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植物オイルで…蚊よ さらば
化学薬品苦手な人向け、自然の香り
夏の注意事項の一つが蚊に刺されないこと。敏感肌や香りが苦手などの理由から、化学薬品が主成分の虫よけスプレーなどは苦手という人もいるだろう。蚊が嫌うとされる植物を主原料とする、天然素材由来のボディースプレーなどもある。
■虫嫌う成分
医薬品会社などが製造販売する虫よけスプレーは、医薬品や医薬部外品が大半だ。蚊を寄せ付けない化学成分が配合されている。
一方、アロマセラピーや食品添加物としても用いられる植物のエッセンシャルオイル(精油)を主原料とした商品には、蚊が嫌うとされる香りの成分を含んだものもある。これらは化粧品や食品に分類されるが、アロマセラピーの普及や調査研究を行う「日本アロマ環境協会」(東京)によると、「ユーカリやレモングラスなどの精油の成分には、蚊などの虫が嫌う効果があるとの研究結果がある」という。
また、「なおこ皮膚科クリニック」(同)の服部尚子医師は「蚊が嫌う香りの代表はシトロネラや、レモンユーカリ(ユーカリ・シトリオドラ)。レモンユーカリの主要成分には蚊や山ヒルのような吸血動物を寄せ付けない作用があります」と話す。
■イネ科のシトロネラ
精油を利用した商品は、人間にとっては自然な香りとして人気だ。商品の多くに使われているシトロネラはイネ科の植物で、蚊が嫌がるとされるゲラニオールという香りの成分を多く含んでいる。また、レモンユーカリやレモングラスなどの精油も使われる。
アロマ用品専門店「生活の木」(東京)の「サマーボディースプレー」は、シトロネラやレモンユーカリなどの精油を配合したスプレー。アロマキャンドルもあり、こちらは室内やベランダでたいて使う。
オーガニック関連商品を製造販売する「たかくら新産業」(同)は、シトロネラやユーカリなどの精油を配合したボトルをコンセントに差して使う「プラグアロマ バズオフリキッド」を販売している。
■ハッカも使用
清涼感ある香りのハッカを使った商品も多い。「ナチュラルアイランド」(札幌市)が今年発売した日焼け止め「夏の肌守り。」は、アイヌ民族が虫よけに使っていたとされる和種ハッカを主成分に、レモングラスなどを配合している。
「北見ハッカ通商」(北海道北見市)の「ハッカ油スプレー」も和種ハッカの葉から抽出した精油を用いたロングセラー商品だ。
これらの商品は、「安心で安全」「ナチュラル」との印象だが、注意点もある。服部医師は「有効成分の濃度がある程度維持されていれば効果はある。だが、植物由来の成分でアレルギー反応を起こすこともあり、自然界のものがすべての人に安全とは限らない。自分に合うか試すことが必要」とアドバイスする。
ボディースプレー 簡単に自作可能
生活の木で、ボディースプレーの簡単な作り方を教わった。
50ミリ・リットルのスプレー容器を用意する。容器に無水エタノールか、アルコールが苦手な人はグリセリンを5ミリ・リットル、好みの精油を5~10滴、精製水を45ミリ・リットル入れて、よく混ぜれば完成だ。敏感肌の人は精油5滴程度でも。空間用スプレーに使うなら、精油の量を増やしてもいい。(上原三和)
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