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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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食中毒予防 手洗いのコツは「水の量」

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 梅雨時になると、食中毒が心配になります。湿気と温度が、細菌やウイルスの増殖を活発にします。みなさんは、食中毒対策をされていますか。食中毒予防の3原則「つけない」「増やさない」「やっつける」を守りましょう。

その1「つけない」

 目に見えない細菌やウイルスが原因となる食中毒は、夏に多く発生します。目に見えないので、知らないうちに口の中へ運んでしまい、体の中で毒素が増え、嘔吐おうとや下痢などの食中毒症状を引き起こします。まずは、手洗いをしっかりと行い、手に細菌やウイルスを「つけない」ように、心がけましょう。

 手を洗うとき、爪や指の間などに注意して洗っていらっしゃる方も多いと思います。そんな慎重派の方に、一言、コツをお教えします。以前、わたしが勤務していた病院で行った手洗い実験でわかったのですが、効率よく手の汚れを落とすには、水の出し方にポイントがありました。水の量です。手を洗うとき、勢いよく水を出し手洗うと、手の汚れが効率よく落ちることがわかりました。

 石けんをつけて念入りに手を洗う時間があるときは、良いのですが、急いでいるときなど、役に立つ方法です。一度、水道の蛇口を思いっきりひねって手を洗ってみてくださいね。

その2「増やさない」

 食品の保存方法は、低温で保存することです。細菌もウイルスも、低温にすると増殖がゆっくりになります。凍らせてしまえば、さらに増殖しづらくなります。マイナス15度以下になると増殖しなくなります。一般家庭の冷蔵庫は1~7度、冷凍庫はマイナス18~22度と言われています。食中毒予防のために、食品を保存するには冷凍庫に保管する必要があります。毎日の生活で活用するのは冷蔵庫の方が多いでしょうが、冷凍庫もうまく使って「増やさない」ように心がけましょう。

 ちなみに冷蔵庫のドアポケットは、比較的温度が高くなりますから、食品を保存するときには、気をつけましょう。

 お弁当作りを担当しているお母さんは、お昼までの間に、細菌やウイルスを増やさないように、注意する必要があります。温かいままで、お弁当に入れないようにすることが大切です。また、梅干しやわさびなどをうまく活用して、細菌の増殖をおさえる工夫も必要です。以前にお話させていただいた「食べ物と付け合わせの効能」 (2014年1月17日「冬の牡蠣、ファストフード多い方に」より)を参考にされてはいかがでしょうか。

その3「やっつける」

 ほとんどの細菌やウイルスは、加熱することで死滅します。不十分な加熱で、食中毒になることもありますから、注意してください。方法は、中心部が75度以上、1分以上加熱することがポイントです。電子レンジをお持ちの方は、うまく活用すると良いでしょう。電子レンジで2分間加熱すると、ほとんどの細菌やウイルスは死滅します。

 ただ、加熱する前に細菌がすでに毒素を作り出してしまっていると、いくら加熱しても食中毒にかかる危険性がありますから気をつけてください。

それでも調子の悪い時は

 食中毒予防の3原則をしっかりと守っていたけれど、何となくおなかの調子がおかしい時、漢方医学の出番です。

 一般に、食中毒の原因によって治療方法は違います。細菌性食中毒は、抗菌剤である抗生物質投与と水分補給が基本です。ウイルス性食中毒は、有効な抗ウイルス薬がほとんどありませんので対症療法となります。また、毒素による症状には、対症療法と点滴などの水分補給が中心になります。

 漢方医学では、症状によって治療方法が決まります。胃痛、吐き気、嘔吐など胃に関係する症状が中心の場合は、胃苓湯(いれいとう)を使います。腹痛、下痢など腸に関係する症状が中心の場合は、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を使います。胃の症状なのか腸の症状なのか、迷ったときは柴苓湯(さいれいとう)を使います。どの漢方薬も抗生物質といっしょに使っても問題がありませんので、併用すると良いでしょう。

 梅雨時の食中毒、予防の3原則をしっかりと守って予防したいものです。うっとうしいこの時期も、どうか、健康で元気にお過ごしくださいますように。

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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3件 のコメント

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 料理教室4年生、頭巾、エプロン、布巾、ハンドタオルが四つ道具。トイレを済ませ、身支度をし、ハンドソープを使って念入りに手を洗う。 自宅のキッチ...

 料理教室4年生、頭巾、エプロン、布巾、ハンドタオルが四つ道具。トイレを済ませ、身支度をし、ハンドソープを使って念入りに手を洗う。
 自宅のキッチンではあまり手を洗わない。まな板の熱湯消毒は日に1回のみ。料理教室のまな板に魚マークがある。肉・魚を切るときと、野菜を切る面を使い分ける。自宅では一緒。何のために教室に通っているのか?

 毎日ハンドソープで手を洗っていると、手荒れが酷くがさがさになる。洗い物にはキッチン手袋を使うが、作るときは素手。

 気を遣うのは布巾、厚手のタオル地、台ぶきんもよく洗ったタオルを使う。布巾は毎日2枚、台ぶきんは4枚、火を通すもの以外は慎重に食材を取り扱う。

 鍋やフライパンは我が家の方が綺麗に使っている。焦げ付きや汚れはその場で磨き上げる。

 でも、目に見えない細菌はどれだけ綺麗になっているのか、心配になってきた。このブログを参考にして、食中毒を防ごうと思う。

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夏が来ると田舎の井戸を思い出す。山間の田畑に囲まれた中にぽつんと有った我が家。

ランプの下の生活、隙間風の入る部屋、冬の吹雪く日は、朝枕元に雪が舞い込んでいた。ひどい生活では有ったがこんなものとだと思っていた。

その井戸は夏には天然冷蔵庫になった。腐りやすいものは綱で井戸の水際までおろしておいたものだ。それでも夏は傷みやすいので、料理は食べる分だけ作った。

それと鼻を生かした腐りかけたものの判別。クンクン犬のごとく食べ物をかいだものだ。貧乏だったから食べ物は大切に扱った。ご飯は特に多少の匂いがしても洗っておじやにして食べた。

母に気苦労は私に食べ物の大切さを無言で教えた。今でも食べ物は捨てない。冷蔵庫のある生活をしていても傷みやすい料理は出来る限り作らない。農家の生活は食べ物の有難さを知っている。

O―157とか、昔から食中毒は有ったので、現代の生活は大昔の生活とあまり違わない。ただ違うのは、他人の作った食べ物をたくさんたべるのが近代の生活様式か。

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