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タレント、エッセイスト 小島慶子さん

一病息災

[タレント、エッセイスト 小島慶子さん]不安障害(4)夫の支えで母の気持ち理解

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 障害に苦しみ、新しい家族も実家も、誰も幸せに出来ない自分が嫌になった。「いなくなった方がいい。死のうと思いました」

 マンションの部屋の窓を開け、エアコンの室外機の上にしゃがみ、下の道路に飛び降りようとしていた。夫が「生きていてほしい」と引き戻してくれた。どんどん壊れていく自分の隣で、いつも夫が平静だったのが救いだった。

 症状は、半年で落ち着きを見せた。アナウンサーとして職場復帰もできた。しかし、不安障害の発症の原因となった、生まれ育った家族との関係をとらえ直すため、母とは7年間、会わなかった。

 「母は変えられないが、自分は変えられる。そうすれば見方も変わる、と思って距離を置くことにしました」。実家への病気の説明や仲介は、夫がしてくれた。両親も本を読み、娘の病を理解しようとしてくれた。

 今はもう母への怒りはない。「振り返ってみれば、母も一家のみんなも、ごく普通の人。家族に期待して夢を持ち、私を精いっぱい愛して、幸せになろうとしていただけでした」

 15年勤めた放送局を4年前に退社して、フリーとなった。長かった闘いからはい上がってきた経験が、今後の活躍に深みを増していくことだろう。(文・斉藤勝久、写真・米山要)

 タレント、エッセイスト 小島 慶子(こじまけいこ)さん(41)

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