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(1)目立つ「のぼせ」との混在

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“冷えのぼせ”。下半身や手足の末端が冷え、顔や頭がのぼせたように熱くなる(イラスト=南雲久美子医師提供)

 涼しさが増し、体の冷えが気になり出した今日この頃。「冷えは万病のもと」と言われる。

 冷蔵庫とクーラーの普及で、快適な生活を手にしたはずが、「一年中、体を冷やす環境にさらされている」。こう指摘する冷え症診療の目黒西口クリニック(東京都品川区)院長、南雲久美子さんに対策を聞いた。

 「女性の99%が冷え症と言っても過言ではない」と南雲さん。冷え症は、寒がりというだけでなく、不快な症状を伴い、しかも、体が一度冷えると、なかなか温まらない特徴がある。長年放っておくと、体調不良や、いろいろな病気の要因になってしまう。

 男性より女性に冷え症が多いのは、筋肉の量が違うからだ。人間は筋肉を動かすことで、熱=体温を生み出しているが、男性に比べて筋肉量が少ない女性は熱を作り出す力が弱い。生理による貧血、低血圧で、新陳代謝が妨げられて熱がうまく作り出せず、血液が手足の先まで届きにくくなる。

 近年、目立ってきたのが、冷え症を悪化させて、手足は冷えているのに、顔や頭がボーッと熱くなっている“冷えのぼせ”の症状だ。医療・健康用品製造販売の「ピップ」の、20~50歳代の女性を対象にした調査によると、冷え症だと答えた人は64%。その半数以上は“冷えのぼせ”を自覚していた。全体の3人に1人だ。

 「一つの体に全く正反対の“二重人格”が混在しているようだ。温めるだけでは逆効果で、のぼせている所は上手に冷やして熱を逃し、冷えている所はじっくりと温める。まめな対応が必要です」と南雲さんは説明する。

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