文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

yomiDr.記事アーカイブ

夏風邪 のどとお腹で違う対処法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 夏の甲子園も、いよいよ佳境です。今年は、どこが優勝するのでしょう。学生たちの夏休みも、残すところあとわずかですね。真っ黒に日焼けした子供たちも、そろそろ、夏休みの宿題のでき具合が、気になるころです。皆さんの夏は、いかがですか。

 まだまだ暑い日が続く中、わたしのクリニックには、「夏風邪」の患者さんが増えています。「夏風邪」には、「のどの風邪」と「おなかの風邪」があります。

のどの風邪対策

 のどの風邪の原因は、冷房や扇風機です。クーラーの利いた部屋で寝てしまった、扇風機に当たりすぎた、など暑さをしのぐために使っている冷房や扇風機で、体調を崩してしまったケースが多いようです。

 冬の風邪は、高熱と咽頭痛で始まり、関節痛や全身倦怠けんたい感へと症状が進んでいきます。これに比べ、のどの風邪は最初、軽いだるさや微熱で始まり、のどの痛みやせきが長引いて、なかなか治らないと、のどの症状を訴えて受診されます。声がかれてしまうため、電話で会話が難しい、咳のし過ぎで胸が痛む、体力を消耗し、疲れきってしまった、という方もおいでです。

 こんな症状の場合、西洋医学では、総合感冒薬と咳止めをお出しするところです。漢方医学では、咳を軽くすることも大切ですが、体力を回復させることも必要と考えます。「竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)」を処方します。

お腹の風邪対策

 お腹の風邪の原因は、冷たいものを食べたり、からだを冷やしたりしたことです。冷房の利いた部屋に入るとお腹が痛くなる、かき氷を食べると下痢をする、などの症状でお見えになります。消化不良が続くために、徐々に体力が低下してしまい、体全体がだるく、仕事を休んでしまう方もいらっしゃいます。

 こんな症状の場合、西洋医学では、下痢止めと整腸剤をお出しするところですが、漢方医学では、胃腸の状態を整えることも必要と考え、「啓脾湯(けいひとう)」を処方します。

 夏もあと僅かです。夏の体調管理、どうか怠りなくお過ごしください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

いのちに優しく いまづ医師漢方ブログの一覧を見る

3件 のコメント

役に立ちました。ありがとうございます。

ウチダ

漢方薬の処方役に立ちます。ありがとうございます。

漢方薬の処方役に立ちます。ありがとうございます。

違反報告

風邪は万病のもとです がな

埼玉のシニア

夏風邪はほんとに困りものです。私の風邪対処方法を先生に診断を仰ぎたいのですが、私は年中7分袖の下着を着用し二の腕を外気に触れさせないで生活してい...

夏風邪はほんとに困りものです。
私の風邪対処方法を先生に診断を仰ぎたいのですが、私は年中7分袖の下着を着用し二の腕を外気に触れさせないで生活しています。

クーラーの下では特に快適で、もう半袖やティシャツでは生活できませんし、風邪も防止できます。又

秋と冬にはカシミアベストですね、これは肩から入る寒気を防御してくれますし、暖かく絶対です。良くアクリル混のベストがありますが、熱を逃がしますのでよくありません。

結構気を使い生活を充実していますが、これは76を過ぎた年寄りには重要な事で、万病の元は風邪からと親におそわってきたためです。

そしてそれでも風邪かなと思ったら、葛根湯エキス入り漢方薬とハリーゴールドとか言う液材です。直ぐ良くなります。

つづきを読む

違反報告

風邪の問診 脱水 経過観察とその後 

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉教授

風邪ってなかなか判断が難しいですね。もっと怖い病気の前兆としばしば症状が重なっていますので。上気道炎や種々の腸炎を外すために食べ物や内服薬などの...

風邪ってなかなか判断が難しいですね。
もっと怖い病気の前兆としばしば症状が重なっていますので。
上気道炎や種々の腸炎を外すために食べ物や内服薬などの問診は重要ですね。
そういう理由で、僕は薬の処方は少なめで経過観察重視です。
(勿論、学校や仕事との兼ね合いでは処方しますが、薬の効果の説明で念押しはします。)

また、上気道炎だけではなく、脱水症状もたまにありますね。
外は酷暑、中は冷房と脱水を進行させる要素に満ちています。
喉の違和感なのか、脱水なのか、自覚症状としてはそんなに差はないと思います。

感冒って面白いもので、複合症状ですよね。
原因になる微生物の問題なのか、個々人の体質や弱点、生活習慣の問題なのかわかりませんが、どちらもあり得ますし、「栄養と睡眠が一番の薬だ」と説明します。
(そういう意味では、僕の診方は今津先生のそれに近いかもしれません。)

逆に言えば、それで手を付けられないものが「風邪でない」状況だと推測されるので、その辺が高度医療機関受診への目安になるかもしれません。
勿論、土日は人員も少ないですから、曜日や週によって多少対応が変わるのはやむを得ないところです。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

最新記事