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タッチ健康法…プラス思考一番大切

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 太極拳やヨガなどの運動では、ゆったりと呼吸を整えて体内に流れるエネルギーを意識する。体の不調をそのエネルギーの滞りと捉え、手で触れたり、マッサージしたりすることで心身のバランスを取る健康法が高齢者に評判と聞き、シニア3人が体験した。

泉さん(左端)が西村さんの腕を取り、気の説明をするのを聞く(右端から)南地さん、名取さん(大阪市中央区で)=奥村宗洋撮影

 大阪府枚方市の南地眞喜子さん(56)、豊中市の名取孝生さん(62)、八尾市の西村和子さん(71)。大阪市中央区の商店街の一角でNPO法人・高齢者外出介助の会が運営する交流スペース「からほりさろん」を訪れた。食事会や童謡唱歌を歌う会などのイベントのほか、昨年4月から毎月第3水曜の午後、「タッチフォーヘルス」という健康法のクラスが開かれている。

 講師は大阪市東淀川区、泉一豊さん(85)。変形性股関節症などで10年間苦しんだ後、75歳でこの健康法に出会い、インストラクターの資格を取った。毎月、足腰の痛みなどを訴えるお年寄りに無償で教え、喜ばれているという。

 泉さんはまず「心身の不調は体内を循環する『気(エネルギー)』が滞って起きる。この流れを良くして元気にするのが基本的な考え方です」と説明。

 3人に気の流れを理解してもらうため、泉さんは順に片腕を前に伸ばさせ、「しっかり止めて下さい」と指示して軽く押さえた。ここで「すてきな私」と言わせるとそのままの高さを保つことができるのに、「嫌な私」と口にさせるとすぐに腕が下がった。否定的な言葉がストレスとなって気が乱れ、力が弱まるという。3人は驚き、不思議そうな表情を見せた。

 西村さんと南地さんが股関節などの痛みを打ち明けたところ、泉さんは背中や腰、脚などを指で押した後、背中や前太ももの気の流れが滞っているとして数分間、軽くマッサージした。2人が「痛みが和らいだ」と笑顔を浮かべると、泉さんは「ご自宅でもやってみて下さい」と勧めていた。

 泉さんは気の流れを良くする体操と呼吸法も紹介。体操は左右の膝を片方ずつ上げ、上げた膝を手でたたくリズミカルなものなど3種類。呼吸法では、十分吐ききった後でゆっくり四つ数えて吸い、七つ止め、八つ吐くリズムを教えた。

 泉さんは「この体操と呼吸法を毎日1か月続けると効果がわかる。そして何より大切なのはプラス思考」と助言、その張りのある声に3人は感心していた。(石塚直人)

気の流れ考え共感

 南地さん「マッサージの後、西村さんの歩き方が全く違ったのに驚きました。(気が流れている)自分の体を信じるという考えに共感します」

 名取さん「あまり素直な性格でないせいか、気の流れについての説明はまだ半信半疑。次に機会があれば腰痛のマッサージも体験してみたい」

 西村さん「先生に指で押された太ももはとても痛く、股関節とつながっているのが分かった。言われた通りにこれからも続けたいと思います」

110か国で普及

 タッチフォーへルスは、脊椎のゆがみを矯正して身体機能を回復させるカイロプラクティックを土台としたキネシオロジー(筋肉を触診して体の異状ポイントを見つける技術)と、気に代表される東洋医学の考え方を融合させた健康法。1970年に米国のジョン・シー博士が創始した。一般人が自宅でも簡単に取り組めるのが特徴で、日本タッチフォーヘルス・キネシオロジー協会(東京都練馬区)によると、約110か国、1000万人に普及している。

 日本では98年、東京で初の公式クラスが開かれた。協会が定める課程を修めた公認インストラクターは国内に約60人(近畿地区は19人)いる。

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