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百寿者こぼれ話

からだコラム

[百寿者こぼれ話]介護負担 比較的軽いけれど

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 以前、慶応看護短大(当時)の西川佳之子さん、原田佳子さん、藤森順子さんと一緒に、80歳代の高齢者と百寿者の、それぞれを介護している家族の介護疲労の度合いを比べたことがあります。

 介護している人の平均年齢は80歳代が55歳、百寿者が65歳でしたが、百寿者の介護の方が疲労が少ないという驚きの結果でした。これを私どもでは、サクセスフルエイジング(幸せな年の取り方)をまねて、「サクセスフルケア」と名付けました(残念ながら誰も使ってくれませんが)。介護者の続き柄、つまり実の子供さんでもお嫁さんでも、介護の負担度は変わりませんでした。

 意見を伺うと、「百寿者から色々と教えてもらっている」「百寿者の反応(感謝や喜んでもらえることなど)に達成感を覚える」などの回答がありました。介護は決して一方的なものでなく、介護する人もされる人も互いに影響を及ぼし合っています。介護負担は、双方のコミュニケーションの問題も関係していると思います。これは興味深い結論でした。

 百寿者のご家族からは時々、「あと何年、介護を続けることになるんでしょうか」と尋ねられることがあります。返事に困る質問ですが、「男女ともに最長寿は116歳です」とお答えしています。介護で大変なのは、先の見えないことだと思います。

 ある家族から、「新聞や雑誌で見ると百寿者の方は元気で幸せな方ばかりだが、うちの百寿者は元気でも幸せそうでもない。これは私の介護や接し方が悪いためなのでしょうか」と相談を受けたことがあります。統計的には、百寿者の介護は確かに負担度が比較的低いのですが、個別の介護ではやはり、大変な苦労があるのだと思っています。(広瀬信義・慶応大特別招聘しょうへい教授)

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