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石井苗子の健康術

yomiDr.記事アーカイブ

女性の活用にしのびよる日本の未来

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(セクハラまがいの発言にイエローカード!)

 女性の活躍「見える化」サイトに、「内閣府では、ご了解をいただいた上場企業について、役員・管理職への女性の登用、仕事と生活の両立推進等に関する情報を、業種別に整理して公表しています」とあり、企業の役員たちは今、そこにある何パーセントという数字をにらみながら、ストレスフルな経営方針を立てているようです。

 実際は、女性を登用しなければならないだけでもストレスなのに、役員・管理職への女性の登用に加えて、「仕事と生活の両立推進」まで出来ないというのが本音のようです。両立は、「それぞれがやってください」が現実です。ですから、独身女性の管理職が多くなる。

 65歳以上の定年退職した女性を管理職として復帰させるという考えは、そこにはないようです。

 先日、内閣府、経済産業省、厚生労働省、検察庁、新聞社、テレビ局の役員たちが集まる小会合に出席してきました。私以外は男性の役員たちばかり。ゲストに若い女性キャスター兼女優の方が招かれ、話題が「女性の活用」になると男性たちの方がよく発言するのには驚きました。

「独身美人役員」には腰が引ける?

 職場の女性について話すうち、どこかの「ヤジ」に似た発言をする人まで出てくる。「今のはセクハラ!」と注意されると、ゲストに向かって「あなたはどうして結婚しないの?」。これはレッドカード! 結局、興味はそこかと思って聞いていると、ゲストから、「教育費が高いこと、低所得同士のカップルに女性が仕事を辞めて子育ては経済的に無理なこと」の答えに、「あ~だから若いうちは同せいするのか」とまたイエローカード。「僕の知り合いに美人で頭がよくて、役員で高給取りがいるけど未婚なんだよね。きっと男の方が恐れをなしちゃうんじゃないかな」という誰かのセクハラすれすれの発言に、「役職や収入が先に気になりますか?」と質問すると、「そりゃそうよ、しかも美人だと」と、もう何色カードなのか分からなくなるような発言まで。

働きたいならお手伝いさんを雇えばいいのに

 男性の出席者は、それぞれ役職が高く社会的影響力があり、妻はおそらく専業主婦で、子どもはエリート学校に通っているのでしょう。「男女雇用機会均等法による女性の地位向上より、男性の年収を上げる方が先だ。しかも、どうしても働きたいならそれでもいいけれど、女性が子育てしやすい環境まで考えてあげるのは、『いたれりつくせり政策』だ。だったらお手伝いさんを雇いなさい」というのが大方の意見でした。新聞社は相当数の女性記者がいるけれど、危ない地域に派遣されているのは、離婚経験者か独身が多いとおっしゃるので、「夫が日本で育児をしてあげられないのか?」と言うと、大笑いが返ってきました。

 また「女性警察官は、拳銃を力ずくで奪われる危険があるので、配置について選択できるというわけにはいかないとか、仕事も子育てもやりたいなら、20代のうちに結婚をしてほしい。『20代は仕事に夢中でした』という女性が30歳を過ぎると今度は、『結婚したい心境になりました』となり、結婚を諦めた50代の独身女性が役員になると、職場がやりにくくなる」など、盛んに意見を言う男性の心境はどこにあるのでしょう。

何を優先すれば

 厚生労働省のお役人に、「女性の活用、少子化対策、高齢者に適した医療。どれを優先します?」と質問すると、「ひとつ優遇するとどれかが犠牲になる。ストレスですね~」というお答えでした。

 また、私が予防保健学を専攻したと言うと、「医療で延命をし、もうけようとする閉鎖的な医者の世界と政治家の癒着がまだある」とのご意見が。

 帰り道の日比谷公園前の信号待ちで、「ここに大きな保育園を作って女性社員は1日に3時間子どもに会いにいってもいいなんて政策はありえないだろうな……」と思いました。

 社会が豊かになれば国民が豊かになるというのではなくて、個人が豊かになりさえすればいいというのは、格差を広げる考え方であり、若い女性にだけ結婚、子育て、仕事と生活の両立を求めるのでは今後の発展はないだろうなと感じました。

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石井苗子さん顔87

石井苗子(いしい・みつこ)

誕生日: 1954年2月25日

出身地: 東京都

職業:女優・ヘルスケアカウンセラー

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4件 のコメント

首相様、しっかりしてください。

埼玉のシニア

石井先生は提案内容が多岐にわたり、どうしてこうも興味のそそる話題を提供できるのか、実に不思議。話題提供取り巻きが居るのでしょうが、、、。恨めしい...

