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イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常

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ちょっと太めが一番健康

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 明けましておめでとうございます。

 昨年、良いことがあった方にも、そしてちょっと悪いことがあった方にも、よりよい年であるように願っています。

 いよいよ健康や病気に関する連載も本格スタートです。


お正月で3㎏太った!

 僕は昨年12月からちょっと忙しく、お正月の影響もあり、体重が3kgも増えました。昨日は71kgでした。やっぱり予想通り、でもびっくり! 実は約10年前の体重は92kgでした。そして2012年9月に佐渡のトライアスロンを完走したときは66kgです。最近は68kg前後だったのが、あっという間に3kg太りました。

 さて、適切な体重はいくつかというお話です。まず、体重だけで比べるのはナンセンスですね。だって、背が高い人もいれば、低い人もいます。身長を考慮して用いられている体重の指標がBMIです。ボディマス指数(Body Mass Index)です。電卓を用意して下さいね。体重を身長で2回割ります。身長はメートルですよ。

 僕の今のBMIは71÷1.78÷1.78で22になります。身長で1回割る、または3回割るのに比べれば、2回がほぼいいだろうといった感じです。ただ、世界的に用いられている指標なのですよ。

 世界保健機関(WHO)の基準は、18.5未満が低体重(Underweight)、18.5~25未満が正常域(Normal range)、25~30未満が過体重(Overweight)、そして30以上が肥満(Obese)です。


日本ではBMI25以上が肥満?

 ところが、日本の基準は、日本肥満学会によると、WHOと同じBMIの数値の枠組みを使っていながら、25以上で肥満(1度)、そして30以上は肥満(2度)となります。厚生労働省もこの基準を使用しています。BMI25から30未満が、WHOは過体重、そして日本は肥満となっていてどうもに落ちませんね。日本人の方が、肥満に対して病気になりやすいからWHOが示すカテゴリーをえて厳しい側に変更しているのだと解説する先生もいます。

 BMIを1変化させる体重は、身長×身長で算出できます。僕の場合だと、1.78×1.78 = 3.17 です。 つまりこの正月を挟んでの3kgの体重の変化は僕の場合、ちょうどBMIが1増えたことになります。ということは、肥満の定義がBMIで5違うということは、僕の身長の場合は、15.8kgもWHOと日本では基準が異なるということです。僕の場合は79.2kgから日本では肥満というレッテルを貼られWHOでは過体重となります。そしてWHOではやっと95.1kgからが肥満です。

 日本が欧米に比べて体重の増加で病気になりやすいという意見を受け入れるにしても、15kgも正常範囲が、肥満と呼ばれる体重がWHOと異なるというのはやっぱり腑に落ちませんね。日本独自にBMIの基準をすこし厳しめにしたほうが、スッキリすると思っています。


全死亡のリスク度をみると

 世の中的には、厚生労働省も、肥満学会も最適なBMIは22だと言っています。ちょうど僕の今の体重ですね。しかし、僕はちょっと肥満気味が一番健康ではないかと思っています。つまり日本の正常のBMI値は18.5から25ですが、22から28ぐらいでいいのではと思っています。実際に国立がん研究センターのHPを見ると10年以上にわたる調査で全死亡のリスク度がBMI別に出ています。男性は25~27、女性では23~25が一番リスクが少ないですね。「BMI 死亡リスク」と入れるとすぐに検索できますよ。日本対がん協会の「がんを防ぐ12か条」にもBMIは27を越さない、20を下回らないと、正常体重のBMI域より上積みしています。

 僕の立ち位置は、人はいろいろ ですからね。健康デブも健康痩せもいると思っています。そして正常体重でも不健康な人もいますね。そんな話を来週からしばらくします。お楽しみに。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。

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知りたい!_20131107イグ・ノベーベル賞 新見正則さん(1)写真01

新見正則(にいみ まさのり)

 帝京大医学部准教授

 1959年、京都生まれ。85年、慶応義塾大医学部卒業。93年から英国オックスフォード大に留学し、98年から帝京大医学部外科。専門は血管外科、移植免疫学、東洋医学、スポーツ医学など幅広い。2013年9月に、マウスにオペラ「椿姫」を聴かせると移植した心臓が長持ちする研究でイグ・ノーベル賞受賞。主な著書に「死ぬならボケずにガンがいい」 (新潮社)、「患者必読 医者の僕がやっとわかったこと」 (朝日新聞出版社)、「誰でもぴんぴん生きられる―健康のカギを握る『レジリエンス』とは何か?」 (サンマーク出版)、「西洋医がすすめる漢方」 (新潮選書)など。トライアスロンに挑むスポーツマンでもある。

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