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ダイエットの達人・ドクター川村のスマート健康塾

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血液をサラサラに…脳梗塞、心筋梗塞を防ぐため

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 いくつかの医療機関では、MC-FANという機械を使って血液のサラサラ度合いの測定をしています。

 機械内部の細いすき間に100マイクロリットルの血液を流して、その時間や流れ方を見て血液のサラサラ度(またはドロドロ度)を判定します。血液がサラサラなら、通過時間が早く、ドロドロになればなるほど時間がかかります。

 血液の通過時間に影響する要因としては、大きく分けて次の四つがあります。

(1)

赤血球の柔らかさ:毛細血管は、実は赤血球の大きさよりも細いのです。従って、赤血球は変形して毛細血管の中を通過しているので、変形しにくい状態になると、血液の流れが悪くなり、血液の流れを観察していると、ドロドロの状態の血液では、流れが極端に悪くなり、血管が詰まることが心配されます。

(2)

白血球の増加や活性化:喫煙やストレス、肥満により白血球数は増加します。そのほかに白血球からいろいろな物質が放出され、血が固まりやすくなります。たばこを1日40本以上吸っている人の血は、試験管の中ですぐに固まってしまうこともあるので、試験管をさかさまにしたときに、ゼリー状になって落ちることもあります。

(3)

血小板の活性化:体の動きに応じて血管は引っ張られたり、押されたり、激しい衝撃を受けたりしていて、絶えず傷害を受けて亀裂が走ったり、切れたりしいています。血小板は、この傷害された血管の部位にくっつき、出血しないように血管を修復する働きの一助を担っています。しかし、この機能が過剰になったり、血管の傷害がない時にこのような働きを始めたりすると、血がドロドロの状態になっていきます。

(4)

血漿(血液の赤血球、白血球、血小板を除いた液体の部分)の粘性の高まり:血糖値の異常高値、中性脂肪の異常高値、血液に溶けているその他の物質の濃度の異常高値で、血漿の粘度(ドロドロ度)が高くなります。

 大量に汗をかいたり、水分をほとんど取らないことで脱水状態になると、血液の粘性は上昇するので、血液は詰まりやすくなります。実際に、こういった状況で脳梗塞や心筋梗塞になる方は少なくありません。

 こういった状況下では、水分をいっぱいとることによって、血液のドロドロ度の改善は期待できます。ところが、これ以外の状況では、お水をいっぱいとったからと言って、血液はサラサラになりません。というのは、腎臓で血液の状況を絶えず調整しているからです。余分に取った水分は30分以内に尿として体外に排出されます。

 注意してほしい点は、人間の毛細血管はこの機械(MC-FAN)の内部のような硬いものではなく、変形・変化するということです。また、血液が固まりやすくなった場合には、血管からいろいろな物質が放出され、血が固まらないように反応しています。

 実は、血液のドロドロ度よりも、この固まらないようにしている反応が低下している状況のほうが、脳梗塞や心筋梗塞発症のリスクを高めるのです。

 反応を低下させる要因は、長期間の喫煙、脂質異常症や、糖尿病、高血圧が長期間管理されていないことによって生じる動脈硬化、長く続くストレスなどです。

 つまり、血液サラサラを保ち、脳梗塞、心筋梗塞を防ぐためには、たばこの本数を極力減らし、ゼロに近づけること、血圧値、血清脂質値、血糖値をできるだけ良い状況を続けること、ストレスを抱え込まないで、うまくリフレッシュすること、脱水の状況をできるだけ早く改善するために、こまめに水分補給をすることが大切なのです。


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kawamura

川村 昌嗣(かわむら まさひで)
1960年高知県生まれ。3浪の末に慶應義塾大学医学部に入学し、1988年に同学部卒業。2001年から11年まで、横浜市のけいゆう病院健診科で健康指導などにあたる。2012年1月に横浜市西区に川村内科診療所を開業。日本老年医学会指導医、日本抗加齢医学会専門医、未病システム学会専門医、日本人間ドック学会専門医。「内科医が教えるお腹がどんどん痩せていく腹凹歩きダイエット」(永岡書店)、「医師がすすめる50歳からの肉体改造」(幻冬舎ルネッサンス新書)などの著書がある。 川村内科診療所のウェブサイト http://www.kawamuranaika.jp/

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