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ボンジュール!パリからの健康便り

医療・健康・介護のコラム

障害者が住みやすい街へ…罰則付きで改善要求

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 バスが緩やかにバス停に止まった。ピーッ、ピーッ、ピーッという音とともにバスの車体が左へ傾くのが分かる。後部の乗降口が開き、スロープがゆっくりと降りていく。いわゆるノンステップバスだ。パリ市内のバスは、すべてこのタイプである。フランス、そして欧州は、ノンステップバスの普及が急速に進んでいる。

 車いすに乗った男性が、ゆっくりとスロープからバスに乗ってきた。バスの中心部には、車いすがゆうに入るだけの広さが確保されている。そこはまた、ベビーカーなどを優先的に乗せる場所でもある。

 フランス政府は2月26日、障害を持つ人々が日常的な生活を無理なく行えるように、商店や学校、交通機関などの施設を今後3年から9年以内に改善するようにと発表した。障害者の平等の権利や社会へ参加する機会などを保障した、障害者の市民権に関する法律では、2005年2月、15年1月までに施設の設備の改善を義務づけていたが、それまでの達成は不可能であると政府は判断した。

 発表によると、公共施設も民間施設も14年12月31日までに具体的な改善工事のスケジュールなどを政府へ提出する必要があり、審査で不適合とされた場合は処罰の対象となる。15年までに法的基準に達していない、もしくは改善予定が提出されていない場合も処罰の対象となる。かなり厳しいお達しが出たと思った。でも、それくらいしないとなかなか改善しないのが現状だと思う。

 ある時、レストランの4人がけの丸テーブルに3つしかいすがないテーブルがあった。しばらくして、車いすでレストランに入ってきた客が、スーッとその席についた。とてもスマートで気持ちが良かった。バスや劇場などはかなり改善されているが、地下鉄などは車いすでアクセスできない所もまだかなりある。これから3年から9年の間で、どれだけ改善されるのであろう。

 前回記事コメントへのお礼

 いつもコメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

 私のほうこそ、みなさまに力をもらっています。

 どんな状況下でも、強く優しく誠実でありたい、

 私もそうありたいと願っています。

 

■ 今週の一句

引く鴨や おいてけぼりも いと楽し

撮影:n.m


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ボンジュール!パリからの健康便り_古田深雪_顔120px

古田深雪(ふるた みゆき)

1992年渡仏。
1997年より医療通訳として病院勤務。

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3件 のコメント

日本では障害者、さてフランスでは?

MGB

交通事故によって後遺症、いわゆる障害が残った私。そんな私が結婚を機にフランスに渡ることになりました。南フランスののんびりとした田舎で暮らしていま...

交通事故によって後遺症、いわゆる障害が残った私。
そんな私が結婚を機にフランスに渡ることになりました。南フランスののんびりとした田舎で暮らしていますが、こちらでの日常生活に慣れるまでは「スパルタ社会適応リハビリ」と呼ぶほど大変でした。移民の同化政策のための市民講座、語学学校でのフランス語習得は、フランス語のアルファベの読み方からはじめるのだろうと日本と同じ感覚でいたら、動詞の活用から。わかるわけがないのに、わからないと答えると逆キレされる始末。

手をあげてもバスは止まってくれない、フランス語のできないわたしに相当腹が立ったのか、パン屋のマダムはつり銭を投げつけてきたこともありました。まぁ、そんなひとは気性の荒い、もとい、感情を素直に表現するフランス人とて少数です。が、フランスは障害者福祉に関して日本よりも遅れている印象を持つ一方で、特にここのひとたちの大らかな性格というか、いい意味での世話焼き加減で、障害者のひとたちも助けられながら生きている現実を見るとほっとします。でも、片腕のないひとが海にいると、「子供が怖がるからあっちへ行ってくれ」とビーチから追い出す光景には唖然でしたが。

日本もフランスも障害者支援、理解は一筋縄ではいかないと思う一方で、器質的な部分では、フランスの方があっさりと、そういうものなの?と受け入れてしまうようにも思えてしまいます。このときばかりは屁理屈も影を潜めて(笑)

いつも楽しく拝見しています。
次号も楽しみにしています。

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あえて障害者と呼ばないで

めざめたじいさん

デパ地下に響く女性の怒声「だからいつも言ってるでしょう!ボリュームを下げなさい!!ったくもう、こらだから困るのよね」明らかに普通の人とは違う行動...

デパ地下に響く女性の怒声「だからいつも言ってるでしょう!ボリュームを下げなさい!!ったくもう、こらだから困るのよね」明らかに普通の人とは違う行動。言われる本人は何処にもいない。周囲の人は一瞬凍り付く。

二十歳になる孫はダウン症。TVは幼児番組を見ている。3歳までに見ていたものと同じ。国際フォーラムで孫と一緒にバレエを見ることになった姉「どのように接すればいいの、教えて」元教師の姉でさえ、障害者との接し方を知らない。「普通に話をして下さい」これが回答。

普通というのは実に多様だ。デパ地下の女性には、危害を加えられないと思った時点でそのまま。バレエ鑑賞に行った時は16歳だった孫、「おばあちゃん、こんにちは」と声を掛ける。「こんにちは、元気だった。今日はどんなバレエか知っている?」「白鳥が出るんだって」「よく知っているね」。二人の会話は順調に続く。終了後に会食。「私、おばあちゃんの隣の席がいいの」。すっかり仲良くなった二人、姉の気持ちは杞憂に終わった。

>私は障害者のために何が出来るかを、今から学びたい。私は未だ若い。
埼玉のシニアさま、すでにあなたは十分障害者のことを学んでいるはずです。子どもでも、お年寄りでも、身寄りのない人でも、太った人でも、松葉杖を突いた人でも、妊婦さんでも、どのような方ともお話は出来ますよね。それでいいのです、障害者とあえて構えないで接して下さいませんか。重い荷物を持った人には手を貸す、それでいいのです。

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私は未だ若いのだ

埼玉のシニア

今日、4月提出の巻紙に描く絵手紙を、書き終えた。昔からなぜかNHKが好きで、書道も絵手紙も、そのほか俳句や水彩画も受講した。宣伝ではないのですが...

今日、4月提出の巻紙に描く絵手紙を、書き終えた。
昔からなぜかNHKが好きで、書道も絵手紙も、そのほか俳句や水彩画も受講した。宣伝ではないのですが、特に書道は漢字もかなも臨書で、筋金入りだ。

何故書き出しにこの文章を持ってきたかといえば、私は健在者で障害者の事が解っていないから。当たり前に書いたり聞いたり、話したり出来るからだ。

障害者が住みよい街作りがテーマですが、今家内が老人ホームの御厄介になっているので、建物の中は全てバリアフリーなのに驚く。入居者は障害者に等しく、車いすなどを動かす当事者も介護者も、抵抗のない動きが家庭とは全く違う。

椅子も肘かけでゆったり座れるし、何も知らない私は初め、どうして、と思いましたが、老人は体が安定せず、転倒防止を兼ねて大きめの椅子にしていることが分かった。これがまた頑丈で重い。

トイレも手すりもベットもテレビの高さも、一般からすれば目線が下だ。ドアは自動でいたるところに肘掛椅子が置いてある。
その点で一般障害者向けは、我々健常者では気がつかない点も多いだろうと思う。

今まさにパラリンピックが行われているが、選手たちには元気に体力の限界まで自分を高めて貰いたいと思います。
私は障害者のために何が出来るかを、今から学びたい。私は未だ若い。

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