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ボンジュール!パリからの健康便り

医療・健康・介護のコラム

世界一よく眠るフランス人、睡眠障害が増加

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 フランス人は睡眠の話をよくする。「昨夜はよく眠れた?」とか、「昨夜はよく眠れず、疲れている」など。自分の睡眠についてもしかり、人の睡眠についてもよく尋ねる。睡眠が不足したり、睡眠の質が悪かったりすると一日中不機嫌になる人もいる。寝具のテレビコマーシャルなどでも、「質の良い睡眠をお約束します」といったうたい文句も多い。

 フランスは平均睡眠時間が世界1位とされ、世界でもっともよく眠る国民のようだ。ところがここ最近、睡眠障害に悩み、睡眠障害の専門家にかかる人が増加傾向にある。睡眠障害は先進国では人口の約20%を超え、多くは健康上の問題を発症している。睡眠不足は、自動車事故や代謝障害、心臓疾患等の原因のひとつとも考えられており、高血圧、糖尿病、うつ病や肥満、がんなどのリスクも高くなるとされている。

 何らかの睡眠障害を訴えて専門家を訪ねる人は人口の約34%にもなり、10人に1人が目覚めの悪さを訴えている。起床するタイミングが悪いからと、起きたい時間帯のなかでもっとも眠りの浅いタイミングを感知して、起こしてくれる機能がついた目覚まし時計も開発されている。

 フランス人の64%の人が目覚まし時計で起床しており、そのほとんどがすぐには起きられず、5分以上はベッドのなかにとどまるという調査結果がある。その多くの人が起床後に疲労感を感じている。私も、すぐには起きられないことを想定して、5分どころか、目覚ましをセットした起床時間から15分後、30分後と、3回は鳴るように設定している。

 起床後に感じる疲労感は、睡眠不足によるものなのか、起床するタイミングの悪さなのかはわからない。ある時、ふと気がついたことがあった。目覚まし時計をかけなくてもよい日には、就寝して7時間30分後に自然と目が覚めるのだ。本当にパチッと目が覚める。それもとても気持ちよく起きることができる。自分にとって必要な睡眠時間と起きるタイミングの良い時間。それがどうやら私の場合、7時間30分のようだ。

 日本では、朝から「昨夜はよく眠れた?」などと同僚に聞いたりすることはないだろう。自分もフランスに来てばかりのころ、朝から同僚に「昨夜は良く眠れた?」と聞かれて、どうして人の睡眠のことを聞くのだろうと不思議な感覚に包まれていた。それが今ではうそのよう。自分から「おはよう、昨夜は熟睡できた?」なんて聞いてしまう。

 

■ 今週の一句

待つ事の 愛しさを知る 月待宵


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ボンジュール!パリからの健康便り_古田深雪_顔120px

古田深雪(ふるた みゆき)

1992年渡仏。
1997年より医療通訳として病院勤務。

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1件 のコメント

医療の発展段階 カテーテル モデル

寺田次郎関西医大放射線科不名誉享受

医療には発展段階がある。呪術のようなもの → 粗野な科学 → 精密な科学ジェネレーションのステップアップにはサービス受給者の世代交代やエポックメ...

医療には発展段階がある。

呪術のようなもの → 粗野な科学 → 精密な科学


ジェネレーションのステップアップにはサービス受給者の世代交代やエポックメイキングな事件が必要とされる。

けれども、この情報化社会では、その転換サイクルが早い。

だから、スキップしていきなり高度な治療に移った時の処理、それを失敗した時の処理がしばしば問題になる。

冷静に考えて、地域や近郊医療の発展に応じて、簡単な症例とそうでない症例に場合分けして取り組めばいいのだが、必ずしもそのようにならない政治経済的な問題がある。

いわゆる外科手術の強い領域や放射線科治療の弱い領域ではそうなるだろう。

まあ、循環器の伸びが著しい分野や地域もあれば、同じ領域で放射線科が地道なのもあるそうで、その辺は企業の売り込み方次第だろう。

ライブや懇切丁寧な説明で、富裕層のみを虜にする医療もあるいは出てくるかもしれない。

ま、難しいから僕ちゃんわからないWWW

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