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宋美玄のママライフ実況中継

コラム

救急受診の4割が「安定期」…妊婦の旅行に警鐘

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うどん屋さんで並ぶ娘

 暑い日が続いて娘の首の後ろに汗疹あせもができてしまったので、美容院で髪を切ってもらいました。娘は髪が少ない上に伸びるのが遅いので、今まで適当に私が切っていましたが、さすがにザンバラで保育園のお友達との違いがめだっていたため、これを機にちゃんとプロに切ってもらいました。プロにより、ボーイッシュな感じでかわいくなりました。

 先日ネットで話題になっていた報道です。

妊婦の旅行「安定期」でも注意
沖縄の病院 10年まとめ…救急受診300人中、4割

 沖縄本島を旅行中に体調が急変し、現地で救急受診した妊婦が過去10年間に少なくとも約300人おり、11人はそのまま出産していたことが、沖縄県立中部病院(同県うるま市)のまとめでわかった。

 早産の赤ちゃんが半年近く入院したケースもあった。近年、妊娠中の旅行を「マタ旅」(マタニティー=「妊婦の」の英語)と名付けて旅行を勧めるプランが増えているが、一定のリスクがあることが浮き彫りになった。

 同病院は、沖縄県内に2か所ある総合周産期母子医療センターの一つ。調査によると、2004~13年の10年間、観光や妊婦自身の結婚式などで県外から旅行中の妊婦288人を救急患者として受け入れた。このうち約4割は、いわゆる妊娠「安定期」だった。

 受診の結果、74人が入院し、そのまま同病院で11人が出産。3人は妊娠5~6か月の妊婦で死産、残り8人中7人が早産だった。病院に向かうタクシー車内での出産もあった。早産の赤ちゃん全員がNICU(新生児集中治療室)で治療を受け、入院期間は23~151日間だった。

 同病院産科の中沢毅医師は「旅先の出産は経済的・精神的な負担が大きいことや、妊娠中のどの時期でも予期せぬ急変が起こりうることを知ってほしい」と話している。

(2014年7月24日 読売新聞)

1分後に何が起こるか分からないのが妊娠

 沖縄県立中部病院のまとめによれば、過去10年間に少なくとも288人の「マタ旅」妊婦が受診し、そのうち4割はいわゆる「安定期」(おそらく胎盤が完成する5ヶ月以降を指している言葉)で、74人が入院し、11人が旅先である沖縄で出産したという報道です。11人のうち、10人は死産か早産で、早産の赤ちゃん全員がNICUに入院したとのことです。

 妊娠中の旅行については以前にも「『マタ旅』ブーム…リスク覚悟してほどほどに」という記事を書いて大きな反響をいただきました。「安定期」という言葉は医学用語ではなく、どのような時期でも1分後には何が起こるか分からないのが妊娠であるということを書きました。だからといって、妊娠中はかかりつけ医のいる地域から出るべきではないとは私は思いませんが、「安定期だから何も起こらないはず」「もしも何か起こりそうな場合は妊婦健診で予見してもらえるはず」というのは大きな誤解です。

出産後に夫婦だけで旅行するほうが…

 マタニティー雑誌や雑誌のマタニティー特集の「妊娠中にやっておくべきこと」というコーナーには必ず「子どもが生まれる前に夫と二人の旅行を」などと書いてあり、すでに「儀式化」しているという声もありますが、「マタ旅」が慣習化するくらいなら欧米のように出産後に夫婦だけで旅行をすることが一般化する方がましなのではないかと思います。

 ディズニー映画「わんわん物語」では、小さな赤ちゃんと愛犬をおばさんに預けて夫婦で旅行している間に(期間は「few days」とのことでした)、部屋に一人で寝かされた赤ちゃんがラットに襲われるというシーンがあり驚いたのですが、国際結婚をしてイギリス在住の友人によれば、欧米では出産後の夫婦だけの旅行が非常にポピュラーだそうです。日本のように「産んでしまったら何も出来ない」「子供を預けて夫婦だけで出かけるなどとんでもない」という風潮のしわ寄せが、胎児にリスクを負わせて地域医療に負担をかける「マタ旅」という落としどころになっているのかも知れません。

自分の選んだ行動、後悔することのないように

 実際にはなんのトラブルもなく旅行を終える妊婦がほとんどでしょうし、理想を言えば妊婦が日本中どこでも緊急時に迅速に医療を受けられるのがいいのでしょうが、そこまで医療資源は潤沢ではありません。そこまでの医療体制を作るのが可能だとしても国民全員が負担すべきコストは非常に高くなるでしょう。

