文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

オトコのコト 医師・小堀善友ブログ

妊娠・育児・性の悩み

オトコに多い尿路結石、その原因は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 前回に続き、尿路結石について書きます。

 国内の患者数に関する直近の集計によると、男女比は2.4対1と男性に多く、男女合わせた患者数は、1965年と比較して3倍に増えてきています。生涯の患率は、男性は7人に1人、女性でも15人に1人と言われており、人ごとではありません。なぜ近年、尿路結石は増えているのでしょうか?

 原因として、(1)食生活や生活様式の欧米化(2)診断技術の向上(CTや検診などで偶然見つかる場合も多い)(3)人口の高齢化――などがあげられます。

 結石の成分は、カルシウム結石が90%以上を占めています。特に男性では、尿中における結石関連物質(尿酸、シュウ酸、カルシウム)は肥満のある尿路結石患者に高くなる傾向にあります。逆に、結石を作りづらくする尿中のクエン酸は肥満者では低くなります。

 尿路結石は生活習慣病と合併しやすいことでも知られています。高血圧症には21.7%、糖尿病には9.8%、高脂血症には14.1%と高率に合併していることがわかっています。

 尿路結石は数ミリの小さなものでも激痛を起こします。また、偶然検査で見つかった症状がない結石でも10ミリを超えるようなものでは治療が必要となる場合が多いです。小さいものは自然排石を期待し、大きいものは何らかの外科的治療が必要になる場合がありますが、約半数の方が再発を起こします。つまり、再発予防は非常に重要と考えられています。結石は成分によりいくつかの種類がありますが、中でも、尿酸結石とシスチン結石は適切な薬剤投与にて再発予防ができます。

 尿路結石は気候、食生活、職業、性差、尿路奇形、年齢、ストレス、遺伝などの要因が複雑に重なり合って発症する多因子疾患です。残念ながら尿路結石の原因はまだ完全には解明されていません。しかし、近年の研究結果から、尿路結石と動脈硬化の発症には極めて類似点が多く、「尿路結石はメタボリックシンドロームの結果、発症する生活習慣病の一疾患である」との概念も提唱されてきています。

 肥満と結石関連物質と尿の成分は関連があります。また、生活習慣病の予防と尿路結石の予防法はほぼ共通しています。尿路結石症は、高血圧や糖尿病、高脂血症の発症時期より若い年齢で発症する場合が多いです。それゆえ、尿路結石にかかってしまった人は、将来の生活習慣病予備軍とも考えられるのです。

 尿路結石は、単に痛いだけの病気ではありません。生活習慣病の一環と考え、日頃の生活管理に取り組んでいただければと考えます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

オトコのコト_小堀善友顔120px20150821

小堀善友 (こぼり よしとも)

泌尿器科医 埼玉県生まれ

2001年金沢大学医学部卒、09年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務。14年9月から米国イリノイ大学シカゴ校に招請研究員として留学。専門分野は男性不妊症、勃起・射精障害、性感染症。詳しくはこちら
主な著書は『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)。詳細はこちら

オトコのコト 医師・小堀善友ブログの一覧を見る

1件 のコメント

生活習慣病は男に多いと言うことか

めざめたじいさん

 幸いなことにまだ尿路結石になったことはない。自然に流れたのかも知れないが・・・。 母が胆石になって倒れたときのことを思い出すとぞっとする。痛さ...

 幸いなことにまだ尿路結石になったことはない。自然に流れたのかも知れないが・・・。

 母が胆石になって倒れたときのことを思い出すとぞっとする。痛さを堪えて脂汗が流れたいた。

 若い頃は糖尿病の限界型と言われ、高脂血症の数値はまだ高い。

 尿路結石の罹患率が男1/7に対し、女1/15とは2倍近い男の病気と言えそうだ。

 女性の方が尿道が短いので、自然に流れると言うことは考えられないだろうか。食の欧米化は男女とも同じだし、最近の女性はアルコールも男と対等に飲む。甘い物にかけは女性の方が断然に多いと思うが。

 生活習慣病にならないように、毎日一所懸命歩き、食事にも気をつけている。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

最新記事