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調味料 スプレーがけ…少量で味感じ減塩効果

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仕上げに「スプレー醤油」をワンプッシュ。塩分を抑えられるだけではなく、しょうゆの香ばしさが食欲をそそる

 しょうゆなどの調味料をスプレーで吹きかける味付け方法が注目されている。表面に満遍なく吹きかけることで、少量でも味がしっかり感じられ、塩分摂取を抑える効果も期待できる。スプレー入りの商品や、専用容器も登場している。

 福萬ふくまん醤油しょうゆ(福岡市)は今年2月、丸大豆を使った減塩しょうゆを専用容器に詰めた「スプレー醤油」(80ミリ・リットル入り、648円税込み)を発売した。すし用や無塩などを含め、商品は6種類となった。

 開発のきっかけは、社長の大浜大地さん(33)が2006年、出張先のスペインで、香ばしいしょうゆの香り漂うエビのグリルに出会ったこと。店員に聞くと、霧吹きでしょうゆを吹きかけていた。「ワインがデキャンターで空気に触れて香りが引き出されるのと同じだ」。5年かけて商品化した。

 市販のスプレー容器にしょうゆなどを入れて使ってもいいが、しょうゆなどを入れると目詰まりしがちで、容器の金属部分が腐食しやすい。このため、スプレーしょうゆ専用の容器も出ている。

噴射部分が下にある「少量しかでない醤油ディスペンサー」(貝印提供)

 貝印(東京)は09年、米国のメーカーと共同で「ソイミスター」(3240円税込み)を開発。さらに13年、高齢者でも使いやすいよう、小型・軽量化した「少量しかでない醤油ディスペンサー」(1620円同)も売り出した。

 一方、出版社のアース・スターエンターテイメント(東京)は今年3月、専用容器を付録にした書籍「スプレー醤油で減塩レシピ」(1200円税抜き)を発行した。

 レシピを監修した料理研究家の濱田美里さんによると、スプレーを使えば、しょうゆの量が少ない割に味をしっかり感じられるという。

 例えば、肉じゃがは煮る際に軽く味付けして、器に盛った後にしょうゆを吹きかけることで、塩分を通常の半分に抑えられる。「中までしょうゆがしみていなくても、口に入れた瞬間、しっかり味と香りが感じられる。かけすぎないので、無駄も少なくて経済的です」

 福萬醤油のスプレー醤油も、一吹きがしょうゆ0・1ミリ・リットルで、塩分0・02グラム相当だ。例えば、握りずし1人前にしょうゆを付けて食べた場合、1人当たりの塩分摂取量は、厚生労働省によると約4グラム。それが、この商品ならスプレー10回(塩分0・2グラム)で済むという。

 こうした点が、減塩に取り組む人の間で人気だ。「減塩された食事では味気ないと、ストレスを感じる人もいる。そんな時にスプレーを使い、しょうゆの風味を楽しんでもらえれば」と大浜さんは話す。

 

 他の調味料でも、スプレー式は広がっている。

 「赤穂の天塩あましお」で知られる天塩(東京)は、塩水を霧吹きで吹きかける料亭の方法を参考に、2年前に「京の水塩」(100ミリ・リットル、300円税抜き)として売り出した。少ない塩分で、むらなく味付けできるという。

 昆布の加工品などを商う松前屋(大阪市)も09年から、うまみを加えた「昆布の水塩」(150ミリ・リットル、1080円税込み)など、複数の調味料を取り扱っている。

 貝印は12年から、油や酢を食材に吹き付ける専用容器(3780円税込み)を販売。少量のオリーブ油をサラダに吹きかけるような使い方を提案している。(斉藤保)

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