 一方で、沖縄など観光を重要な産業とする地域にすむ人からすれば、妊婦は来るなとも言えないという部分も当然あるようです。そのあたりは同じ地域でも業種によって意見は違ってくるでしょうが、私が勝手に総合させてもらうと、「安定期だからといって何も起こらないということではないと重々認識する」「無理をしてまで旅行をしない(産休まで休みが取れなかったといって34週以降に旅行を計画する人が多いですが、産休が34週に設定されているのはそれ以降の早産率が高いからです。旅行は全くおすすめしないので旅行のための休みだという認識は改めていただきたいです)」、そして「旅行先ではとにかくたくさんお金を落とし、地域経済に貢献する」ということでいかがでしょうか。

 決して「マタ旅」をおすすめするわけではありませんが、どうしても行きたいなら、赤ちゃんが救命出来る大きさでなく、赤ちゃんの運命が変わらない22週未満をすすめる産科医もいます。ご自分の選んだ行動で後悔することのないよう、よく考えて妊娠期を過ごされることを願います。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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6件 のコメント

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ばんばん

妊娠は病気じゃないんだから甘ったれるな! 病気じゃないんだから健康保険はききません! だけど… 1分後になにがあるか分からないのが妊娠、自分の楽...

妊娠は病気じゃないんだから甘ったれるな!
病気じゃないんだから健康保険はききません!

だけど…

1分後になにがあるか分からないのが妊娠、自分の楽しみも我慢できないのか!
地域医療に迷惑かけるな!

で、無事出産して赤ちゃん連れて公共交通機関を使おうものなら、

うるさい、迷惑、非常識!

ほんとに混乱します。子供が減るのも納得です。
そんなにリスクがあるなら妊娠なんて危なくて出来ないですよね。

日本より訴訟リスクの高いアメリカの妊婦さんがガンガン飛行機移動してるのはなぜですか?
人種が違うからですか?では日系アメリカ人は?
食って掛かってるのではなく、本当に疑問なのです。


根底に、母親になったら一切の楽しみや自分の欲求は捨てるべきって日本的な考えはないですか。
お腹を痛めてこそ、母親だ!といったような。

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私には考えられない。

りら

第二子は切迫早産で長期入院の末の出産でした。なので、妊娠中に旅行、、私は怖くてできないです。早産になりそうな時は絶対に予兆があります。お腹に違和...

第二子は切迫早産で長期入院の末の出産でした。
なので、妊娠中に旅行、、私は怖くてできないです。

早産になりそうな時は絶対に予兆があります。
お腹に違和感があったり(ちょっとくだしぎみかな、と思ったら実は陣痛だったとか、、)腰が重かったり、おりものが多かったり。旅行以前に、日々体調に気をつけ、少しでもおかしいな、と思ったら受診できるようにすべきかと思います。そういう医療体制も整えられる沖縄で入院なり出産になってお子さんが加療の必要があったケースはどれだけ医療費、滞在費が必要だったでしょう?考えるだけでぞっとします。特に本土に搬送、となったら、、費用も付き添い要因も、もし、妊婦さんがストレッチャーのまま搬送となったら航空会社の承認もいりますし、、そもそも肺が未熟な新生児って、しかも低体重の子を飛行機に乗せられるのでしょうか?

あとは、、特に第一子の時は妊婦さん以上に周りの親族や友人がハイになっていて、妊婦さんに無茶振りをすることがあります。特に夫は、今まで妻を独占していたのに、妊娠した途端、妻が急に出不精になった、付き合いが悪くなったと、スネる人も。真面目な妻ほどそれに負い目を感じて無理してしまう。それと、昔は妊婦は働いたもんだ、とプレッシャーをかける我々の親世代。。(特に夫側の親)なので、妊婦さん本人だけでなく、その周りの家族にも「家族学級」みたいな形で保健指導を行政も行っても良いと思います。日程も行政が一方的に決めるのではなく、個々の都合に応じて予約制にして、もっと皆が気軽に保健センターに足を運べるようになったらいいと思います。




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旅行中のコツが知りたい

新米ママ

確かに、まるで呪文のように言われる「産んだら何もできないよ」の言葉が、妊娠中の旅行をさらに魅力的に見せているように思いました。ところで、旅行等、...

確かに、まるで呪文のように言われる「産んだら何もできないよ」の言葉が、妊娠中の旅行をさらに魅力的に見せているように思いました。

ところで、旅行等、産後に子どもと離れることは、たとえば乳腺炎などトラブルを引き起こしたりしないのでしょうか?
私は、子どもが三ヶ月の時に仕事で10時間弱子どもと離れました。
途中で何度か搾乳したのですが、その日の夜に胸がガッチガチになってしまい、その後は子どもと離れるのに怖さを感じてしまいます。

産後に子どもと安心して離れるには、そのあたりのトラブル回避等のコツが分かるとなお良いな、と感じます。
産後の助産師さん等による指導は、基本的に子どもと長い時間離れることを想定していないように思います。

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