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介護・シニア

葬儀やお墓、生前に準備

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「通夜なし」増加・樹木 墓石代わり

 もうすぐお彼岸(20~26日)。秋の風に吹かれながら墓前で故人をしのぶ人も多いだろう。

 誰もがいつかはお世話になる葬儀や墓。生きているうちに準備する「終活」も広がっており、この機会に、葬儀や墓の費用などについて考えてみてはどうだろうか。

■費用は減少

 そもそも、費用は幾らぐらいかかるのだろうか。

 葬儀の費用は、大きく分けて祭壇やひつぎ、ドライアイスや火葬料など「葬儀自体」、会食や香典返しなど「接待」、僧侶や牧師、神官など宗教者への「謝礼」の三つがある。一方、墓代は「墓石建立費」と「永代使用料」などからなる。

 経済産業省の統計調査で「葬儀業」の売上高と取扱件数から算出したところ、葬儀1件あたりの平均費用は減少傾向にあり、2013年は141万円だった。

 同年の墓代は、葬儀情報サイトを運営する鎌倉新書(東京)の「いいお墓.com」の調査によると、全国平均で211万円。ただ、地域差が大きく、例えば、東京都では269万円、広島県では142万円だった。このほか、駐車場や水道設備の管理費として、年間5000~6000円かかる場合もあるという。

■少子高齢化も影響

 先祖代々同じ地域に住み、地域の協力で葬儀を挙げ、家族ごとに墓に入り、子々孫々がお盆とお彼岸にお参りする――。こんな昔ながらの葬儀や墓のあり方も、最近は、都市部の墓不足や少子高齢化、生活環境や価値観の多様化に伴い変わってきた。

 葬儀に伴う変化は、「直葬ちょくそう」「1日葬」「家族葬」などの増加が挙げられる。直葬(20万円前後)は通夜や告別式を行わず、火葬だけを行い、1日葬(30万円台~)は告別式だけ、家族葬(30万~80万円前後)は家族など少人数で執り行う。経済的な理由のみならず、高齢化で親戚や友人など参列者が少ない、自宅での死去・葬儀が減少して病院で亡くなった後に遺体の安置場所がない、マンションの通路が狭く遺体を運べない、など様々だ。

■抽選倍率10倍

 墓では、寺院などに将来的な管理を任せる「永代供養」という考え方も1990年前後から広まってきた。

 墓石の代わりに樹木や花の下に遺骨を埋める「樹木葬」が2000年前後からお目見えし、取り入れる霊園は増えている。例えば、都立小平霊園(東京都東村山市)が2年前から始めた樹木葬(樹林型合葬埋蔵施設)は、お骨のままなら13万1000円(非課税)、粉骨すれば4万3000円(同)で永代供養してもらえる。抽選倍率は10倍を超える人気という。

 一方、ビルなど建物の中に置かれるタイプも、都市部を中心に増えている。納骨堂タイプが多く、ロッカー形式や、参拝口の機械にカードをかざすと背後から遺骨を納めた容器が自動で出てくるものなど様々だ。お寺内の「納骨堂」は30万円前後から200万円前後まである。

 これらの墓では、個人だけの「個別墓」と、他人の骨つぼと一緒に置かれる「合葬がっそう」がある。また、骨を砕いて海にまく「散骨」を扱う葬儀業者もある。日本海洋散骨協会(東京都江東区)によると、個別に船を借りると20万~30万円前後、合同で10万~15万円前後、遺骨を業者に送付して依頼すると10万円以下が目安だという。

「お参りする側」家族の意見 重要

 葬儀や墓を検討する際は、家族とじっくりと話し合った上で、内容を調べたり、見積もりを取ることが大切だ。

 国民生活センター(東京)によると、葬儀と墓に関する相談件数は、09年度の2044件から13年度は2604件に増えた。「見積もりに含まれていた骨つぼ代が実際は別料金になっていた」「樹木葬を申し込んだら、サクラが満開だったモデル墓地と全く違う内容だった」など、事前の理解と違っていたとの苦情が多いという。

 第一生命経済研究所の小谷みどり主任研究員=写真=は、「葬儀は、小規模な家族葬でも、飲食で高額になる場合などもあり、複数の見積もりを取ることが大事」という。

 墓についても「遺骨の収蔵と遺族が手を合わせる場所という二つの側面がある。本人が散骨を望んでいても、遺族はお参りする場所がなくなり困ることもある」として、本人だけの考えで決めるのではなく、家族の意見も重視するようアドバイスしている。

遺影撮影や「ひつぎ」体験

「終活セミナー」では、遺影を無料で撮影してくれるコーナーもある(東京都江戸川区のイオン葛西店で)

 2009年に参入した流通大手イオン(千葉市)の葬儀は、追加料金なしの定額プランで、カード支払いも可能だ。葬儀業者は全国約500の提携先から選べる。料金はお布施込みで火葬式(直葬)が24万3000円(税込み)、参列者が50人までの家族葬が64万8000円(同)などとなっている。

 さらに、全国約1200の寺院での納骨、永代供養も3万円の追加で可能だ。相続や保険などの相談も無料で応じてくれる。

 また、月に2回程度、全国のイオン店舗で「終活セミナー」を開き、遺影の無料撮影や、ひつぎに入る体験ができるなどのサービスを行っている。(秋田穣)

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