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百寿者こぼれ話

からだコラム

[百寿者こぼれ話]「病気防ぐ遺伝子」とは

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 寿命を決めるのは遺伝でしょうか、環境でしょうか。デンマークの研究者は、一卵性双生児(遺伝的には全く同じ)と二卵性双生児(半分同じ)の亡くなった年齢の関係を調べて、寿命に関する遺伝の関与は20~30%と報告しました。ただ、100歳まで生きる人では、遺伝の影響はもっと強いと主張する研究者もいます。

 ヒトのゲノム(全遺伝情報)が解読されて、個人個人の遺伝情報は0・3%程度異なることが分かってきました。ヒトの遺伝情報は30億個の塩基の配列で決まっているので、数にすると1000万個くらいの塩基が違うことになります。

 こうした遺伝情報の違いを、百寿者と若年者で比較して、どんな遺伝子が長寿に関連しているのかを調べる研究が世界中で行われています。2009年に米国で開かれた長寿科学の研究会では、四つのグループが発表を行い、長寿に関連する共通の遺伝子が見つかりました。今まで長寿との関係は知られていなかった、ADARというたんぱく質の遺伝子でした。

 110歳以上の超百寿者のゲノムを解読して、超長寿に関連する非常にまれで、作用の強い遺伝子を見つけようという研究も行われています。昨年の段階で、米国で2人、ドイツで10人、日本で24人の計36人の解析が行われましたが、残念ながらこうした長寿遺伝子は見つかっていません。

 色々な病気を引き起こす遺伝子(危険因子)を持つ頻度は、長寿者と若年者で変わりません。とすると、長寿者は、病気になりそうになっても、それを防ぐ防御的な遺伝子を持っているのではないかと想像されます。

 どうなるか、今後数年で研究結果が出ると思いますので注目してください。(広瀬信義・慶応大特別招聘しょうへい教授)

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