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石井苗子の健康術

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錦織圭選手に見る「ゆとり教育」の成功

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(「自立する精神」を身につけさせた両親の教育方針)

 9日の早朝(日本時間)テニスの全米オープン・男子シングルスの決勝戦が行われ、結果はどうであれ、歴史的快挙に変わりはないと思っています。

 プロテニスプレーヤーの錦織にしこり圭選手は、ここ3年ぐらいで一気に知名度が上がったように思いますが、本人は5歳から現在の地位を築くまでに、手術を必要とする大きなけがを何度も克服されています。今回の決勝戦進出は、とりわけご両親にとってうれしいことではないかと思っています。

「スポーツ留学」で両親の徹底的サポート

 錦織選手のご両親は特別テニスの才能をお持ちだったようではありませんし、錦織選手も、島根県松江市での小、中学生のころは野球、水泳、サッカー、ピアノまで興味を持っていたとのことです。

 「子どもには好きなことをやらせる」「子どもが興味をもったことは徹底的にサポートする」が教育方針で、テニスに才能があると分かってからは、試合日は車で送迎、勉強は遅れないように徹底的にご両親がサポートされたそうです。2001年に全国小学生テニス選手権大会で優勝したにもかかわらず2年後には、「日本人テニスプレーヤーが弱いのは個の意識が足りないからだ」というお父様の考えで、まだ幼い息子を米フロリダ州のIMGアカデミーにスポーツ留学させてしまうのです。

世界に通用するメンタルを身につける

 錦織選手は1989年生まれですから、いわゆる「ゆとり世代」(1987年~2004年)です。環境は大人が用意するものですが、彼の両親はいち早く「ゆとり教育」のよい点を生かし、才能を生かすには「自立」が必要と思われて留学させたのではないかと思います。プロの競争に勝つには、世界に通用するメンタルコントロールを身につける必要があると思われたに違いありません。

 私が育ったころのように、子どもが全員同じ方向を向いて同じ目標で受験勉強をしていた「つめこみ教育」ではなくて、個性を伸ばすゆとり教育のお手本のような成功例です。

 誰しもが錦織選手のようにはいかないでしょうが、それでも学業成績が一番大事としていた閉塞感はなかったことでしょう。

子どもの個性を伸ばすには

 もとより、個性とか個の意識といったものはかつて、子どもには具体的に何をさしているのか分からなかったと思います。単に他の子どもと違っていることを「個性的」と呼んでいたような印象すらあります。

 その子に何ができるか、その子をどう教育すれば好きなことを伸ばせるか、将来成功するには何をさせたらいいかは、親の観察力にかかっていたのでしょう。

 お金をかけることだけが大事ではなかったことを、錦織選手の両親の教育方針を読んで、あらためて教えられたような気がしました。

 やりたいことがあるなら、幼い時は徹底的にサポートし、10代で「自立する精神」を身につけさせる。これが本来のゆとり教育の目的だったのかもしれません。錦織選手のご両親はその意味で子育ての大成功者だったことには違いありません。

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石井苗子さん顔87

石井苗子(いしい・みつこ)

誕生日: 1954年2月25日

出身地: 東京都

職業:女優・ヘルスケアカウンセラー

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17件 のコメント

教育における個人主義と集団主義のブレンド

寺田次郎関西医大放射線科不名誉享受

錦織選手というケースで見ると皆さんの中で見えにくい部分もあると思いますが、ビル・ゲイツでモノを考えるとわかりやすいと思います。ビジネスにおける傑...

