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石井苗子の健康術

yomiDr.記事アーカイブ

企業戦士のストレス解消法は

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(「大リストラを見てきたから忙殺の方がまだ安心」というサラリーマン)

 剣道道場にいる私の写真と記事が、3日付けの紙面「これからの人生」に載った日が、ちょうど病院研修の日でした。受付のナースから「『新聞を見たけど本人を確認したくなった』という電話がきています、何かあったんですか?」と聞かれてしまい、研修先は書いていなかったのに、新聞の影響力はすごいなと思いました。

 さて、研修でご一緒している心理士さんたちの受験資格について前々回のブログで書きましたが、「医療心理士は大卒だけで受験資格があるのでは?」というご質問をその後いただきました。説明不足などあり、申し訳ありませんでした。

 医療心理士は大卒であることに加えて心理学の「標準カリキュラム」の単位を取得していることが必要です。これは医療系の大学生も同じで、取得単位数が多いところへさらに心理学の標準カリキュラムを入れるとなるとかなり大変です。文系の大学生でも専攻が心理学でなければ努力がいることだと思います。卒業してもまだその上に規定条件があり、受験までにさらなる努力と時間が必要になります。臨床心理士はこれとは別なコースで、大学卒業後に「指定大学院」で心理の修士を取得しなければ受験資格がもらえませんから、受験とお金が必要になります。いずれも大学以上の心理分野の学問が必要になり、現場での研修も必要です。これだけ厳しくても国家資格にならないので、心理士になられても普通の就職をする方が多いのが現状です。

 厳しくした目的は心理士が、医学系大学の卒業者より強い専門性をもって社会に貢献するためだったそうですが、現在のところ現実とマッチしていないようです。日本の医療サービスの変化をみれば、医療心理士も臨床心理も国家資格にしてほしいと思うのですが、1本にしぼる必要があるとかでなかなか決定しません。

 医療系の従事者は、現在人材が不足していて現場は忙殺されている状態にありますが、少ない人数で多くの仕事をこなせという傾向は働く現代人にますます重くなってきているように思えます。

 最近は司法試験も3回不合格だと受験資格を失うそうですが、これは若者が司法浪人のために年月を費やすことをなくすのが目的だったとか。しかしこちらも合格しても就職難のようです。

 私は、司法浪人を諦め一般企業の法務部に中途採用されたサラリーマンを知っていますが、40歳を過ぎてからご自身の人生を振り返ると弁護士に向いてなかったことが分かったそうです。現在勤務している会社の大リストラの現場にいた日々を30代で経験し、そこからさらに人数を減らされ、今の仕事場では誰も口をきかず1日中パソコンに向かって、夜の9時、10時まで仕事をやり、家に戻るとふとんに入るのが深夜0時。翌朝6時に起きラッシュで会社へ向かうことの繰り返し。それでも「リストラされるより忙殺されている方が安心。気付いたら50代だな~」とつぶやいていました。「趣味は?」と質問すると「土曜日の独りジム」以外は何もないそうです。有休を取ると仕事が山積みになってくることがストレスになるとか。

 決して仕事の要領が悪いようには見えませんから、本当に現代社会の現役労働者たちは1人でやる仕事量と責任が多すぎるのかもしれません。それでもリストラにおびえるよりはいいというのです。毎日ストレスがたまっていると思います。国家資格を持った心理士は必要とされないのでしょうか。医師だけが多くの義務と権利を担う社会はそろそろ卒業した方がいいと思うのですが、伝統的な社会を変えることは年月がかかりそうです。

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石井苗子さん顔87

石井苗子(いしい・みつこ)

誕生日: 1954年2月25日

出身地: 東京都

職業:女優・ヘルスケアカウンセラー

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2件 のコメント

企業戦士とは言えないが、退職後の不安

めざめたじいさん

夫婦とも昭和1桁生まれ、私は77まで、妻は一つの事業所で53年間78まで働きました。朝は5時に起きて帰宅が6時、お手伝いさんが作った夕飯を食べ、...

夫婦とも昭和1桁生まれ、私は77まで、妻は一つの事業所で53年間78まで働きました。朝は5時に起きて帰宅が6時、お手伝いさんが作った夕飯を食べ、風呂から上がると、8時過ぎ。TVを見ながらうとうと、追い立てられるようにベッドに入る家内。ストレスなど感じる間もなかった。

退職と同時に家を引き払いマンション住まい、健康を配慮して朝5時起きの生活リズムは崩さないことに。困るのが1日何をするのか。私は中学生の頃からの夢だった合唱団にはいった。これまで何に趣味もなかった家内が選んだのは俳句講座。ようやく2年経つがまだまだ、上手く作れないとのため息ばかり。

海外旅行をするには体力が残っていなかった、国内でも2泊が限度。昨年は金沢と広島に出かけたが、広島で動けなくなり、国内旅行も危なくなってきた。

10分ほどの距離に美容院があるが、日曜日の朝孫を乗せて車で出かける。帰ってくるまでの心配は私の最大のストレスになっている。乳がん、大腸癌、肺癌、コバルト照射により肋骨7本切除したのが、彼女に大きな苦しみを与えている。
今日も「奇跡の人」は、頭を抱えながら俳句の会に出かけていく。

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すべてOKと求める事自体不健康

小町ファン

そういうのって、聞くと「ひえー」って思いますね。思うという事自体が問題。実際に人それぞれの生活形態にあっているのだから、それを信頼していないと、...

そういうのって、聞くと「ひえー」って思いますね。
思うという事自体が問題。

実際に人それぞれの生活形態にあっているのだから、それを信頼していないと、やがて自分が倒れると考えています。
例えば、スポーツの練習などをトップクラスの人の話など。
そんなことできないと思っても、その選手にしてみれば出来ている。
いきなり今の練習量になったのではないから、最初は歩く程度からです。

今、夜の何時に帰って、朝何時に出てとあるけど、退職した次の日から変わる生活のほうがきついのではないでしょうか。
それに向けて生活習慣を少し考えるのも人生だと考えてます。
趣味があればではなく、環境が様変わりしても平気な精神というか順応性が欲しいところです。

会社全体が「うつ」状態は、わたしも見ています。
でも、その状態で利益がでているなら、それでいいと観念してしまう。
思いの世界だから、思うだけなんですけど、これが難しいです。

思いという、アナログ量をあつかう心理を扱う世界に、デジタル的要素を求める免許制はミスマッチなんでしょうね。受け側の力量で送り側が評価される。
医師も数値管理とQOLと二つあると思います。
どちらが得意かも大切ですけど、どちらが好きかを患者側が判断できる力が欲しいです。体重等と検査結果で安心するか、今の症状でも「そんなもの」で満足するか。
両方を満足させるのは、とても難しいです。

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