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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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漢方による不妊治療とは

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 梅雨のシーズンですね。湿気と暑さで、過ごしづらい日が続く中、わたしのクリニックに通っていらっしゃった女性から、「おめでた」の知らせが届きました。それも、二人の女性から続けてでしたので、うれしさも「倍返し」です。このすばらしい報告に、梅雨の煩わしさも忘れ、わたしは幸福な気持ちを満喫させていただきました。

 日本は、少子化と高齢化という大きな問題を抱えています。この問題には、核家族による育児の負担、男女機会均等法による女性の社会進出など、さまざまな背景があると言われています。即席麺や冷凍食品などを中心とした食生活、インターネットによる昼夜逆転現象など、生活環境の変化も指摘されています。

 わたしは、産婦人科医である村田高明先生から、7年間、漢方医学を学びました。村田先生の外来には、冷え症、月経困難症、更年期障害など女性特有の病気で悩んでいらっしゃる患者さんが、大勢お見えになりました。もちろん、不妊症の方もたくさん外来に来られ、いろいろと学ばせていただきました。この経験が、いまのわたしの財産の一つになっていることは、言うまでもありません。

 わたしのクリニックにお見えになる方の多くは、長年、不妊治療を受けてきたという方です。タイミング療法ではうまく妊娠することができず、ホルモン療法、体外受精など、専門病院での治療を受けてきた方です。わたしとしては、もっと早く来ていただいた方が良いのですが、流産を繰り返して半ばあきらめている方や、年齢を重ねて「最後のチャンスに」という方もいらっしゃいます。

 みなさんに、まずは、いろいろと質問をさせていただきます。衣食住はもとより便通の状態や睡眠など、健康に関することをひとつひとつ聞いていきます。すると、いろんなことがわかります。基礎体温は正常で、ホルモンバランスも問題ないのですが、夫が出張ばかりしていて、家にいる時間が少ないために会話がなく、精神的なバランスに問題がある方や、食事が偏っているために便秘がひどくていつもおなかが張っている方など、様々な問題点が明らかになります。

 漢方薬を使った治療を始める前に、まずは、精神的なバランスを整えることを指導し、規則正しい食生活と便通をコントロールすることの大切さを説明します。そうやって、全身状態を整えてはじめて、不妊治療に取りかかります。

 不妊治療に使われる漢方薬の代表は、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)です。昔から「安胎薬(あんたいやく)」と呼ばれ、不妊症治療にはなくてはならない薬です。ただ、胃に負担がかかることがありますから、服薬指導をするときには注意が必要です。

 そして、月経周期に合わせて、細かく生活指導をはじめ、服薬指導をしていきます。手間と暇がかかる治療ですが、結果が出たときの感動は、素晴らしいものです。

 西洋医学ですべてが解決するのであれば、わたしが漢方医学を使う必要はないかもしれません。しかし、現実は厳しいものです。最先端医療を駆使した不妊治療でも良い結果が得られないときこそ、漢方医学を活用する絶好のチャンスです。不妊症に悩まれている方は、ぜひ一度、漢方医に相談してみてはいかがでしょうか。

 
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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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2件 のコメント

義兄の戸惑いは尋常ではなかった

めざめたじいさん

 2歳年上の姉、結婚は私と同じ年でした。私は10ヶ月後に子どもを授かりました。姉にはその兆候がなく、嫌がる義兄を連れて相談に。容器を渡された義兄...

 2歳年上の姉、結婚は私と同じ年でした。私は10ヶ月後に子どもを授かりました。姉にはその兆候がなく、嫌がる義兄を連れて相談に。容器を渡された義兄は精液採取が出来なかったという。姉は「私だけ恥ずかしい検査に耐えたのに」と憤懣やるかたなしだった。
 その後相談に行けず、子どもを諦めていた頃、突然妊娠の兆候があり、姉は小躍りして喜んだ。

 周囲から「お子さんはまだ?」と聞かれるのが辛かったと言う。職場でも心ない同僚が奇異な目で、子どもができない人を見ていた。

 埼玉のシニアさまも、きっと辛い思いをされたと思います。一縷の望みを抱いていた頃から、もはやこれまでと諦めた頃まで、苦しみは姉の話でよく分かります。

 漢方による不妊治療が進んでも、貴兄が経験した悩みは解決しないのでしょうか。また、いまの若い人は、そういう悩みはないのでしょうか。、

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あなたの子供は日本が育てます

埼玉のシニア

今先生の不妊治療に漢方医学もあると聞き、現代に進んだ医学に驚きと落胆とが入り乱れています。子供が出来ず日赤や信濃町まで行きましたが、出来ませんで...

今先生の不妊治療に漢方医学もあると聞き、現代に進んだ医学に驚きと落胆とが入り乱れています。
子供が出来ず日赤や信濃町まで行きましたが、出来ませんでした。今は人口受精など幅が広がり子作り環境は大きく変化したと認識していますから、76の落胆は家内にすまなかったと両手を着きたいほどです。

しかしそれでも、このような環境になっても子供を欲しがらない夫婦が居るのは何故でしょうか。子育て経費、環境、社会制度、、、考えても私には解りません。

政府も人口増加を推進し子育て環境を整備して、可愛い赤ちゃんを待っています。是非、若い方は先ず子供を育てることに重点を置き、後に悔いを残さないようにしてもらいたいものです。

子供のいない老後の悲劇を、あなた方若い方は、どれだけ知っていますか。

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