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街かどデイハウス…第2の我が家ほっこり

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和服をリフォームする利用者らと歓談する(後列左から)商さん、今村さん、山本さん(大阪府豊中市のシルバーデイハウスあさひで)=伊東広路撮影

 地域のボランティア団体が民家を使い、高齢者に日中を楽しく過ごせる居場所を提供する「街かどデイハウス」。大がかりな施設ではなくても、アットホームな雰囲気で、介護の必要なく元気に長生きしてもらう目的で開設されたハウスをシニア3人が訪ねた。

 大阪市旭区のしょう智明さん(73)、大阪府高槻市の今村勝子さんと山本光子さん(ともに69歳)。訪れたのは制度発祥の地とされる同府豊中市にある「シルバーデイハウスあさひ」で、代表の杉村久実子さん(67)が迎えてくれた。

 築70年の木造2階建て民家を約3年前から借り、家賃10万円と光熱費は市の補助を受けている。毎週火、水、木曜の朝から夕方までスタッフが詰め、手作りの食事が出されるほか、カラオケ、ヨガ、麻雀マージャンなどの日替わりメニューを用意。介護保険の要介護認定で自立と判定された人が自由に出入りし、健康チェックや体操などもできる。利用料は1日500円(昼食は別に350円)と安価だ。

 この日午後は和服リフォームの時間とあって、約10人の女性が講師の指導でバッグや小物作りに励んでいた。今村さんと山本さんは、型紙に合わせて古着を裁断したり、ミシンで縫ったりしていた女性たちに「今までどんな作品を作りましたか」などと質問。仕上がった服を試着させてもらって歓声を上げた。

 週に1度は高齢者施設を慰問し、懐メロや唱歌をピアノ伴奏で一緒に歌うという商さんは、室内に飾られたつるしびなの丁寧な細工に感心した様子。杉村さんは「お孫さんの成長を祈って1年以上かけて作った作品です。これが生きがいと作る方は他にも多いですね」と説明した。

 杉村さんは大学を出て通訳の仕事をした後、夫の任地で社会福祉協議会に勤めたことから、高齢者福祉の道へ。ハウスを運営して17年になる。「3年前に大阪府の補助金がなくなり、豊中市で九つあったハウスは一つ減りました。スタッフの報酬もわずかですが、来所されるお年寄りの笑顔を励みに頑張っています」と話した。(石塚直人)


創作ノートすてき

 商さん「自分のボランティア体験からもデイハウスの持つ意義は理解できます。統廃合された学校を使うなど、大阪市も含めもっと普及してほしい」

 今村さん「10年近くも丁寧な創作ノートをつけている方がおられました。今後の人生にすてきな手本を見せていただいたと感謝しています」

 山本さん「講師の方の『私も(生徒さんに)学んでます』の言葉に感銘を受けました。試着した生地は肌触りがよく、つるしびなもいい思い出です」

介護予防施策

 「街かどデイハウス」の前身は豊中市が1994年に制度化した「シルバーデイハウス」。特別養護老人ホームの利用を拒否された認知症患者の家族らが自宅で始めた介護を支援した。これを大阪府が改称して採用。2000年に介護保険制度が導入されると、要支援の対象にならない元気な高齢者の介護予防の施策に切り替えられた。

 府が費用の4分の3を補助していたが、財政再建を理由に11年に打ち切られた。07年に府内で160あったものの今年3月現在、101か所。豊中市の連絡会会長の末信武夫さん(74)は「デイハウスを充実させれば要支援・要介護の高齢者の増加を食い止められる」と訴える。

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