錦織選手というケースで見ると皆さんの中で見えにくい部分もあると思いますが、ビル・ゲイツでモノを考えるとわかりやすいと思います。

ビジネスにおける傑出した個の果たす役割が大きくなったことで、政府としても教育の在り方そのものを考えざるを得なくなったと考えるべきだと思います。

より多くの80点の人材よりも150点や1000点を出す人材が一人でも多く出ることで国家や地域の稼ぎ出す能力が変わる時代です。
(今は傑出した個だけでなく、彼らを理解し支えるような人材も重要視されているのではないかと思います。)


だから、ゆとり教育が出てきたのだと思いますが、「ゆとり」という名前と与えられたゆとり時間の使い方を多くの家庭が理解できなかったことで不利益が大きくなった部分もあるのかもしれません。

けれども、それはゲームにおけるルールチェンジに適応できるか否かの問題でなかったかと思います。
また、極端な成功や失敗だけをクローズアップすると理解がゆがみます。


家庭力だなんだといわれても、すべての人に救いはありませんし、与えられた環境の中で、変えられる要素とそうでないものを切り分けて、うまく自分を伸ばしていける、生きていける能力というものが大事なのかもしれません。

長時間椅子に座ることと勉強することはイコールではありませんし、経験だけが学びでもありません。
また、個々人の学習適性も違います。
でも、個々人の最適な学習スタイルが与えられるわけでも許容されるわけでもありません。
要はそういう当たり前のことを理解してどういう距離感でお付き合いするかの問題ではないかと思います。

医療においても、同じようなことが言えるのではないかと思います。

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才能に投資してもらえる環境を

KEIのファン

錦織君が大活躍し、マスコミで取り上げられていますが、かなり間違った情報もあります。松岡修造さんが、世界で戦えるテニス選手を育てるコトを提唱して、...

錦織君が大活躍し、マスコミで取り上げられていますが、かなり間違った情報もあります。
松岡修造さんが、世界で戦えるテニス選手を育てるコトを提唱して、修造キャンプなるものを開催してますが、錦織君は、これを嫌ってアメリカに行ったわけではなく、ここから選抜されてアカデミーに入学しています。おまけに、この留学にはSONYの会長だった盛田氏が基金を作ってくださって、そのお金で留学しています。

そういった環境で自らも努力し、つかみとったものなのです。事実、錦織と一緒にアカデミーに留学した何人かは、帰国を余儀なくされています。

ゆとり…とは正反対の、親元を離れ過酷ともいえる環境で切磋琢磨したからこそ、今の錦織君がいるのだと思います。

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ゆとり など、考えてはいけません

埼玉のシニア

ゆとり の解釈で価値観が変化していきます。一時日本でも ゆとり の名のもとに教育内容が緩やかなものに変わりました。そして世界から遅れてしまいまし...

ゆとり の解釈で価値観が変化していきます。一時日本でも ゆとり の名のもとに教育内容が緩やかなものに変わりました。そして世界から遅れてしまいました。

いつも思うことですが、日本人の考え方が極端で左右に大きくずれ、ずれてもそれは個人の考え方であると突き放し、直ぐ変えようとしないから世界レベルから離されていきます。教育も同様で、是は役人の独りよがりの、本当の現場を知らない人間の、下手なダンスです。
詰め込み過ぎでも、そために置いていかれる生徒が出ても、それは教育現場とは関係なく、その人間の能力や環境によるものであり、それに気がつくまで放任するのが本来の教育なのではと考えます。ゆとり を与えてどうするのですか。

自分の才能や能力や行動が、どんなに大切かを教えるのが教育だと思います。一方でどんどん進みたいのに、後ろから息せき切って来る生徒が居るからと、休憩の指示を出すのは、それは単なるハイキングです。教育は違うのです。

何事でも世界で一番になる為に、ゆとりはそうしたいと思う人に任せて、突き進んでもらいたいものです。科学、医療、文学など、それこそノーベル賞をとれる人間の教育に、是非突き進んでもらいたいのです。そのためモーレツに、勤勉に、ゆとりは感じさせながら、勉強してもらいたいのです。

ノーベル賞をもらう事。  で我々凡人は鼻が高く、まるで自分の事のように日本人の優秀さを感じるのです。凡人のために、優秀な人間形成をゆとりの名のもとに、葬り去ってはいけません。

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