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[シカゴから]遺伝情報どう利用するか

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 「ゲノム」情報は、われわれが両親から受け継ぐ(遺伝する)すべての遺伝子情報に相当します。書籍でたとえると30億文字に当たりますが、使われている文字は平仮名やアルファベットよりもはるかに少ない4種類の文字(A、G、C、T)だけです。

 われわれの姿形が多様であるのは、ゲノム情報の多様性(個人差)が大きく影響しています。一卵性双生児がそっくりなのは、同じゲノム情報を持っているからです。二卵性双生児は、遺伝子レベルでは兄弟姉妹と同列なので、似ていますがそっくりではありません。

 ミステリー小説やドラマでも、双生児を利用した犯罪が取り上げられます。一般的には一卵性双生児は遺伝子検査で区別できないことを前提に物語が展開されます。しかし、科学的な方法でその違いを判定することができるのです。

 それは、生まれてから環境によってダイナミックに変化する免疫細胞を調べることで可能となります。リンパ球は外敵から体を守る役割を担っていますが、多くの外敵に反応するため、免疫に重要な遺伝子を組み換え、個々のリンパ球は、それぞれ特徴が異なる物質を作り出します。まったく同じものを食べ、同じように風邪などを引くと差は見つけにくいでしょうが、異なる環境であれば、免疫細胞の違いは大きくなります。

 と、考えていたところ、米国の犯罪捜査ドラマ「CSI」で、遺伝子ではありませんが、抗体の違いを利用して一卵性双生児の犯罪を暴く話が放送されていました。

 こんなに科学が進んでいるにもかかわらず、大地震から3年近くもたって、まだ身元が特定できていない遺体があるのは不思議ですね。親子兄弟姉妹親戚と遺伝情報を比較すれば、身元を特定するのは簡単なはずですが?(シカゴ大教授 中村祐輔)

 

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