないので、その前に書いた短い記事「中高年夫婦 セックスレス急増」をご参照下さい。

 要約すると、日本性科学会の調査で、セックスレスの中高年夫婦(40歳~79歳)が10年前は25%前後だったのに、2010年調査では50%を超えたことがわかり、それに呼応するように婚外セックスを肯定する人も増えているという記事でした。解説記事の方では、調査代表者の荒木乳根子・田園調布学園大名誉教授の分析を加え、そうなった背景について詳しく書いています。

 私は以前、このヨミドクターで「高齢者の性」というブログを担当していたこともあって、中高年夫婦のセックスレスの深刻さについては、度々読者の皆さんからそうした声を寄せられていたため、よく把握していました。ですから今回、半分以上の中高年夫婦がセックスレスと聞いても、「まあそうだろうなあ」と、そう驚きはしませんでした。

 むしろ驚いたのは、記事掲載後、現在40歳の私と同世代やすぐ下の世代(30歳代後半)の友達や知り合いから、「実は私も…」と自身のセックスレス体験を語る感想がたくさん寄せられたことです。ある同世代の男性は、下の子どもが生まれた直後から、妻が理由もなく拒み始め、10年以上セックスレスだそうです。どれだけ妻に話し合いを求めてもかわされ続け、諦めて、最近、外に年下の恋人を作ってしまいました。

 彼は言います。「セックスを拒まれると、自分の存在を否定されている気分になる。恋人が自分を受け入れてくれた時、生きる力を取り戻した気がした」と。子どもが巣立つまでは今は離婚は考えていないそうですが、彼女と一緒になることも考えているそうです。

 年下の30代後半の友人は、夫から6~7年間ずっと拒まれていました。「泣いて何がいけないのか尋ねるのに、何が理由かも言ってくれないで黙りこんでしまう。日常生活では普通に会話もするし、一緒に旅行も行くけれど、女としての自分だけ拒まれて、きっと子どもも望めない。毎日むなしい」と言います。離婚も考えているようですが、セックス以外は気が合う相棒でもあるので、踏ん切りが付かないようです。

 記事の元となった調査報告書の自由意見欄にも、セックスレスで心が傷だらけになった人たちの言葉がたくさん並べられています。出産後、不妊治療の影響、心のすれ違い・・・。そこに至った理由は様々ですが、生きることがむなしくなるほどの深刻な悩みなのに、セックスの話題はどこか軽んじられ、どこででも言えるわけではないプライバシーなので、1人で抱え込んでいる人が多いのだと感じます。

 「高齢者の性」ブログを書き始めた頃、私は30代後半に入ったばかり。こうした声はたくさん届いていましたが、「話し合いましょう」「離婚してから新しいセックスの相手を見つけたらどうでしょう」と、狭い倫理観でせっぱ詰まった悩みを持つ読者の方になんの救いにもならない返信を書いていた気がします。

しかし、私も40代に突入した今、こうした声は決して人ごとではなくなりました。もしよろしければ、同世代や先輩方の声をまた聞きたい。そしてそれを、新聞連載やこのヨミドクターで共有できるとうれしいです。

岩永直子(いわなが・なおこ)
社会部で警視庁や厚生労働省担当を経て、2009年から医療部。がん全般、生活習慣病、感染症、セクシュアリティーなど担当。1973年生まれ。夫と2人暮らしで、趣味は居酒屋巡りとダイエット。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

医療部発12最終300-300

読売新聞東京本社編集局 医療部

1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。

医療部発の一覧を見る

76件 のコメント

コメントを書く

笑いましょうよ・自分のために、あなたの・

めざめたじいさん

ため息さん、この歌が好きです。♪~笑ってよ君のために  笑ってよ僕のために 僕等は別々の山を それぞれの高さ目指して 息もつがずに登ってゆく 山...

