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[百寿者こぼれ話]老化に伴う慢性炎症

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 老化すると、「炎症反応」が進んでいきます。

 炎症は、生体の防御反応です。体の中に細菌やウイルスなどの異物が入ると、リンパ球などの免疫を担当する細胞がこれを排除しようと、異物が侵入したところに集まります。免疫細胞は活性化されて増殖し、異物をやっつけます。さらに、免疫細胞は細菌などにより破壊された組織を分解して、元のように修復します。これら一連の反応が炎症です。

 免疫細胞の増殖や活性化は、サイトカインやケモカインと呼ばれる物質によって引き起こされます。炎症を抑える働きをする物質もあります。炎症を引き起こしたり、抑制したりする物質が順番に登場して炎症反応が起こり、やがて収束します。しかし、炎症が長く続くこともあります。慢性炎症といい、動脈硬化や糖尿病、認知症などの原因になることが報告されています。

 炎症は、異物の侵入時ばかりでなく、体内の細胞が傷つけられた時にも起こります。動脈硬化は、コレステロールなどで血管の細胞が傷つくことにより炎症が引き起こされます。また、肥満では脂肪組織で慢性炎症が起こり、糖尿病や動脈硬化の一因となっていると言われています。

 老化でも、慢性炎症が起きていることが分かってきました。老化に伴い、CRPという炎症反応を表す指標が高くなります。また、炎症を引き起こすサイトカインも上昇します。炎症反応が進むことがフレイル(低栄養、筋肉量減少など)につながる――。そんな可能性が指摘されています。

 ならば、炎症反応を抑えれば、フレイルは抑制できるのでしょうか? 

 検討が必要ですが、私は十分ありうると考えています。(広瀬信義・慶応大特別招聘しょうへい教授)

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