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介護・シニア

福祉車両…楽に介助 安全ドライブ

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小半店長の説明を受け、福祉車両を体験する溝端さん(右)と中村さん(左)(大津市の滋賀ダイハツフレンドシップ大津店で)=山本高裕撮影

 年齢を重ね、体が不自由になると車での外出は家族に迷惑をかけるからと、あきらめるお年寄りも多い。そんな時、便利なのが楽に乗り降りの介助ができる福祉車両だ。大手メーカーの販売店を男性2人が訪れ、工夫を凝らした機能を実際に体験した。

 兵庫県西宮市の溝端弘雄さん(71)と大阪府高槻市の中村敏さん(69)が、自動車会社・ダイハツの販売店、フレンドシップ大津店(大津市)を訪ねた。

 高齢などで体が不自由な人をスムーズに乗り降りさせることができる福祉車両は車いすのままスロープで乗降するタイプと、助手席などが回転し、車外で昇降するシートに座って乗降するタイプがある。同店は同社の販売店の中でも福祉車両を扱う数少ない専門店で、小半こはん智彦店長(48)が2人を迎えてくれた。

 2人は早速、他のメーカーも力を入れている助手席のシートが回転し、昇降するタイプの車を試した。車いすを使うほどではないが、足腰が弱くて通常の車の乗り降りが困難な人でも、下りてきたシートに楽に座る姿勢をとれるのが人気だ。ドアは90度まで広く開き、車いすの人が乗り移りする際も介助しやすい。回転や昇降の操作はリモコンを使い、ゆったり動く。

 「座り心地もよく、昇降時も怖くありません」とシートに座った中村さん。溝端さんは「操作を間違えるとどうなりますか」と安全性を質問。小半店長は「操作時に誤って回転したシートが介助者に当たっても、センサーが感知してすぐに止まるようになっています」と説明した。

 緩やかなスロープを使って車いすに乗ったまま乗り込めるタイプも試した。スロープが簡単に引き出せる仕組みや、傾斜を登る時に車いすをロープで引っ張り上げてくれる機能などもあることに感心していた。

 同社の場合、シートが回転・昇降するタイプや、車いすごと乗り込むタイプとも、価格は機能のない車に比べて25万~30万円ほど高いが、以前よりもその差は縮まっている。特に乗り心地のいい移動シート式の人気が高まっているという。

 小半店長は「介助する家族だけでなく、体が不自由となって実際に使う人が試して納得できるかどうかが大事です」とアドバイス。抵抗感なく、家族とのドライブが楽しめるようにする思いやりも大切と聞き、2人はうなずいていた。(森川明義)


老々介護不安なし

 溝端さん「今後、老々介護の世帯も増えると思うが、福祉車両が普及すれば外出しやすくなり、家族全員の生活の質向上に役立つと感じた。価格が30%ほど高いというが、必要な人、家族にとっては許容範囲ではないか」

 中村さん「ボランティア活動を通じて福祉の勉強をしているが、福祉車両はとても利用しやすかった。シートも快適だったし、車いすを押して乗せるのも楽で、ここまで便利になっているとは思わなかった」

販売31%増

 ダイハツは昨年12月、福祉車両の認定店制度を導入した。福祉車両を展示し、車両の性能や購入時の税制などの知識を備えた「福祉車輌取扱士」の資格(日本福祉車輌協会認定)を有する店員がいる店をフレンドシップショップに認定。現在、全国約680の販売店のうち約40店舗が認定されている。

 日本自動車工業会の統計によると、2013年度福祉車両の販売台数は約4万4000台で12年前に比べ約31%伸長。00年の介護保険開始で介護施設への送迎用などの需要が高まり、最近は個人需要も伸びている。

 購入時に消費税がかからない場合もあり、自治体によっては補助や貸付制度などもある。

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