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百寿者こぼれ話

からだコラム

[百寿者こぼれ話]誠実性と好奇心に秘けつか

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 先日110歳の方の認知機能の検査をしました。今日の日付、引き算、言葉の逆唱など、色々な項目を調べます。最後に、何か好きな文章を書いてくださいとお願いしたところ、「私はこんな検査は大嫌いです」と書かれました。百寿者は、自分の考えをはっきりと言う人が多いようです。

 東京都健康長寿医療センターなどが、百寿者の性格をアンケートを用いて調べました。神経症傾向、外向性、開放性(好奇心が旺盛で新しいものが好き)、調和性、誠実性(決めたことをきちんと行う)の5項目を評価したところ、女性では、外向性、開放性、誠実性が高く、男性では開放性が高いことが分かりました。

 米国では、1500人の学童を1920年からなんと80年間にわたり経過観察した研究があります。誠実性が高く、人生の目標を設定して、社会にうまく溶け込むことが、成功と長寿に結びつく――という結果が出ました。

 開放性は、新しいことを受け入れられる性格と考えられます。例えば、脳卒中で半身不随になった時、なったのなら仕方ないと受け入れることが出来る人、と言えるかもしれません。長寿につながるとは限りませんが、少なくとも幸せではあると思います。

 性格がなぜ寿命と関係するかについては様々な考えがあります。一つは、性格に関する遺伝的な素因が寿命にも関連するという考えです。健康行動、高い幸せ感、良い人間関係を作ることなどに関連しているかもしれません。

 慶応大の新井康通講師は、性格は行動に関係するので、行動を通じて長生きにつながるのではないかと考えています。

 コラムは、今回でひとまず終了します。今後も百寿者研究にご注目ください。(広瀬信義・慶応大特別招聘しょうへい教授)

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