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水温13度…「寒の地獄」でも立派な温泉!?
初回のブログにたくさんのコメントを寄せていただき、ありがとうございます。みなさん入浴温度に関心を持たれているようですね。42度の危険性については「入浴の生理学」のテーマで解説したいと思いますが、とりあえず言えることは、動脈硬化が出てきて血圧が高い方、心臓が悪い方は避けた方が良いということです。
温泉の定義、基準は温度だけでなく…
さて、3回目の話題は温泉の定義です。温泉のお話をするにあたって、温泉水と水道水・地下水との区別を明確にしなければなりません。温泉というからには一定以上の水温が必要だろう、成分の基準値も決まっているに違いない、などと皆さんは想像されると思います。実は、初回のブログにその基準となる水温を記載していたのですが、覚えていらっしゃいますか?
温泉の定義:温泉は、昭和23年に制定された「温泉法」により、地中から
「炭化水素を主成分とする…除く」は簡単に言うと、「燃えるガス」は除くということです。この定義を分かりやすくするために新しい表を作成してみました。
すると、温泉というためには3つの条件のうち1つでも満たせばいいことが分かります。すなわち、(1)源泉での温度が25度以上、(2)1キロ・グラムの温泉水中に溶存物質が、ガス成分を除いて1グラム以上含まれている、(3)記載された成分のうち1種類でも基準値を満たしている、の3条件があるのです。
温泉法ではガス成分も温泉としていますので、いわゆる湯煙、水蒸気なども基準を満たせば温泉です。ちなみに2012年は水蒸気・ガスで温泉と認められた源泉は936本ありました。また、源泉の水温が25度であっても、湯船に引いてくるまでに冷え切ってしまう温泉もあるわけです。ご存じでしょうか、水温が13度という単純イオウ泉が大分県に存在します。その名も「寒の地獄温泉」です。この温泉は、水温が25度を満たしていませんが、含有成分のイオウのみが基準値を満たしているので立派な単純イオウ泉であり、このような水温が低い温泉は通常冷鉱泉と呼ばれ、「寒の地獄温泉」は単純イオウ冷鉱泉になります。
源泉温度の基準、25度になった理由は?
この25度という温度は予想通りでしたでしょうか。多くの方は40度以上と思われているようです。さて、ではどうして25度になったのでしょう。少々ややこしくなりますが、温泉は、鉱泉+水蒸気その他のガスとも定義できるのです。鉱泉分析法指針には鉱泉の定義が掲載されています。それを読むと、鉱泉と温泉の違いは「水蒸気その他のガス」を含むか否かの違いだけなのです。一般に温泉というと、湯船に
さて、25℃に話を戻します。この鉱泉分析法指針には面白いことが書かれています「…泉温が源泉周囲の年平均気温より常に著しく高い…」。これから察するところ、日本の年平均気温が25度だったのでしょうか? これに対する明快な答えはありません。日本より寒いドイツでは20度、暑い台湾では30度になっており、気温との関係はあるようです。
問題: | 海水の塩分濃度は、水1キロ・グラムに対し塩分が約32グラムです。温度も、ところによっては25度以上あります。はたして海水は温泉と呼べるのでしょうか? |
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次回は療養泉について説明したいと思います。
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楽しみにしてます
風呂好き爺さん
ぬるい風呂はつかった気がせず、いつも熱い風呂に入ります、ぬるい風呂の入りかたが知りたい、
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