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オトコのコト 医師・小堀善友ブログ

妊娠・育児・性の悩み

ヒートショック! サウナが精子に影響も

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 男性不妊症の外来で、よく聞かれる質問の一つが、「風呂に長く入るのは精子に良くないのですか?」です。

 ちょうど昨年、欧州の学会誌に、サウナが精子に与える影響について解析したデータが掲載されました(Hum Reprod. 2013;28:877-885)。

 報告によると、温度の上昇が精子形成に劇的な変化をもたらす、と書かれています。具体的には、サウナに入る習慣が、精液所見、精子クロマチン(DNAやたんぱく質)、精子のアポトーシス(細胞の死)、熱によるストレスや低酸素状態にかかわる遺伝子の発現にどのような影響を与えるか調べられました。

 精液検査で正常だった10人の男性に、週2回80~90度のサウナに15分間、3か月間、入ってもらいました。

 実際、サウナ好きの方は、もっと頻繁にサウナに入っているかもしれませんね。それはさておき、実験開始時、3か月後の終了時、終了から3か月後、6か月後にデータをとりました。

 気になる結果は、実験開始時と比べて終了時には精子数と運動率が低下してしまったのです。正常な染色体やミトコンドリアも、減少していました。熱によるストレスおよび低酸素症に対する反応にかかわる遺伝子の発現の上昇も認められました。

 しかし、精子を作り出すような命令を出す下垂体ホルモンや、男性ホルモンには変化が認められませんでした。

 ところが、サウナをやめて6か月経つと、これらのデータは全て改善しました。

 やはり、あたためるのは精子には良くないようです。たった10人のデータとはいえ、患者さんに聞かれた時に役立つ報告でした。

 みなさまも、くれぐれも注意してくださいね。

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小堀善友 (こぼり よしとも)

泌尿器科医 埼玉県生まれ

2001年金沢大学医学部卒、09年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務。14年9月から米国イリノイ大学シカゴ校に招請研究員として留学。専門分野は男性不妊症、勃起・射精障害、性感染症。詳しくはこちら
主な著書は『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)。詳細はこちら

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5件 のコメント

国の合計特殊出生率順リストには?

めざめたじいさん

 サウナで有名なフィンランド、国の合計特殊出生率順リストを見たら特別低い値ではない。 赤道を鋏んだ国々で数値が高いのはなぜなのだろう。国策なのか...

 サウナで有名なフィンランド、国の合計特殊出生率順リストを見たら特別低い値ではない。

 赤道を鋏んだ国々で数値が高いのはなぜなのだろう。国策なのか、無防備なのか、そこまで手が回らないのか、乳幼児の死亡率が高いのか。

 少子化に歯止めが掛からない、我が国ではあらゆる可能性を調べて対策をとる必要がありそうだ。

 しかし、こればかりは学者さんの思惑通りにはいきそうもないが。

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普段の風呂は?

とおりすがり

もともとの、「風呂に長く入るのは・・」については、どのようにお答えになるのでしょう。サウナと風呂では温度が違いますよね?お風呂だと40度~41度...

もともとの、「風呂に長く入るのは・・」については、どのようにお答えになるのでしょう。
サウナと風呂では温度が違いますよね?お風呂だと40度~41度くらいが一般的だと思いますが、それでも影響がでるのですか。

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興味深く拝読いたしました。

内科医

興味深い記事です。細かいデータは書かれていませんが、一般読者向けには十分な内容だと思います。>この記事では、精子がどれだけ減少したか書かれていま...

興味深い記事です。
細かいデータは書かれていませんが、一般読者向けには十分な内容だと思います。

>この記事では、精子がどれだけ減少したか書かれていません。
>少しなのか、沢山減っていたのかちっとも分かりません。

他の記事と違って出典がのっています。
Hum Reprod. 2013;28:877-885

他の新聞記事も、きちんと出典を示してもらえれば深く知りたい人には役立ちます。

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