宋美玄のママライフ実況中継
医療・健康・介護のコラム
イヤイヤ期…「目からウロコ」の対処法
先週から家族が相次いで風邪と発熱で倒れています。代わりがいないので無理して仕事に出ていたら、ある朝、高熱で起き上がれなくなり、お休みしてしまいました。娘は私が回復したころに熱を出して、今シーズン初めて保育園をお休みしています。私がこのような体調になるのは研修医1年目のインフルエンザ
娘は2歳2ヶ月で、イヤイヤ期真っ最中です。イヤイヤ期があること自体は正常発達の一環なので安心しているのですが、毎日毎日、何をするのも嫌がって、食事を作ったりお風呂に入ったり保育園を往復したりができないので、とても困っていました。ものの本には、イヤイヤ期対処法として「2択にして自分で選んだ方をさせる」「気をそらす」「取引する」などが書かれていますが、どれ一つ、我が強い娘に有効なものはありませんでした。
いろんな方からアドバイスをもらって、着替えも食事も絶対にしようとせず、なんとかやり過ごしていたところ、仲のいい編集者から児童精神科医の佐々木正美先生の「どうか忘れないでください、子どものことを。」(ポプラ社刊)という本が送られてきました。佐々木正美先生といえば大ベストセラーの「子どもへのまなざし」で有名ですが、同書を読んで私も育児の方向性に自信が持てたので、送られて来た本もすぐに読みました。
すると、娘とのやりとりで疲れていた私にはいろいろと衝撃的なことが書かれていました。「お母さんは、子どもが喜ぶことをしてあげるだけでいい」「子どもが喜ぶことを親が喜ぶことで『喜びを分かち合う力』が育つ」「喜びを分かち合う力が育つと子どもはやがてお母さんの悲しみも理解出来るようになる」ということです。そうすれば、「いけないことをすればお母さんが悲しむ」のように「怒り」でなく「悲しみ」を理解出来るようになり、しつけもすんなりいくということなのです。
それまで、どうすれば娘に人間として最低限のことを身につけさせられるか、際限のない要求をどうすればかわせるかということを考えていたのですが、喜ばせればいいというのはある意味、親も楽でありがたいです。アンパンマンやバンビのDVDも「だめ」「あほになるよ」と言って大泣きされていたのを、「よしよし見たいんだね」と言って「親に要求をきいてもらえた」と実感させつつ、すごいスピードでスキップしながら見せるようにした方が、ご機嫌でコミュニケーションもスムーズになりました。
佐々木先生によれば、「親にしてほしいことをしてもらえた」ということを実感させれば、要求がエスカレートしてわがままになったりはしないものだそうです。まあ多少は個人の資質もあるので多少わがままになるかもしれませんが、自分の親にすら大事にしてもらえたという実感がなかったり、どうせ期待に応えてもらえないだろうと初めからあきらめるようになったりするよりは、今の時期に喜ぶことをしてあげる方が、いいと思いました。
そんな訳で家族中体調が悪いのですが、熱が出ている娘を喜ばせるためにあの手この手で頑張っています。夜の添い乳がなければもう少し早く体調が改善しそうなのですが、それだけは無理そうです。
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私も佐々木先生のファンです
はい
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「こどもへのまなざし」は私のバイブルです。
しかし、独立心旺盛な我が子には、ときどきものすごく手を焼いています。「親業」という本が気になるので、取り寄せてみようかと思っている所です。
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教科書になればいい。
NMS
私も、佐々木正美先生の本は育児の基本となっていて、いまや人生の指針といっても過言ではない存在です。宋先生も読んでいらっしゃると知って、嬉しくなり...
私も、佐々木正美先生の本は育児の基本となっていて、いまや人生の指針といっても過言ではない存在です。
宋先生も読んでいらっしゃると知って、嬉しくなりました。
今、3人目子育て中で、上の小学生たちはイヤイヤ期も過ぎて、もう1人で身の回りのことができるので、ちょっとおざなりになっていたなぁと思い出しました。
佐々木先生の本を読んで、子どもの心を満たすことを最優先に、心穏やかに育児してきたことを忘れて、上の子たちは後回しになっていたかも。
また佐々木先生の本を読み直そう、と思いました。
佐々木先生の本が教科書になれば、「しつけしなきゃ」「ちゃんとした子に育てなきゃ」とプレッシャーを感じながら孤独に子育てしているお母さんたちがかなり救われるのになぁ、と思います。
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プレイヤイヤ期の娘相手に…
なじゅん
1歳4カ月の娘を持つ卒後5年目女医です。いつも初めの娘さんの報告から興味深いお話まで楽しく読ませていただいています。うちの娘は「いいこいいこ」と...
1歳4カ月の娘を持つ卒後5年目女医です。
いつも初めの娘さんの報告から興味深いお話まで楽しく読ませていただいています。
うちの娘は「いいこいいこ」と頭をなでてあげると恍惚の表情と歓喜の声をあげるので、ほめてあげるときにいつも頭をなでています。
先日、何かの折に娘が癇癪を起し、本の1ページを破ってしまったときに、その場で「だめ」と声をかけたものの私自身も大きな声を出してしまったことに後ろめたい気持ちもあり、少し暗い顔をしていたんだと思います。ふいに娘が寄って来て、私の頭をなでてくれました。涙が出そうなほどうれしくて…まだ本当の意味での共感は難しいでしょうが、自分の好きなことを他人にしてあげる、悲しみに寄り添うというのはとても素敵なことだと思いました。
私も佐々木正美先生の本を読んでみたいと思います。
お忙しいでしょうが、お体、お大事に。
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