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骨盤臓器脱(下)メッシュで支える手術主流

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骨盤臓器脱の手術では、筋肉などの緩みによって下がってきた臓器を支えられるよう、メッシュを入れる手法が主流となっている

 骨盤の内側にある筋肉や靱帯じんたいが緩んで臓器がちつから体外に出てしまう骨盤臓器脱では、MRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピューター断層撮影)による検査で、体内の様子を調べます。尿漏れや尿の出にくさも症状の軽重を知る参考になります。

 初期であれば、筋肉を鍛える体操を毎日行うことで進行を抑えられます。あおむけや立った状態で、お尻や両足の付け根に力を入れて筋肉を緊張させるイメージです。外出時は、臓器の脱出を抑えるサポート下着などを使ってください。

 症状が進んでしまった場合は手術で治療します。主流は、合成繊維の網状の布(メッシュ)を骨盤内に入れ、ハンモックのように臓器を支える手法です。

 メッシュは通常、膣を5センチほど切開して骨盤内に挿入します。1時間~1時間半ですむので、高齢者にも負担が軽くてすみます。下腹部に開けた小さな穴から器具を差し込み行う腹腔ふくくう鏡手術もありますが、こちらは3~4時間かかります。

 再発が少ない有効な治療法で健康保険が使えますが、慣れが必要なため実施できる医療施設は限られます。診断を受けた泌尿器科や産婦人科に相談しましょう。

 骨盤臓器脱は、生活の質に大きく関わる病気です。予防のため、長時間の立ち仕事や重いものを持つことを避け、太りすぎないよう、日頃から心がけて下さい。(講師は、梅田ガーデンシティ女性クリニックの竹山政美医師)

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