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上咽頭がんと闘う歌手・和田光司さん(2)再発続き、気力失った

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「今の声のほうが好き」と和田さん

 ――3年間の闘病生活でしたね。

 「手術をして、抗がん剤や放射線治療をして、4か月間入院しました。その後は自宅から通院を続けた。抗がん剤では気持ち悪くなるし、放射線で喉が焼けて一時は声が出なくなった。それどころか、1か月半の治療期間中、喉が痛くて水も飲めなくなりました。唾液も出なくなった」


 ――喉に影響が出たのですね。

 「2006年に復帰してからは、喉ががらがらするし、唾液が出ないから歌いづらい。音もキーをかなり下げないと声が出ず、そこまで下げると歌の印象ががらっと変わってしまう。CDを出さないか、と会社に言われたが、断りました」


 ――当時、声が変わったという指摘もありました。

 「でも、僕は今の声の方が好きなんですよ。治療で痛めたあとの、ちょっとがらっとした声の方が、自分が好きな声に近づいている。もちろん初期の僕の歌を聴いて好きになってくれた人からは、『あの時の声じゃない』と言われる。でも、災い転じて、じゃないですけれど、僕としては、自分にとって理想の声を得られたという思いがある」


 ――復帰後は、海外でも積極的にライブを行うなど、活動の幅も広がりました。

 「07年にブラジルに初めて行ってから、10回近く行っているかな。中南米が多いです。アニソンが人気とうわさには聞いていたけれど、正直、ちょっと大袈裟げさな話ではないかと思っていた。そうしたら地球の反対側のブラジルに、本当に万単位のお客さんがいて、驚いた。日本でこんなこと、ないじゃないですか。そしてそのお客さんが日本語で僕の歌を一緒に歌ってくれる。感動しました」

 
海外のファンが送ってくれた、励ましの寄せ書き

 ――ところが、11年に再発します。

 「03年に手術を終えて退院してから、もう8年たっているわけです。3か月に1回検査に行っていましたが、5年生存率の5年を超えて、医者にも『もう大丈夫、完治だよ』と言われた3日後に再発が見つかった。ショックでした」

 「再発したがんは、胸の奥の縦隔という場所にありました。手術は出来ない状態で、放射線と抗がん剤治療を2週間受けて2週間休んでの闘病生活が続きました。12年にいったん治療が終了しましたが、その3か月後に肺に再発。しつこく出ますね。ようやく退院したのが13年2月です」


 ――歌手復帰は考えましたか。

 「興味すらもっていませんでした。このまま引退してもいいくらいに思っていた。今思えば、歌う気力を失っていたんでしょうね」(続く)

和田光司(わだ・こうじ)さん

 1974年1月29日生まれ。京都府出身。8月29日に「アニメロサマーライブ2014」(さいたまスーパーアリーナ)に出演する。10月11日には下北沢GARDENでソロライブも。詳細は公式サイト:http://solidvox.jp/index.html


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