文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

yomiDr.記事アーカイブ

歯や口が全身の健康に影響

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 今週も「歯」の話題です。

 わたしたちの永久歯は、全部で32本あります。固い繊維をかみ切る前歯、臼のようにすりつぶす奥歯と、歯には、それぞれに役割があります。

 歯は、毎日使う大切な身体の一部です。長生きするためには、身体のメンテナンスが必要ですが、同じように歯の手入れも大切です。外出の後に手を洗ったり、うがいをするのと同じように、口の中を清潔に保つことが重要です。歯の寿命を延ばすことが健康で長生きする秘訣でもあるのです。

 80歳になっても、自分の歯が20本以上あることが、健康で長生きする目安になるとして、8020(はちまるにいまる)運動が展開されています。8020運動のキャッチフレーズ「ひみこの歯がいーぜ」で、よくかむことの8つの効用をわかりやすく説明できます。


肥満防止よくんで食べると脳にある満腹中枢が働いて食べ過ぎをふせぎます。
味覚の発達よく噛んで味わうことにより食べ物の味がよくわかります。
言葉の発音がはっきりよく噛むことにより口の周りの筋肉を使うため、表情が豊かになります。口をしっかり開けて話すときれいな発音ができます。
脳の発達よく噛む運動は、脳細胞の働きを活発にします。こどもの知育を助け、高齢者は認知症の予防に役立ちます。
歯の病気を防ぐよく噛むと唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします。この唾液の働きが、虫歯や歯周病を防ぎます。
がんの予防唾液の中の酵素には発がん物質の発がん作用を消す働きがあります。よく噛んでがんを防ぎましょう。
いー胃腸の働きを促進よく噛むことで消化酵素がたくさん出て消化を助けます。
全身の体力向上と全力投球全身の体力向上と全力投球:力を入れて噛みしめたいとき、歯をくいしばることで、力がわきます。


 毎日、何気なく使っている歯に、こんな大切な役割があることを皆さんは、知っていましたか。

「先表後裏」とは

 漢方医学の治療に、「先表後裏」という方法があります。「先表」とは、風邪のような感染症、けがによる痛み、病気による様々な症状を改善することです。「後裏」とは、毎日の生活を安定して過ごすために、体質を改善し、体調を整えるために漢方薬をうまく活用することです。

 先週、お話しした、症状を治す漢方治療は、「先表」にあたります。

 80歳まで歯を健康にたもつ漢方治療は、「後裏」です。「後裏」のために、漢方医学では、ジワジワと効果がでる漢方薬を使います。

 八味地黄丸(はちみじおうがん)は、加齢に伴う身体の変化に、うまく対応するための漢方薬です。八味地黄丸は、白内障、腰痛、前立腺肥大症など、高齢者に多い病気に使われています。老化に伴う歯周病などに用いられます。

 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は、ちょっとした身体の疲れや胃腸の調子を整えることで、日々の生活の質を補ってくれます。補中益気湯は、免疫力を活性化しますので口腔こうくう内環境を整えてくれます。

 「後裏」の治療に用いられるふたつの漢方薬は、味覚障害があるときにも用いられます。

 体調を整えることで、美味おいしく食事を味わえるようになります。美味しく、よく噛んで食べることが、健康につながっていきます。あらためて、自分の歯のことを考えてみましょう。歯の専門家にも定期的にチェックをしてもらい、毎日の歯の手入れもきちんとしましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

いのちに優しく いまづ医師漢方ブログの一覧を見る

2件 のコメント

後期高齢者はパンを食べている

めざめたじいさん

 お一人様になった老人会会長さん、たまたま食事の話しになり、麺類をよく食べるという。「わしは、堅いものが噛めなくなったのでうどんやそばを食べてい...

 お一人様になった老人会会長さん、たまたま食事の話しになり、麺類をよく食べるという。「わしは、堅いものが噛めなくなったのでうどんやそばを食べている」そうだ。ツルツルとそのまま胃の中へ、歯や顎は楽をしている。

 虫歯には苦労している私たち夫婦だ。朝は柔らかいパンにしている。1斤を4枚に切り、1枚を4:6の割合になるようにナイフを入れトーストにする。何種類かの小瓶のジャムやマーマレードを塗って食べる。飽きないように。

 パンを口に入れたときは、お茶や牛乳に手をつけない。理由はよく嚙むこと、柔らかいパンでもよく嚙まないと飲み込めない。唾液でかゆ状になったときに飲み込むというわけだ。

 「ひみこの歯がいーぜ」に合う食事をしていたようだ。8020にはほど遠いが、80だけは一致する。「ぜ」はなかなか出来ない。朝のトイレ?だけかも、家内は大腸を摘めたので・・・。唄うときは
「力を抜け」と言われる。今となっては歯ぎしりするほど激情しないし。もちろんレスなのでそっちも踏ん張らない。

つづきを読む

違反報告

ゆっくり噛まないと磨り減る

小町ファン

まとめると、歯を刺激する理想の回数ってあるんでしょうね。保険適用の入れ歯でも、きちんと調整できる歯科医と技術者がいると、寝たきりや歩行がやっとの...

まとめると、歯を刺激する理想の回数ってあるんでしょうね。
保険適用の入れ歯でも、きちんと調整できる歯科医と技術者がいると、寝たきりや歩行がやっとの方でも、寝たきりから回復したり、歩行運動が復活していくと聞いたことがあります。

目を瞑ってゆっくりまっすぐに歩きながら、奥歯の右だけゆっくりかみ締めると、左だけかみ締めると歩く方向がそれぞれ変わりますよね。
食事のときも均等に左右をつかって噛みたいものです。

時間をかけた食事って難しいですけど、やってみると落ち着きます。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

最新記事