文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

yomiDr.記事アーカイブ

もっとも長生きな職業は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 気持ちの良い朝、わたしは軽い靴をはいて散歩に出かけます。芝公園の緑は日に日に濃くなり、カラフルないでたちの女性が軽快にかけていきます。出勤前のサラリーマンが片手にパンを持って歩いています。増上寺の前では観光客がカメラで写真をとっています。のんびりとした朝です。短い時間ですが、新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込んで朝日を浴びると、頭の中にエネルギーがひとつ、ふたつと生まれるのを感じます。

 「健康で長生きすること」は、楊貴妃やクレオパトラも望んだ永遠のテーマです。みなさんは、どんなことに気をつけられているでしょうか。

 わたしのクリニックには「どうすれば、長生きできますか」と、唐突に質問される方もいらっしゃいます。この質問をされる方は、実はたいへん多く、だいたいが初診の患者さんで、診察が始まって一言二言しか会話をしていないうちに聞いてくる場合が多いのです。

 しかし、この質問はまるで、哲学や宗教の真理を聞かれているようで、回答に困ります。

 そんなとき、かならず例に出して説明させていただく話があります。

 いまから約30年前に福島県立医科大学の森一教授が報告された「昭和55~57(1980~82)年における10種の職業集団の平均死亡年齢と死因に関する調査」があります。この調査は、長生きするには、どんな生き方をすると良いかを考えさせてくれます。当時行われた国勢調査をもとにしているそうです。

 わたしたちは、長い間、仕事にたずさわっていると、知らない間に肉体と精神を酷使しています。仕事があなたの健康に、大きな影響を与えます。この調査は、仕事が平均寿命にも関係があるだろう、という仮説から行われた統計です。残念ながら、当時の社会環境から、働く女性に関するデータは少なく、対象は男性だろうと考えられます。

 調査の結果、一番、長生きだった職業は、「僧侶」です。驚くことに「僧侶」は奈良時代から長寿の職業である、と記載されています。

 二番は「実業家」、三番「政治家」と続きます。どちらも定年がなく、常に社会とつながっている職業です。

 この3つの職業に共通するものは、何でしょうか。社会的地位や経済的環境など、いろいろな意見があると思います。しかし、大切なのは、当時の日本の状況を少し考えることです。1980年ごろの日本は、経済的な成長の勢いが今よりもずっと強く、その半面、公害問題もありました。当時、少し余裕ができた日本人が改めて自分たちの人生を見つめ直したとき、「健康に長生きすること」に何が大切か、を考えたのでしょう。

 この報告には、「僧侶」が長生きの理由として、ふたつのことをあげています。

 1.食べ過ぎなどに注意して、節生を心がけたこと

 2.瞑想めいそうの時間をとり、精神的なゆとりをもつこと

 当時の日本人に必要と考えられたふたつの条件は、現代のわたしたちにも当てはまるようです。

 忙しい日々の中で、ほんの少しの時間でも、健康のために体を動かし、自然の音に耳を傾ける時間を作ることが、大切なのだと考えられます。わたしの朝の散歩も、こんなところから大切にしていることのひとつです。ぜひ、みなさんも「健康に長生きすること」に、時間を作ってみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

いのちに優しく いまづ医師漢方ブログの一覧を見る

6件 のコメント

最も短命な人は、男女で違う

めざめたじいさん

 最も短命なのは離婚後、再婚をしなかった男性で、その65%以上、つまり、3人に2人が70歳に達する前になく亡くなっている。これは米国のデータで日...

 最も短命なのは離婚後、再婚をしなかった男性で、その65%以上、つまり、3人に2人が70歳に達する前になく亡くなっている。これは米国のデータで日本に当てはめると73歳。妻との死別では、男性はそのほとんどが数年後は息絶えたという。女性にはこうした著しい傾向はない。

 先日旅先で、大阪のおばちゃん3人に会った。聞けば3人とも亭主は死んだという。死別したのにこの明るさ。寡婦を楽しんでいるかのようだった。「ワイの要求がきつくて亭主は死んだようだ。ま、殺したようなもの・・・」とケラケラと笑うおばさん。

 寡婦になるのを待っていたかのような口ぶりで、彼女らは人生を最大限楽しんでいるように見えた。東京に学園を創設した立派な先生がお出でになった。ご夫妻で苦労しながら立派な教育施設に仕上げた。70過ぎの奥さまが亡くなると、後を追うように先生が逝った。生きる目標を失った悲しみが先生の命を奪ったのだ。

 男性は伴侶と一緒に生きることを望むが、女性は「それは仕方がないこと、私は自分で生きる」と度胸が据わるようだ。特に大阪のおばちゃんには、亭主に未練などまったく感じないようだが。

  

つづきを読む

違反報告

僧侶に負けない生活をしよう

埼玉のシニア

腹8分が良いとされ、科学的にも証明されていますので実践すべく、野菜中心の生活に変えて、月平均ですが、肉は10食以内、魚が20食前後、日本そばが3...

腹8分が良いとされ、科学的にも証明されていますので実践すべく、野菜中心の生活に変えて、月平均ですが、肉は10食以内、魚が20食前後、日本そばが30食強、スペシャルジュース30食、温野菜30食、ご飯は7分目30食、パン8枚きりの1枚30食、などなど、月90食ですから、これは長寿食と自我自賛なので有ります。

特に腹7分目には気をつけて、がんも認知症も半分以下になると順天堂大学の白澤教授のお勧めもあり、体重管理に努めています。太る体質なので体重には気を使っています。

身長160センチ、体重69キロ、で、医者からは太っているので注意を受けているが、これ以上にならないように管理している。

体重管理で重要なことは夕食の量と食べる時間です。酒などカロリーの高いものを取り易いので、食は日本そば食べ、時間も5時ころ取ると太りが防げます。今は家内を見舞うので3時半ころそばを食べ、帰ってから7時ころにアルコール度5%ほどの酒を一杯、おかずは豆腐に納豆を掛けて、、、、。

長生きは人生最大の関心事、煩悩を適当にあしらって、100まで生きるぞ!めざめたじいさんはいい事をおっしゃる。

つづきを読む

違反報告

社会とのつながり  定年退職  運動機会

元放射線科医 寺田次郎 六甲学院56期

最も短命なのは商社だと、誰かに聞きました。激務と生活習慣のせいらしいです。勿論、会社や個人差はあるのでしょうが。先生が少しふれられた社会の接点も...

最も短命なのは商社だと、誰かに聞きました。
激務と生活習慣のせいらしいです。
勿論、会社や個人差はあるのでしょうが。

先生が少しふれられた社会の接点も重要です。

最近は定年退職の緩和のニュースもあります。
実際問題、急に仕事や会社を通じた関係性や生活時間が無くなるのはとても危険なことだと思います。
熟年離婚の温床にもなりますし、良い準備ができていなければ、認知症の発症にも繋がるでしょう。

入社もそうですが、退社も社会不適合の原因になりうるので、可能であればソフトランディングが考慮されるべきです。
日本は累進課税ですから、時短勤務での新人教育の手伝いなどは生活を営むにあたっても悪くないとは思います。

介護はする方もされる方も問題で、出来たら増えないのが一番ですが、そうもいきません。

半分くらいは政治的な話になってしまいますが、僧侶や実業家、政治家ともども運動の時間や場所を作りやすいのもポイントだと思います。
逆に言えば、そういう場所が増えてほしいですね。
大人になると、大声を出したり運動する機会が少なくなりますから。
現代社会は動物に比べると不自然な時代です。
それでも、便利は捨てられないのですが。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

最新記事