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介護・シニア

外反母趾…足指使って歩行 改善

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 足の親指が小指側に曲がってしまう「外反母趾ぼし」に代表される足指の異常が増えている。女性に多く、放置すると腰や膝、首など全身の痛み、不調につながるという。足指の矯正を通じて痛みの治療に効果を上げている大阪府門真市の「北大阪バランス研究所」を、3人のシニア女性が訪ねた。

乾さん(右端)の指導を受ける(左から)東城さん、小森さん、村山さん(大阪府門真市の北大阪バランス研究所で)=奥村宗洋撮影

 大阪市都島区の東城千鶴子さん(62)と奈良県生駒市の小森千鶴子さん(59)、兵庫県尼崎市の村山菊美さん(64)。東城さんは昨年、左足のしびれで歩けなくなり、鍼灸しんきゅうや漢方薬で持ち直した。小森さんは強度の外反母趾、村山さんは魚の目やタコに悩んでいる。

 出迎えた所長の乾和義さん(52)は、1991年に整骨院を開業。関西大経済学部に在学中、整骨院でアルバイトをしたのがきっかけで、この道に進んだ経歴を持つ。従来の施術では慢性の膝痛などをうまく治せなかったことから、対応を模索するうち、足指の異常がこれらの痛みと深くかかわっているとする「過労性構造体医学」に出会った。

 これに基づく治療を試してみたところ、痛みが取れるなど改善例が相次いだため、本格的な研究に取り組み始めたという。

 3人は診察室で裸足はだしになり、乾さんに足を見せた後、直立時の足裏にどんな力がかかっているかを機器で調べた。画像で見ると、3人とも指裏がほとんど地についておらず、乾さんは「このため足裏が不安定で体を支えきれず、かかとからの過剰な衝撃が膝や股関節などをゆがめる方向に働き、骨の変形や痛みになるのです」と説明した。

 女性の8割が外反母趾か、足指が上に反り返る「浮き指」だとする説もあり、進行すると足裏をさらに不安定にし、巻き爪やタコの原因にもなるという。乾さんは「足にテープを巻いて補整し、足指を使って歩く習慣をつける」ことで症状が改善すると指摘。「外反母趾がここまで進むと元の形には戻りませんが、痛みは取れますよ」と助言された小森さんは、安堵あんどの表情を見せた。

 この後、3人は体をほぐして痛みを取る2台の機器と、乾さんの手による運動療法を体験。診療スタッフから足に専用テープを巻いてもらい、歩き方の指導を受けた。かかとからではなく、足裏全体を使って着地するのがポイントで、内転筋が鍛えられるため、下半身が引き締まる効果もあるという。東城さんは「全身が楽になった」。村山さんも「正しい歩き方が大切なことがよくわかった」と話した。(石塚直人)

歩き方直したい

 東城さん「靴を特注し、5本指の靴下をはくなど、足を大事にしてきたつもりでも、不十分だったようです。歩き方を直すよう心がけたいですね」

 小森さん「外反母趾を理由に幅広の靴をはくのは逆効果とわかりました。足指の力をつけると足のこむら返りもなくなると聞き、これから努力します」

 村山さん「毎日5キロを歩いていますが、足指を意識したことはありませんでした。魚の目やタコも足指をしっかり使わないことが原因、とは驚きです」

重力に注目

 「過労性構造体医学」は、横浜市の柔道整復師・笠原巌さんが提唱する理論。10万人以上の足を診察した結果、外反母趾など足指の異常と全身の不調との間に明確な因果関係が認められたとし、重力と足の関係に着目。足裏のバランスを整えることでさまざまな不調が改善される、とする。

 腰痛や膝痛に悩む中高年の患者が、整形外科病院などで「加齢のせいだから完治はしない」と診断され、鎮痛剤を処方されるだけにとどまりがちな現状への批判が背景にある。この理論に基づく治療法は「カサハラ式」として体系化され、これを採用する全国の施術院のリストが笠原さんのHPで公開されている。

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