ため息さん、この歌が好きです。

♪~笑ってよ君のために  笑ってよ僕のために
 僕等は別々の山を それぞれの高さ目指して
 息もつがずに登ってゆく 山びと達のようだね

さだまさしの道化師のソネットです。

 最近とみに笑うことがありません。TVの「笑点」を見て笑うだけでしょうか。いつもニコニコしている人が好きです。声を掛けたくなります。

 私と妻は、互いに完全に相手を理解しあって、結婚したわけではありません。お互いのわからないところはたくさんあるけれど、フィーリングが合いそうだから、相手が優しそうだから、仕事が堅実そうだから、などのさまざまな理由を考慮して結婚に踏み切ったのです。

 セックスによって得られる夢のような快感は、例えようのないものでした。母に抱かれたものとは違う、別世界の充実感でした。子どもが生まれ、仕事に追われ、経済的にも追い込まれ、重い責任が肩にのし掛かりました。しかし、家に帰ると妻や子が私に元気を与えてくれました。セックスしているときだけすべてを忘れることが出来ました。

 そして体力も衰え、病気によってレス状たが続くと落ち込みました。結婚生活ってこんなものだったのかと失望しました。性的なはけ口を他求めようとさえ思いました。でも、今となってはそれさえ煩わしくなり、妻との関係を見直すことになりました。相手もきっと私に不満を感じ、それを我慢しているのではないかと・・。

 そして、今の実態を大事にすべきではないかと気づきました。これ以上のものを望むのでなく、今を大事にし、笑いながら生きていこうではないか。50年以上の続いた関係をこわしてはいけない。悟るなんておこがましいことは言いませんが、

つづきを読む

違反報告

ふっきる、ふっきろうとする

ため息

めざめたじいさんさん、世代は違いますが状況似ていますね。うちもほぼ同級生、まともな?(レスでない)期間も最初の子供ができるまで位です。同級生のレ...

めざめたじいさんさん、世代は違いますが状況似ていますね。うちもほぼ同級生、まともな?(レスでない)期間も最初の子供ができるまで位です。同級生のレス率とか調べたら興味深いデータがでてきそうですが、この手の話題は生産的でなく先行きしょんぼり気分になってしまうので、難しいですね。
御宅のように「同志」といえるほど尊重しあっている関係でもありませんでしたが、不在の寂しさも応えます。先行きのことを考えすぎると無理だと暗い世界に入り、不安になるとイライラ、と悪循環・・以前お言葉にありましたが、「ふっきる」気持ちになることで関係も見えてくるものがあるのかもしれませんね。
夫婦の間の色々な不安もスキンシップやハグとかで解決してくれるように夢想します。うちはそれすら一切無い状況がやるせなく、じいさんさんは労りの気持ちがあったから長い間暮らしてこれたのではないでしょうか。
身近な人が笑っていることは大事だと身に染みています。家族も自分も笑えるように未来を考えすぎず、時にぐちぐちしますが、ふっきる気持ちをもって、今を生活したいと思います。

つづきを読む

違反報告

あなたは 愛おしさを感じますか

埼玉のシニア

愛おしい と思ったり、愛おしさ を感じたり、そんなことは、家内がアルツハイマーで社会のルールも皆目分からなくなった時に生まれて 初めて 実感した...

愛おしい と思ったり、
愛おしさ を感じたり、
そんなことは、家内がアルツハイマーで
社会のルールも
皆目分からなくなった時に
生まれて 初めて 
実感したよ

レスになっただとか
レスになって会話がないとか
そんなぜいたくな時間がある事は、幸せそのものさ

相手に愛おしさを感じますか
愛すればこそ一緒に成り
閨まで、この世の極上の時間を過ごしたあなた

愛おしい を理解してほしいと思います
愛おしさ を感じてほしいと思います
その上で
自分がどう間違っていたかを
感じてほしいのです

男も女も
お互いの理解の上で
そう、愛おしさを感じ
再びの、人生に、進めるでしょう
何も感じないあなた
其れは 破局なのです

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事