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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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シソは身近な「漢方薬」

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 シソが、紫色をした小さな花をつけました。秋がやってきました。みなさんの家では、どんな植物を育てていらっしゃいますか。わたしが今年、ベランダ菜園で育てているのは、水戸のハーブ園からいただいた赤シソです。

 シソには、青シソと赤シソがあります。

 青シソは、「大葉おおば」とも呼ばれています。青シソには、殺菌・防腐作用を持つペリルアルデヒドが含まれているため、生ものといっしょに調理されることが多いようです。このため刺し身のつまやお弁当に入れられます。また、青シソは、ニンジンやパセリに比べて、ビタミンA(カロテン)を含む割合が多いのです。脂溶性ビタミンAを効率よく吸収するためには、シソを油で調理するといいでしょう。

 赤シソは、梅干しや紅ショウガの色付けに使われます。赤シソの種は、七味唐辛子などにも使われます。漢方薬の材料としても、赤シソ(紫蘇葉しそよう)が使われています。

 中国の後漢時代、名医・華陀かだがカニの食中毒で死にかけていた若者を「紫」色の草で、「よみがえ」らせたことから、紫蘇しそと呼ばれるようになったといわれています。

風邪予防に香蘇散

 シソを使った漢方薬には、香蘇散こうそさんがあります。香蘇散は、シソ、ショウガ、みかんの皮などで、できています。香蘇散は、風邪薬として使われていますが、胃腸障害、精神的不安などにも使われています。よく風邪薬として使われる葛根湯かっこんとう麻黄湯まおうとうとは、使い方に違いがあります。

 「のどがおかしい」「寒気がする」「体がだるい」など、風邪の初期症状があるとき、わたしは「麻黄まおう」というエフェドリンを含んだ葛根湯や麻黄湯などを処方します。エフェドリンは、交感神経を活性化して免疫力を高めます。しかし、胃腸の状態が悪いときや生まれつき胃腸が弱い人には、薬が強すぎることがあります。薬が強すぎるとかえって体調が悪くなり、場合によっては動悸どうきやめまい、吐き気などがでてしまいます。

 香蘇散は、胃腸薬としても使われる薬です。胃腸の弱い方が風邪にかかったときに使います。また、寒い時期に体調を崩しやすい方は、風邪の季節になったら予防的に服用を始めます。そうすることで、風邪予防になります。

機能性胃腸症に半夏厚朴湯

 半夏厚朴湯はんげこうぼくとうにもシソが使われています。半夏厚朴湯は、シソ、ショウガ、半夏、厚朴などで、できています。のどのつかえ、せき、吐き気といったのどから胸、みぞおちにかけての症状に使われる半夏厚朴湯は、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、消化器内科で扱う病気(咽頭炎、気管支炎、逆流性食道炎、慢性胃炎など)に使われています。

 最近では、超音波検査でもCT検査、胃カメラ検査でも異常がなく、機能性胃腸症(FD:Functional Dyspepsia)と診断されている症状に、半夏厚朴湯が使われます。

 機能性胃腸症の治療には、酸分泌抑制薬、消化管運動機能改善薬、粘膜保護薬、マイナートランキライザーなどが使われるほか、最近ではヘリコバクター・ピロリ菌の除菌なども行われています。さらに、治療の選択肢に半夏厚朴湯を加えることで、症状に悩んでいる多くの人を救うことが出来ます。

 シソは、身近にある漢方薬の材料です。これからの時期、薬味としてシソを使ったり、ショウガを組み合わせてみたり、料理にうまく活用すると良いと思います。みなさんが、元気で健康に毎日を過ごされますように、心から祈っています。

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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4件 のコメント

カヤク、爆発を連想したが「加薬」と分かり

めざめたじいさん

 「かやくご飯」と聞いて、驚いたことがある。見れば五目飯だった。後で「加薬」と分かり、さらに分からなくなった。薬を加える? 薬味として、豆腐にし...

 「かやくご飯」と聞いて、驚いたことがある。見れば五目飯だった。後で「加薬」と分かり、さらに分からなくなった。薬を加える?

 薬味として、豆腐にしょうが、刺身にしそや大葉、天つゆにもしその実、焼き魚や煮魚にさんしょう、ソバつゆにねぎ。

 見た目を良くするためだけだと思っていたが、食欲をそそる、味を良くすることが分かり、皿の上に載ったしそや大葉は食べることにしている。

 我が家の夏の定番は、素麺を冷や汁で食べること。大葉、ゴマ、味噌、砂糖をすり鉢ですり混ぜる。その上にきゅうりをスライスし水が浮いてくるのを待つ。ガラスの器に入れて冷たい水を注ぐ。食欲の落ちる夏を乗り切る。かならず、蛋白質を補うようにして。

 彼岸に行った実家で、出された水菓子の脇に、シュウカイドウの花が添えられたいた。姪の心遣いに、私たち夫婦は和まされた。

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昔からの食べ物が良い

埼玉のシニア

紫蘇は、おにぎりのノリ巻きの代わりで使用しており、いつも食べていました。庭に沢山の紫蘇が生い茂り、いつでも、好きな時に使っていましたが、やはり梅...

紫蘇は、おにぎりのノリ巻きの代わりで使用しており、いつも食べていました。庭に沢山の紫蘇が生い茂り、いつでも、好きな時に使っていましたが、やはり梅干しの色ずけ用としてたくさん使いました。

当時青紫蘇は無くて紫蘇は紫と思い込んでいました。自分の家だけだったかもしれませんが、、、。味が強烈ですから嫌いな人もおりますが私は気にならず、薬だと思い食べています。今庭にはなにもありませんが昨年、庭中が青紫蘇だらけになってしまい、今年は植えまいと決心していましたが、何と庭中紫蘇が生えてきました。その生命力は凄いものです。隣の畑でも紫蘇がはたけ半分を占領しています。

今、紫蘇は青シソ一辺倒で朝チンして他の野菜と食べますが、紫蘇の実は即席漬けもの風にして食べます。料理の方法は実に簡単、実をとったら醤油で2~3日漬け置くだけの物。男料理です。

76にもなりますといつの間にか体力が半減し、スポーツは手足を動かすだけの軽いものですが、食べ物だけはしっかり栄養をとって精力を付け、太らないよう気をつけて毎日を過ごしていますよ。

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しそ

ちびまるこ

興味深く読ませていただきました。しそは私も夫も大好きでNJの裏庭には商売ができるほど植えてありました(勝手に繁殖していました)。あのさっぱりした...

興味深く読ませていただきました。
しそは私も夫も大好きでNJの裏庭には商売ができるほど植えてありました(勝手に繁殖していました)。あのさっぱりした味は蒸し暑い夏には欠かせないです。ジュースも作り、炭酸で割って飲んでいました。夏のさなか、MAに引越し、泣く泣く、NJにおいて来ましたが、来年は絶対、また育てようと思います。
夏の植物が風邪に良いとは知りませんでした。寒がりの私は前回の記事を読んで、思い出したように、しょうがに砂糖をまぶした、Crystal Gingerを買ってきておやつ代わりにしました。
しそジュースを作っておけばよかった!と思っても後の祭りです。
漢方は飲みにくいので、身近な食材で(とくbに好物で)摂取できると良いですね。

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