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ギャンブル依存 多い日本…自助組織、回復支える

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 カジノ推進の動きとも関連して、ギャンブル依存症への関心が高まっている。はまり込むと、やめたくても、やめられないのが依存症だ。

 度重なる借金、生活破綻、家庭不和……。さらに各種の犯罪につながることも少なくないギャンブル依存。脱出するには、どういう手だてがあるのだろうか。

 「20代のころ、友達に誘われてパチンコ店に入ったのが始まり。一人でも行くようになり、みるみるはまった。大きく勝った時のことが頭に残り、また勝てると妄想を抱き続ける。玉の出てくる音や光の演出も快感でした」

 京都市に住む女性(40)は、そう振り返る。

 「仕事中もパチンコのことばかり考える。きのう負けた台に、あした行ったら当たるかも、とか。用事があっても体調が悪くてもパチンコ優先で、ひどい時は365日。子育ては何とか続けたけど、ごはんも食べず、コーヒーだけで台の前に座りっぱなしの日もありましたね」

 カードや消費者金融で借金が700万円に膨らみ、自己破産したが、その後もやめられなかった。5年前、うつで受診したクリニックの助言をきっかけに、依存症回復支援施設「京都マック」(同市下京区)に通うようになった。

 プログラムの中心は仲間同士のミーティング。自分たちが依存症であり、無力であることを認める文章をみんなで読み上げたあと、それぞれが経験や思いを話す。互いにコメントはしない。

 「ほかの人の話を聞くだけで、いっぱい気づきがあるんです」と女性。それがやめ続ける支えになっている。

◇        ◇        ◇

 国内のパチンコ・パチスロ店は昨年末の警察庁調べで1万1893店。売り上げは昨年度で19兆円近い。ほかに競馬などの公営ギャンブルが4兆円余り、宝くじ・スポーツ振興くじが1兆円。

 厚生労働省の研究班は昨年の調査をもとに、病的ギャンブラーが成人男性の8・7%、成人女性の1・8%、計536万人にのぼるという推計を8月に発表した。他の先進国(1~2%程度)よりはるかに高い割合だ。30代前半は男性で17・2%、女性で5・3%に達している。手近にギャンブルの場があるのが大きな要因とみられている。

 「いったん依存症になったら、ほどほどに楽しむのは不可能。自力で脱出するのは非常に難しい。本人の意志や人格の問題ではなく、脳に機能障害が生じているんです」

 徳島県の藍里病院で治療に取り組む精神科医、吉田精次さんは、そう説明する。

 「3大症状は借金、ウソ、思考のゆがみ」。負けが込むと家族もだまして金を手に入れる。勝敗をコントロールできるという幻想を抱く。

 吉田さんは「完全に治りはしないけれど、回復は可能です。本人が困り果て、これではいけないと思った時がチャンス」とも強調する。

 家族は、借金の尻ぬぐいをしない、金銭管理を徹底して余分な金を持たせない、3年間は気を抜かない――などを心がける必要があるという。

◇        ◇        ◇

 国際的な疾病分類にも「病的賭博」の病名があり、保険診療の対象になる。だが、きちんと診る力を持つ医療機関はとても少ない。回復を支える中心になっているのは民間の自助グループ活動だ。マックのほか、当事者が集まるGA(ギャンブラーズ・アノニマス)、家族向けの「ギャマノン」といった会合が各地で定期的に開かれている。

 大阪府内の男性(64)は毎週、自助グループに通う。

 「パチンコ、競馬、競艇。1日1回は行かんとおさまらんかった。大きな家が建つぐらいつぎ込んだ」。給料の額を家族にごまかし、消費者金融からも借りた。発覚して、死んでしまえ、と怒られた。もうやりませんという誓約書を何度も書いた。その時はやめようと思う。でも叱責の嵐が過ぎると、また手を出す。

 「おいオヤジ、病気やったら治してこいよ」。息子に諭され、ハッとした。

 賭け事と手を切って8年。それでも「自分がまだ怖い。グループにつながっていないと、また負のスパイラルに巻き込まれそう」と言う。

 ギャンブルは個人の問題、自己責任として済まされがちだったが、被害は深刻だ。予防方法、治療体制を含め、社会として本格的な対策に取り組まないといけない。(編集委員 原昌平)

 
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