石井先生は提案内容が多岐にわたり、どうしてこうも興味のそそる話題を提供できるのか、実に不思議。話題提供取り巻きが居るのでしょうが、、、。恨めしい。

今回の事は、安部首相の発言から端を発したようですが、首相のその発言の真意がわかりません。単に次の選挙で多くの女性票を集めたいためにジェスチャーとして発言したとしかとれません。

物に取り組む場合、多くの事例がありますが大切なことはその問題をどの観点から先ず取り組むのか、ということになります。人により違いますが、まずは情報を集め分析することから始まります。多くの人間関係があればある程ニュースを集積できますが、この時、男性と女性では毎日の積み重ね量が違い、男性のほうがはるかに目的まで早く到達出来ると信じています。

首相の発言は男性不要論でしかなく、根本的に国の発展にどんな道筋で事に当たるかを考えない、美辞麗句の発言でしかないと、残念でなりません。
しかし、美しい日本、の発言でわかる様に、抽象論より具体論をもっともっと、もっと投げかける首相で有ってもらいたいのです。

内閣府にもっと女性の登用を考え、官房長官に女性を登用し、キリットした発言と態度で事にあたらせてから、今回の発言をしましょうよ。

先ず女性登用ありき、では何の問題解決にはなりません。首相様、しっかりしてください。

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男女それぞれの身体特性を認識すべき

ドニー

例えば戦場.重機を扱い,運びそして行動する時,女性では限界があるでしょう.では現代社会において,確かに女性が現場に戻ったり,また,受け入れるハー...

例えば戦場.重機を扱い,運びそして行動する時,女性では限界があるでしょう.では現代社会において,確かに女性が現場に戻ったり,また,受け入れるハードルが下がり就職し易い環境を整備することは確かに有用と考えます.
 ですが,男女の身体的な特性をみると男に適するもの,また,女に適する業種がおのずと分けられます.そして.女性には出産という種の継続に最も重要なことが求められます.医学が進歩したとはいえ,高齢出産のリスクが高いことは事実だという前提を忘れてはならないのではないでしょうか.
 現在,女性の結婚年齢は30歳を超え,また出産する数も平均1.5人にも届かなくなっているようです.それらは当然,個人の意思によるもので他人が干渉すべきものではありませんが,この日本から子供が減少するということの終着は民族が滅びるということ,言いすぎだとは思えません.
 高齢者のタンス預金額がいまや100~200兆円という現実と,若い世代の就職難と共稼ぎが余儀のない現実をみると少子化の要因が理解できます.朝夕,若い母親が保育園の送迎に炎天下頑張っている光景を見ますと,これも立派なお仕事とエールを送ってしまいます.
 子育てに少し余裕ができたなら,適切な仕事に従事し,たとえ短時間であっても心身ともに楽しく子育てとの両立を図ってゆける社会にして欲しいものです.
 最後に,キャリアウーマンのように男性とも同等に能力ある存在はわかりますが,冒頭に述べましたように,身体的な特性に合う職業があることを前提に選択すべきでしょう.

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フレーフレー石井さん

たかみけ

零細企業の総務部です。若い男性社員に育休を取得してほしい、退職せずに女性社員に子育てと仕事を両立させてほしい。介護退職を避けたい。頑張ってます。...

零細企業の総務部です。
若い男性社員に育休を取得してほしい、退職せずに女性社員に子育てと仕事を両立させてほしい。
介護退職を避けたい。
頑張ってます。石井さんのような方がいるから、もっと頑張ります。
役人が変わらなければ、何も変わりません。

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